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月刊長嶋茂雄

  • 2011年09月01日 更新
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第12回 四季の移ろいと日本人の感性

第12回
四季の移ろいと日本人の感性

写真:長嶋茂雄氏

 朝に夕に、秋の気配が濃くなってきます。暦の上では立秋からは秋。立秋の8月8日の翌日から気温は下がってくるはずでしたが、暑さはずっと主役。すごかったですね。
 どうも近年、暦の上の季節と実際の季節のずれが大きくなった気がします。日本は春・夏・秋・冬の四季に恵まれた、世界でも珍しい国と言われます。そうだろう、とうなずいています。

 手紙の書き出しは時候のあいさつだし、食べ物には「旬」があるし、世界で一番短い詩、俳句には季語を入れる定めがある。こんなことを思いつくだけでも、四季が私たちを包んで生活を豊かにしてくれているのを、自分なりに納得するのです。

仕事と季節が寄り添った生活を重ねつくり上げた

仕事と季節が寄り添った生活を重ねつくり上げた

写真:長嶋茂雄氏
 私のカレンダーは、野球暦で長い間こんなふうにめくられてきました。
 冬枯れの多摩川グラウンドで始動し、宮崎のキャンプに移動する。空は冴えた青空だが、それが柔らかな春の青さに変わるとオープン戦になり、桜前線の北上とともに東京に帰って満開の桜と開幕です。
 若葉の5月、梅雨の6月に夏場を乗り切る体制を整えて、入道雲の沸く炎天の2カ月を戦い抜いた8月末には、秋の豊かな収穫(ペナントですね)を手にする確信をつかんでいる。勝利を収め10月が終わると、また体の手入れを兼ねた自主トレが、ススキの穂が白くそよぐ山で始まり、冬を迎える・・・。
 収穫が不作になる年もありましたが、このカレンダーから外れることがそう何度もあったわけではありません。みなさんも仕事と四季とが寄り添った生活を重ねて、自分暦をつくってきたはずです。そのことが季節の変化に敏感な日本人の感性を培ってきたのだと思います。
 ところが近年はどうもおかしい。今年は5月に気温30度の日があった。梅雨に降らず、7月になるかならないうちに台風の接近で豪雨。続いて8月の猛暑です。車に同乗していた球団のT君が「クーラーを入れてください。40度にもなっている」と汗まみれで悲鳴を上げた日もありました。
 我が野球暦でおわかりのように、年中体を動かしている私はクーラーをほとんど使いません。節電ではありませんよ。体調維持のためです。大会役員をやっている7月の北海道でのゴルフトーナメントでは、クラブハウスを出てグリーン周りを歩いて観戦しました。
 いや、暑かった。日焼けしました。暑さの質が昔とは変わっているのを実感しました。そう言えば、熱中症やそれによる死亡事故など10年前は聞かなかった気がします。
 かつての日本の四季は、たとえば夏の暑さにしても今よりずっと優しかった感じがします。だからこそ私たちは、残暑中でも夕方になると庭で鳴きはじめた虫のささやきに秋を感じ取ったのでしょう。そう言えば「秋の七草」は地味な野草ばかり、この選定など日本人の繊細さの表れではないでしょうか。

加速度をつけて進む地球温暖化は繊細な「和」の心をも変えてしまうのか

加速度をつけて進む地球温暖化は繊細な「和」の心をも変えてしまうのか

写真:長嶋茂雄氏
 東京ドームからJRで一駅、本郷(御茶ノ水)には、日本サッカーミュージアムがあるそうです。ドームの試合開始前に、なでしこジャパンが獲得したワールドカップの優勝トロフィーを観にいった記者が言うのです。
「集まった子どもたちに、"なでしこは、どんな花か知っている?"と聞いてみましたが、一人も知らなかったですね」。孫を連れてきたらしい老人が「昔はどこにでも咲いていたが、今は見当たらないから」と苦笑していたそうです。
 オミナエシ、ハギ、キキョウ、ススキ・・・などとならぶ「秋の七草」のひとつが「ナデシコ」。地球温暖化で季節の変化は暑さに向かって"ダイナミック"になるばかり。可憐な野草が注目を集める時代ではなくなったのか、日本人の繊細な感性、守れるのだろうかとちょっと気になりました。

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第12回 四季の移ろいと日本人の感性

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 歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。

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