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月刊長嶋茂雄

  • 2014年11月04日 更新
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第50回 野球本来の面白さと時代への適合について考えてみた

第50回
野球本来の面白さと時代への適合について考えてみた

 もう"昔"の感じですが、巨人は4連敗であっけなくクライマックス・シリーズで敗退しました。先月、私はこのページで巨人のレギュラーシーズンの戦いは「物足りなかった」とつぶやきました。あれは、独走はしたが短期勝負のプレーオフでは阪神の逆襲に...という危惧が頭の隅に潜んでいて言わせたのかもしれません。
 巨人は打線にも投手陣にも"柱"がいなかった。厚い選手層の中からその日の試合のベストメンバーをピックアップしたパッチワークでした。短期勝負はすべてがギュッと凝縮されます。大黒柱でそのプレッシャーを受け止めなければダメということです。何事も急速に変わる時代ですが、その一方でこうした数少ない不変のセオリーもあるのです。

写真:長嶋茂雄氏

 野球で大きく変わったことの一つが試合時間の長さでしょう。私の選手時代は2時間半前後で終わっていた試合がどんどん長くなって、日米ともに平均試合時間が3時間オーバーです。作戦が細かくなった、選手の分業が進み多くの選手を使うようになった。そんな野球の戦術的進歩が試合を長くしたのですが、最大の理由は、野球のユニークさです。チーム競技はたいてい攻撃側がボールを支配しているものです。ところが野球は守る方がボールを持っている(コントロールしている)。攻撃側がいくら早く攻めようと思っても、慎重にプレーする守る側がボールを持っていますから自然ペースはスローになります。「速攻」はあっても「速守」なんてありませんから。

試合時間短縮に向けた大リーグ機構の意気込み

試合時間短縮に向けた大リーグ機構の意気込み

写真:長嶋茂雄氏
 ユニホーム時代は夢中でやっていたので、試合時間は気になりませんでした。しかし、観戦する側に回ると9回で3時間超の試合はさすがに長いな、と感じます。
 そういえば野球機構(NPB)から毎年シーズン初めに「試合のスピードアップに心がけるように」という通達が出ていましたが、申し訳ないが気にしなかった。
 大リーグ機構(MLB)は強引です。「3時間野球はスピード化された現代の生活時間にそぐわない。ファン離れを起こす」と時間ルールを導入するというのです。たとえば投手の投球間隔。20秒以内とし、タイム・オーバーは自動的に「ボール」、一方打者が間合いをとるため打席を外す場合、片足はバッターボックス内に残さないと「ストライク」コール。敬遠は投球なしで自動的に打者を歩かせることも検討しているらしい。これでは、甘い敬遠球を打ったり、バットさかさまに持って打席に入れなくなります。ファンが喜ぶプレーだったのに。
 有望若手選手がプレーする10月の秋季リーグでは、こんな新ルールで試合をやらせ、データを集めたそうです。この動きを教えてくれた野球記者OBは、球場フェンスにバスケットボール試合で時間を表示する電光時計を何台も取り付け、プレーごとに決めた時間からのカウントダウンを表示してプレー中の選手に知らせる写真をみて「大リーグは本気」と確信したと言います。

時計時間ではなく、アウト・カウントで進む野球

時計時間ではなく、アウト・カウントで進む野球

写真:長嶋茂雄氏
 「来季からやるの?」と聞くと「そのようです。選手会も協力的です」。感想を聞かれても「うーん」と唸るばかり。「野球は時計時間で進むのではなく、アウト・カウントで進む」この野球誕生以来の土台も危うくなりました。オールド野球人としては「観戦するファンのためか」というしかありません。
 選手時代の私の勝負は早かった、どんどん仕掛けていくのが好きでした(私の記録を集めた本によると、1打席で相手投手に9球以上投げさせたのは17年の選手生活でたった56回。ちなみに王(貞治)さんは22年で138回)。そんな"早打ちチョーさん"が試合時間短縮ルールに考え込まされるとは思わなかった...。さらに高校野球が「タイブレーク制」を導入というニュースです。試合の決着をつけるため、延長後の定めた回を過ぎて同点の場合、走者を置いた場面から始めるのがタイブレークです。
 20世紀、21世紀はスピードの時代。日本の母親が子供に言う言葉で一番多いのが「早くしなさい」なのだとか。野球もスピードの時代に適応しなければなりませんが、日米共に野球の面白さを傷つけないよう改革は慎重に進めてほしいと思うばかりです。

  • 2014年11月04日 更新
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 歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。

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