歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。
第2回
健康は前向きな気持ちから
仕事から引退することはあっても、人生からの引退はありません。ですから毎日が前進です。日々を生き生きと過ごしたいものです。それには「気持ちはいつも前向きに」とつくづく思います。
こんなことを意識したのは、思いもかけない病にかかってからです。
若いころから健康には細心の注意を払っていた自負があります。タバコは風邪で喉を痛めた選手時代の1970年に止めてしまったし、酒もほとんど飲みません。食事も腹八分目を守ってきました。「ファンのためには休めない」という職業上の義務感もありましたが、身体も気持ちも健全に保つことが本能みたいになっていた。選手時代の身長177センチ、体重77キロはいまも変わりません。それでも病気になるのですから、怖いものです。
趣味を持つことの大切さが活力を生む 私は人一倍、好奇心が強い
さて、そこでわれらシニア世代の毎日の過ごし方です。仕事熱心だった人ほど、引退後は日々の張り合いを失って老け込んでしまうと言われます。けれども私はそうならなかった。好きな野球が仕事だった、天職だったという幸運がまずあります。野球は1年を通して刺激を与え続けてくれる。レギュラーシーズンからポストシーズンの試合、オフのストーブリーグ、そしてキャンプ、オープン戦とカレンダーは一年じゅう野球で詰まっています。プレーや指揮から離れても、気持ちの上でいつも野球と一緒になっていられる。これがラッキーでした。
もっとも私は好奇心が人一倍です。アンテナがいつもクルクル回っている。野次馬精神旺盛、自分でも年齢のわりに気持ちは若いと思います。野次馬が走った例を挙げてみましょうか。
アテネオリンピックの代表監督をしていた2003年のことです。翌年のオリンピック本番では、チームの時差調整をイタリアでやってアテネに乗り込むことにしていたので、その下調べで9月に、背広組スタッフ数人と現地に飛びました。
イタリア野球連盟の口利きでオリンピック用の練習場、ホテルを押さえギリシャへの移動・・・と、かなりきついスケジュールだったのですが、ミラノで好奇心に火が付いた。近くの修道院に『最後の晩餐』の壁画があるのに気がついたのです。レオナルド・ダ・ビンチの世界の名画ですね。保存のため見学は予約制で一日に何人だかと決められているのですけれど、拝み倒して「一人ならば」と"拝観"のチャンスをもらいました。画集でおなじみとはいっても400年前の壁画ですから、色彩もはっきりしない古色蒼然たるものです。細部は画集の方がよく分かるような気がしましたけれど、定められている見学時間は15分、「これが本物か」と感激しました。
野次馬の気持ちに火がついて見学した モディリアーニの名画
これが倒れる前で、病後はリハビリを積み、歩くのに自信がついた4年目の2008年の春になります。東京・六本木に完成した新国立美術館で大がかりなモディリアーニ(私たちの世代は、モジリアニと言っていた)展があるのを知って、たまらなくなりました。モディリアーニが描くアーモンド型の顔と首の長い、一度観たら忘れられない人物像が昔から好きだったのです。内覧会に加えてもらい駆けつけ、150点の作品に堪能しました。
絵は選手時代から好きで、画集で眺め、解説の画家の評伝を読むなど、ずっと興味が続いています。倒れる前と倒れた後、どちらも悪条件の中で気持ちに火がつき、直感的に行動に移したことが名画の見学だったのです。趣味(自分の好きなこと)がいかに気持ちを前向きにするか、身をもって体験したのです。
よく趣味を持つことの大切さを耳にします。なるほど、こういうことなのだなと納得しました。何も絵に限ったことではない、新聞やテレビで面白そうなことを見聞きすると野次馬の気持ちが動き出します。これは子どもの好奇心と同じ、だから気が若いのでしょう。
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