歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。
第70回
イチローへの祝福と3000本安打にちなんだ"球史の振り返り"
いよいよイチローの大リーグ通算3000本安打です。大リーグのオールスターゲームは今月(7月)の12日、それまでには達成しているのではないでしょうか。27歳で大リーグに加わった日本人選手が16年間打ち続けて記録する野球殿堂入りのパスポート。「すごいな」と感嘆し祝福します。こうした傑出した記録の達成がファンに与える喜びの一つが、球史を振り返る機会をもらえることです。
イチローに触発された私の"球史の振り返り"は、尊敬する大リーガーの一人、ロベルト・クレメンテへの思いです。
大リーグ最多安打リスト29位で3000本安打ジャストがクレメンテです。パイレーツの俊足、強打、好守の外野手でした。加えて人間としてのすばらしさです。1972年、ニカラグアの大地震の際に飛行機に救援物資を満載にして(積みすぎだったといわれる)故国のプエルトリコから被災地に向かい、嵐のカリブ海に墜落しました。まだ現役の38歳。引退後5年で資格を得る殿堂入りが特例ですぐ認められ、慈善活動に功績のある大リーガーに贈られる「ロベルト・クレメンテ賞」に名を残している特別な選手なので、ご存知のファンも多いでしょう。
イチローはこの偉大な選手に並び、追い越し、さらに最多安打リストの階段を昇り続けます。私にはそれがひときわ素晴らしく感じられるのです。
大リーグ最多安打リスト29位で3000本安打ジャストがクレメンテです。パイレーツの俊足、強打、好守の外野手でした。加えて人間としてのすばらしさです。1972年、ニカラグアの大地震の際に飛行機に救援物資を満載にして(積みすぎだったといわれる)故国のプエルトリコから被災地に向かい、嵐のカリブ海に墜落しました。まだ現役の38歳。引退後5年で資格を得る殿堂入りが特例ですぐ認められ、慈善活動に功績のある大リーガーに贈られる「ロベルト・クレメンテ賞」に名を残している特別な選手なので、ご存知のファンも多いでしょう。
イチローはこの偉大な選手に並び、追い越し、さらに最多安打リストの階段を昇り続けます。私にはそれがひときわ素晴らしく感じられるのです。
イチローの活躍がアメリカ・メディアを変えたことを実感
もっとも、イチローが日米通算安打数を4257本として、ピート・ローズさん(75歳)の持つ大リーグ通算最多安打記録を上回ったときは、「おや」という気分になりました。ローズさんがアメリカのメディアに不満を言い、それが報じられたのです。「"ヒット・キング"の私を"ヒット・クィーン"にするつもりか。大リーグでの安打と日本での安打を一緒にはできない。大リーグと日本の野球ではレベルが違う...」など、など。
理屈として筋は通っていますが、引っかかったのはイチローと日本野球に対してのリスペクトが感じられなかったことです。王(貞治)さんが通算本塁打でハンク・アーロンさんの大リーグ記録(当時)を上回ったとき、アーロンさんは王さんに敬意を示し、称えました。日米の違いなど問題にせず、傑出した成績を挙げたことに対しての祝福は日本のファンに強い印象を与えました。
ローズさんのコメントにはアメリカの記者も"引いて"しまったようです。「ローズの嫌みでイチローの記録を汚させるな。子供のころローズの大ファンだったが、選手をやめてからのローズには失望させられることばかりだ」というベテラン記者のコラムが登場し、「ローズは"大リーグのヒット・キング"、イチローは"国際ヒット・キング"」という記事も出たといいます。
私は、ここまで来たか、と思いました。日本野球を上から目線で眺めていたアメリカ・メディアがイチローの活躍であきらかに変わったのです。
理屈として筋は通っていますが、引っかかったのはイチローと日本野球に対してのリスペクトが感じられなかったことです。王(貞治)さんが通算本塁打でハンク・アーロンさんの大リーグ記録(当時)を上回ったとき、アーロンさんは王さんに敬意を示し、称えました。日米の違いなど問題にせず、傑出した成績を挙げたことに対しての祝福は日本のファンに強い印象を与えました。
ローズさんのコメントにはアメリカの記者も"引いて"しまったようです。「ローズの嫌みでイチローの記録を汚させるな。子供のころローズの大ファンだったが、選手をやめてからのローズには失望させられることばかりだ」というベテラン記者のコラムが登場し、「ローズは"大リーグのヒット・キング"、イチローは"国際ヒット・キング"」という記事も出たといいます。
私は、ここまで来たか、と思いました。日本野球を上から目線で眺めていたアメリカ・メディアがイチローの活躍であきらかに変わったのです。
素晴らしいプロ魂を持つピート・ローズ氏への残念な思い
最後にローズさんについての挿話を。私が監督になって3年目の1978年、日米野球でレッズがやってきました。「ビッグ・レッド・マシーン」の愛称を持つ強豪で、日本での17試合を14勝2敗1分けと圧勝です。約1か月、日本各地を転戦したのですが、主将ローズさんのリーダーシップがすごかった。列車やバスの移動続きに不平を漏らす選手に「オレたちは大リーガーだぞ。仕事で不平を言うな」とピシャリ。10月末の札幌の試合は曇り空でひどい寒さでしたが、ローズさんはただ一人赤いアンダーシャツを着ないで両腕むき出しでのプレーです。売り物のヘッドスライディングも披露しました。「大リーガーとは、どういうものか日本球界と日本のファンに見せたかった」というのです。
私は「さすがだ。本当のプロだ」と感心しました。
ご承知のようにローズさんは、監督時代の野球賭博で球界永久追放となり、殿堂入りの資格も失われています。ローズさんの誇りは大リーグ最多安打記録保持者「ヒット・キング」の称号です。メディアがイチローの記録に関しての感想を求めたことに過剰に反応して、記者たちが肩をすくませるようなコメントになったのではと想像します。私の引っかかった気持ちには、そんなローズさんへの残念な思いが混じっていました。
私は「さすがだ。本当のプロだ」と感心しました。
ご承知のようにローズさんは、監督時代の野球賭博で球界永久追放となり、殿堂入りの資格も失われています。ローズさんの誇りは大リーグ最多安打記録保持者「ヒット・キング」の称号です。メディアがイチローの記録に関しての感想を求めたことに過剰に反応して、記者たちが肩をすくませるようなコメントになったのではと想像します。私の引っかかった気持ちには、そんなローズさんへの残念な思いが混じっていました。
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