歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。
第42回
プレッシャーとファイター
ソチの冬季五輪が終わりました。時差があったので、日々テレビ観戦というわけにはいきませんでしたが、話題の競技はニュースや録画中継で楽しみました。メダルの本命視されていた選手が敗れたり、予備知識のない競技でメダリストが誕生したり、「五輪はなにが起こるか分からない」といいますが、「何だって起こるのが五輪」だとつくづく思いました。
五輪のプレッシャーは特別です。その克服の難しさ見せつけたのが男女のフィギュアスケートでした。
羽生結弦さんは、後半のフリーで崩れましたが、完ぺきだった前半のショートプログラムの貯金で金メダルです。劇的だったのが、浅田真央さんでした。ショートプログラムでは身体が動かず、転倒もあって観ているこちらも辛くなるような失敗です。ところが翌日のフリーでは、別人でした。手足がさらに長くなったようで、優雅でパワフルで、16位から一気に6位に進出です。微差で世界のトップが争う五輪ではめったに起こることではありません。
「メダル・プレッシャーから解放されての復活」と見ると簡単ですが、そうでしょうか?
羽生結弦さんは、後半のフリーで崩れましたが、完ぺきだった前半のショートプログラムの貯金で金メダルです。劇的だったのが、浅田真央さんでした。ショートプログラムでは身体が動かず、転倒もあって観ているこちらも辛くなるような失敗です。ところが翌日のフリーでは、別人でした。手足がさらに長くなったようで、優雅でパワフルで、16位から一気に6位に進出です。微差で世界のトップが争う五輪ではめったに起こることではありません。
「メダル・プレッシャーから解放されての復活」と見ると簡単ですが、そうでしょうか?
プレッシャーを克服するには
選手時代の私は、プレッシャーに強い、と言うことになっていました。まあ、そうでしたね。
プレッシャーとは何でしょう。そのもとになるのは、野球なら、まず、相手チーム、自分のチームより強いと感じるときに生まれます。自分のチームの順位、打者なら自分が対する投手、打つ時の状況・・・など、直面する様々な条件が厳しくて自分の力が発揮できるかどうか不安になる、これがプレッシャーを感じる状態でしょう。
「どうすればプレッシャーを克服できますか?」。今でもよく質問されます。
答えは、どんな相手、どんな状況にも負けない自信を持った自分を作っておく。それには、練習しかありません。身も蓋もない単純な話になってしまいますが、単純で理屈や理論に逃げられないからスポーツは難しい。そして実戦経験の積み重ね。
プレッシャーとは何でしょう。そのもとになるのは、野球なら、まず、相手チーム、自分のチームより強いと感じるときに生まれます。自分のチームの順位、打者なら自分が対する投手、打つ時の状況・・・など、直面する様々な条件が厳しくて自分の力が発揮できるかどうか不安になる、これがプレッシャーを感じる状態でしょう。
「どうすればプレッシャーを克服できますか?」。今でもよく質問されます。
答えは、どんな相手、どんな状況にも負けない自信を持った自分を作っておく。それには、練習しかありません。身も蓋もない単純な話になってしまいますが、単純で理屈や理論に逃げられないからスポーツは難しい。そして実戦経験の積み重ね。
プレッシャーが極度に高まる一打逆転の場面に向かった自分を、私はいつもこんな風に説明してきました。「カーッと体が硬くなる。ポンと打席に立つと、体内でファーと血が落ちてきて、スーッと冷静になる。カッカしつづけではダメ、ここを通り過ぎてバーッと冷静さが出てきて勝負の形、腰が据わる・・・」と。
「ナガシマ流・感覚的説明ですが、分かります。分かるような気がします」と言われます。大事な場面、緊張が強いられる場面で体が硬くなり、血が騒ぐのは人の常です。ここで熱い血を静めて、冷静さに持って行くよう心がコントロールされているのは、日ごろの練習たまものです。体はもちろん心も練りあげておくのです。
打者は1打席ごとに、1試合ごとに、また長く見ても1シーズンが終わればやり直しができます。五輪出場選手は、「オリンピアン」と言いましたか、彼ら彼女らは4年に1度です。野球みたいに経験を積み重ねられませんから、どれだけ努力をし、頑張ってきたか、その大変さは私にはよくわかります。
「ナガシマ流・感覚的説明ですが、分かります。分かるような気がします」と言われます。大事な場面、緊張が強いられる場面で体が硬くなり、血が騒ぐのは人の常です。ここで熱い血を静めて、冷静さに持って行くよう心がコントロールされているのは、日ごろの練習たまものです。体はもちろん心も練りあげておくのです。
打者は1打席ごとに、1試合ごとに、また長く見ても1シーズンが終わればやり直しができます。五輪出場選手は、「オリンピアン」と言いましたか、彼ら彼女らは4年に1度です。野球みたいに経験を積み重ねられませんから、どれだけ努力をし、頑張ってきたか、その大変さは私にはよくわかります。
本物のファイターになるには
「頑張るな。楽しめ」などと言うのは、アスリートとは縁のない人たちの言う小理屈です。「楽しめる」のは、その心境に達することのできるだけの気の遠くなるような努力と頑張り続けた選手にだけ与えられるものです。
真央さんが16位でプレッシャーから解放され(負けて)、逃げれば、心も体も張りつめていた緊張感、集中力も失ったでしょう。順位はもっと下がってしまったと思います。観る者を感動させたのは、プレッシャーから逃げずにそれを引き受け、それを押し戻して頑張った真央さんの精神力でした。ライバルの外国人選手が真央さんを評して「本物のファイターだ」と賞賛したと言う記事を読んで「その通り」と納得しました。
真央さんが16位でプレッシャーから解放され(負けて)、逃げれば、心も体も張りつめていた緊張感、集中力も失ったでしょう。順位はもっと下がってしまったと思います。観る者を感動させたのは、プレッシャーから逃げずにそれを引き受け、それを押し戻して頑張った真央さんの精神力でした。ライバルの外国人選手が真央さんを評して「本物のファイターだ」と賞賛したと言う記事を読んで「その通り」と納得しました。
そういえば最近、我らが野球界では若い選手が「プレッシャーを楽しみます」と言わなくなった気がします。プレッシャーを楽しむ心境に達するのが、いかに大変なことか理解し始めたのでしょう。何度もプレッシャーにつぶされ、泣かされ、跳ね飛ばされ、それでも頑張り続けて選手は真のファイターに育ちます。
たくさんのファイターが溢れているから、私は五輪が好きなのです。ソチ五輪を楽しんだ皆さんもそうだったのではありませんか。
たくさんのファイターが溢れているから、私は五輪が好きなのです。ソチ五輪を楽しんだ皆さんもそうだったのではありませんか。
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