歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。
第69回
オリンピック好きにとっての特別な大会とアスリート
リオデジャネイロ・オリンピック開幕まで2カ月を切りました。ところが、肝心のホスト国ブラジルからは気になるニュースばかりです。経済の悪化、大統領の職務停止、政治の混乱、頻発するデモ、それにジカ熱の流行も加わりました。"平和の祭典"を前に次々と黒雲が沸き上がっている感じです。
正直に言えば、大会運営がスムーズにいくのか、多少気にならないでもありませんが、リオ大会そのものが揺らぐことはあるまい、と思っています。
私はこれまで5回のオリンピックを観戦しました。最も印象に残っている大会は?と聞かれると、多くの皆さんは私が伴侶と出会った東京大会(1964年)、と思われるでしょう。だが、違うのです。ロサンゼルス大会(1984年)です。理由を挙げましょう。
ロス大会は、ソ連をはじめとする東側諸国が不参加でした。前大会のモスクワ大会をアメリカ、日本など西側諸国がソ連のアフガン侵攻に抗議してボイコットしたことに対する意趣返しの場になってしまったのです。
ロス大会は、ソ連をはじめとする東側諸国が不参加でした。前大会のモスクワ大会をアメリカ、日本など西側諸国がソ連のアフガン侵攻に抗議してボイコットしたことに対する意趣返しの場になってしまったのです。
傷ついた五輪を癒したカール・ルイスの出現
スポーツ王国のソ連、アメリカが交互に不参加という2大会続きの"傷ついた五輪"でしたが、これが実に巧みな演出で晴々しい祭典になったのです。開会式の大掛かりなアトラクションがすごかった。ロケット・エンジン(だと思います)を背負った人間が空を飛んだのには、「さすがアメリカ、びっくり演出」と私は目を見張りました。
まず、開会式で世界中の人々の心をつかみ、競技では1人のヒーローの出現です。陸上のカール・ルイスです。ルイスは100メートル、200メートル、走り幅跳びで金メダル、さらに400メートルリレーの金メダルを加え計4個を獲得する大活躍です。
私には、100メートル競走はオリンピックの華、という意識があります。スタート前は選手たちの周囲の空気が緊張感でビリビリと圧縮していくようです。その緊張感はスタンドの観客にもテレビ観戦の世界中の人たちにも伝わります。そして、時間がスローに引き延ばされたようにさえ感じる迫力の10秒の戦い。4年間待ちに待ったアスリートたちの心と体の爆発を象徴しているようではありませんか。
まず、開会式で世界中の人々の心をつかみ、競技では1人のヒーローの出現です。陸上のカール・ルイスです。ルイスは100メートル、200メートル、走り幅跳びで金メダル、さらに400メートルリレーの金メダルを加え計4個を獲得する大活躍です。
私には、100メートル競走はオリンピックの華、という意識があります。スタート前は選手たちの周囲の空気が緊張感でビリビリと圧縮していくようです。その緊張感はスタンドの観客にもテレビ観戦の世界中の人たちにも伝わります。そして、時間がスローに引き延ばされたようにさえ感じる迫力の10秒の戦い。4年間待ちに待ったアスリートたちの心と体の爆発を象徴しているようではありませんか。
私にとって特別なアスリートカール・ルイスとの懐かしい思い出
ルイスによって、オリンピックならではの感動が世界に伝わり,"傷ついた五輪"は癒(いや)されたと思いました。現場にいて本当に感激しました。
というわけで、ロサンゼルス大会とカール・ルイスは、私のオリンピックに関わる思い出の中で、特別な大会、特別なアスリートになったのです。
この大会はオリンピックに商業主義を導入する道を開いた、との批判もありますが、それまで赤字続きだった大会を黒字にしたことでも画期的でした。ピーター・ユベロス大会組織委員長の手腕のおかげです。ユベロス氏は五輪が終わるとすぐ大リーグに招かれコミッショナーに就任、全球団を黒字にしてスポーツ・ビジネスの名経営者であることを証明しました。こんなこともあって、ロス大会は忘れられないのです。
その後、ルイスとは世界陸上の取材などで顔を合わせ親しくなりました。ソウル・オリンピックの年、ルイスの自宅を訪ねて、お母さんの手料理をご馳走になったのも懐かしい思い出です。彼は犬好きで世界中の様々な種類の犬を飼っていて、「アジアの犬も欲しい」というのを聞いて、我が家で生まれた子犬をプレゼントしたこともありました。もう、30年以上も前になりますから犬はルイスの家で寿命を終えたことでしょう。長年にわたって家族同然だった我が家の犬たちも5年前の東日本大震災の年に亡くなったハナが最後になりました...。
話がだいぶ飛びましたが、オリンピックに限らず、国際的な大きなイベントに様々な問題、課題が発生するのは、仕方のないことなのかもしれません。リオ大会には206の国と地域から1万500人の選手が参加する、といいます。この世界中から集まってくる情熱を生かして、カーニバルの国らしい明るい大会にしてほしいものです。どんなヒーローが誕生するか楽しみです。
というわけで、ロサンゼルス大会とカール・ルイスは、私のオリンピックに関わる思い出の中で、特別な大会、特別なアスリートになったのです。
この大会はオリンピックに商業主義を導入する道を開いた、との批判もありますが、それまで赤字続きだった大会を黒字にしたことでも画期的でした。ピーター・ユベロス大会組織委員長の手腕のおかげです。ユベロス氏は五輪が終わるとすぐ大リーグに招かれコミッショナーに就任、全球団を黒字にしてスポーツ・ビジネスの名経営者であることを証明しました。こんなこともあって、ロス大会は忘れられないのです。
その後、ルイスとは世界陸上の取材などで顔を合わせ親しくなりました。ソウル・オリンピックの年、ルイスの自宅を訪ねて、お母さんの手料理をご馳走になったのも懐かしい思い出です。彼は犬好きで世界中の様々な種類の犬を飼っていて、「アジアの犬も欲しい」というのを聞いて、我が家で生まれた子犬をプレゼントしたこともありました。もう、30年以上も前になりますから犬はルイスの家で寿命を終えたことでしょう。長年にわたって家族同然だった我が家の犬たちも5年前の東日本大震災の年に亡くなったハナが最後になりました...。
話がだいぶ飛びましたが、オリンピックに限らず、国際的な大きなイベントに様々な問題、課題が発生するのは、仕方のないことなのかもしれません。リオ大会には206の国と地域から1万500人の選手が参加する、といいます。この世界中から集まってくる情熱を生かして、カーニバルの国らしい明るい大会にしてほしいものです。どんなヒーローが誕生するか楽しみです。
第84回
第79回
第78回
第62回
第60回
第57回
第55回
第49回
第48回
第46回
第45回
第44回
第43回
第42回
第41回
第40回
第39回
第38回
第37回
第36回
第35回
第34回
第33回
第31回
第30回
第29回
第28回
第27回
第25回
第24回
第22回
第21回
第17回
第16回
第14回
第13回
第12回
第11回
第10回
第9回
第8回
第7回
第5回
第4回
第3回
第2回
第1回
第0回
子どもの安全ブログ | おとなの安心倶楽部 |
女性のためのあんしんライフnavi |