歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。
第65回
開幕が待ち遠しい2016年プロ野球と高橋新監督
気が早すぎるのは承知で、今季のプロ野球の開幕が待ち遠しくてなりません。というのは、セ・リーグの予想がまったくたたず、どこが勝つのか見当がつかないからです。パ・リーグでは、"主役"は日本シリーズ3連覇に挑戦するソフトバンク、とはっきりしているのと対照的です。セ・リーグは"本命"不在。私はいつも巨人を"主役"にして眺めてきました。ところが、今季はそうなりません。「優勝するのに近い力はある」程度です。巨人が混戦をどう制するか...楽しみなのです。
球趣を倍加させているのが、巨人、阪神、DeNAの新監督共演、ではなかった、競争です。巨人・高橋(由伸)、阪神・金本(知憲)、DeNA・アレックス・ラミレス3人の選手キャリアは、クリーンアップを打った外野手で共通しています。監督采配にこの選手歴がどう表れるでしょうか。
高橋新監督に期待するのは「ウルフ」スタイル
高橋新監督には選手時代のプレーそのままの積極的な姿勢で取り組んでもらいたいですね。堅苦しい敬称、肩書抜きの「高橋」で話を進めますけれど、新人時代からコーチ兼任の昨シーズンまで、一貫していたのは、打席での勝負の仕掛けの速さでした。早いカウントからどんどん打って出た。アグレッシブなプレースタイルは守備でも同じです。口には出さなかったけれど、「おいおい、少しは加減したらどうなんだ」と腹の中で思った"危険プレー"がしょっちゅうありました。フェンスに肩をぶつけたり、打球にダイビングしてひざを痛めたり、少なくなかった高橋の故障のほとんどが"自損事故"と言うと適当ではありませんけれど、ハッスル過剰が原因だったという印象です。とにかく、積極果敢、攻撃的でした。
ファンの間では定着しませんでしたが、私がルーキーの高橋に「ウルフ」と愛称を付けたのは、プレーに飢えて貪欲に取り組むスタイルがオオカミを思わせたからです。しかし、監督の仕事は選手のような肉体のパフォーマンスではなく、頭の中のメンタルな仕事です。形として"攻撃"を表現するのが出来にくい仕事ですが、私の希望は、「君の持つ野球に対する攻撃的な姿勢を揺るがすことなくやってほしい」ということです。采配は、バントでなくエンド・ランを...というたぐいの意味合いとは違うのです。心の姿勢です。
なぜ、こんなことを言うのかというと、監督は耳に入ってくる、メディアからの批判、ファンからの叱責、選手からの不満などで、自分を見失いグラグラしかねないからです。批判を恐れて監督が自分の信念を曲げて妥協的な姿を見せると、選手はすぐ気づいてチームの結束は乱れます。
ファンの間では定着しませんでしたが、私がルーキーの高橋に「ウルフ」と愛称を付けたのは、プレーに飢えて貪欲に取り組むスタイルがオオカミを思わせたからです。しかし、監督の仕事は選手のような肉体のパフォーマンスではなく、頭の中のメンタルな仕事です。形として"攻撃"を表現するのが出来にくい仕事ですが、私の希望は、「君の持つ野球に対する攻撃的な姿勢を揺るがすことなくやってほしい」ということです。采配は、バントでなくエンド・ランを...というたぐいの意味合いとは違うのです。心の姿勢です。
なぜ、こんなことを言うのかというと、監督は耳に入ってくる、メディアからの批判、ファンからの叱責、選手からの不満などで、自分を見失いグラグラしかねないからです。批判を恐れて監督が自分の信念を曲げて妥協的な姿を見せると、選手はすぐ気づいてチームの結束は乱れます。
孤独になって初めて選手目線から監督目線になる
私自身の監督1年目を振り返ってみても、選手目線が監督目線になるのに時間がかかりました。情が移って選手の立場にたっての指揮、管理になってしまう。チームメートでお互い気心が知れているからやってくれるはず、と緩く甘い指揮、管理になってしまうのです。選手のときは自分に妥協せず自分を追い込んでやってきたのに、監督になったら選手と妥協しそうになっている。それに気が付いたとき川上(哲治)監督が「監督とは孤独なものだ」といった本当の意味が分かりました。孤独になって初めて情に流されない、ただ勝つことに徹する道を追求する監督目線が生まれてくる...と分かったのです。
新聞の新年企画の対談で高橋は試合中のベンチで私に怒られた話をしました。入団3年目で、自分のフォームの右足を上げずに、すり足でホームランしてベンチに戻ってきたら、私が「何だ、あの打ち方は」と怒ったというのです。確かにそんなことがありました。
なぜ怒ったのか。並みの打者だったら、私は大声を出しません。誉めたかもしれない。私は高橋の打撃術を入団1年目から高く評価していました。ほとんど完成の域でした。ならば自分の技術を信じろ、ぶれるな、小細工で打つな、と気に障ったのです。
高橋監督は、それを覚えていた。私が「攻撃的姿勢で監督を」などと言ったのは、よけいなことだったようです。新監督の姿勢はキャンプで確かめてきますが、ますます開幕が待ち遠しくなってきました。
新聞の新年企画の対談で高橋は試合中のベンチで私に怒られた話をしました。入団3年目で、自分のフォームの右足を上げずに、すり足でホームランしてベンチに戻ってきたら、私が「何だ、あの打ち方は」と怒ったというのです。確かにそんなことがありました。
なぜ怒ったのか。並みの打者だったら、私は大声を出しません。誉めたかもしれない。私は高橋の打撃術を入団1年目から高く評価していました。ほとんど完成の域でした。ならば自分の技術を信じろ、ぶれるな、小細工で打つな、と気に障ったのです。
高橋監督は、それを覚えていた。私が「攻撃的姿勢で監督を」などと言ったのは、よけいなことだったようです。新監督の姿勢はキャンプで確かめてきますが、ますます開幕が待ち遠しくなってきました。
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