歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。
第26回
短期決戦のプレッシャーを克服して勝利するには
日本シリーズは巨人と日本ハムの顔合わせになりました。私が巨人に肩入れするのは当然ですが、それとは別に、クライマックスシリーズ・最終ステージで中日に3連敗して追い詰められた巨人が3連勝して勝ちあがったのは、嬉しかった、いや、ホッとしました。
中日を悪く言うのではありませんが、レギュラーシーズンで10.5ゲームもの大差をつけたチームが日本シリーズ出場では、巨人の一員を離れ"野球人"としてたまりません。差が3ゲーム以内ならば、プレーオフでの"制度的逆転"も許容範囲、と我慢できないでもありませんが、この大差が帳消しでは唖然とするしかなかったでしょう。
それにしても10.5ゲーム差が生み出した最終ステージのプレッシャーはスリリングでした。
巨人は「大差でペナントを獲ったのだから勝って当然、負けるわけにいかない」と金縛りです。中日は「棚ボタ」で、ベンチの高木守道監督は、目がつりあがった最後の2試合はともかく、悠然としているように見えました。大差で負けた後の出直し、「失うものはない」と虚心坦懐(きょしんたんかい)というか、さっぱりした気持で戦っていたのでしょう。
確か、8月下旬の試合でした。NHKの中継を観ていたら、高木監督が投手を交代させようとベンチから腰を上げる。ところが投手コーチの権藤博さんは横を向いて動かない。このシーンが結構長く映され、緊張感にこらえきれずアナウンサーが「交代ですよね・・・」と問いかけても、誰か忘れましたが、解説者は絶句です。
監督、コーチの間で選手起用を巡ってぶつかるのは珍しくありませんが、それが戦いの場で生々しく出た、ちょっと凄いシーンでした(結局、こうした軋轢が権藤さんの退団になったようです)。極度に緊張が高まったあの試合の高木監督の引きつった顔とプレーオフ前半の穏やかな顔とは、まったく別人でした。
確か、8月下旬の試合でした。NHKの中継を観ていたら、高木監督が投手を交代させようとベンチから腰を上げる。ところが投手コーチの権藤博さんは横を向いて動かない。このシーンが結構長く映され、緊張感にこらえきれずアナウンサーが「交代ですよね・・・」と問いかけても、誰か忘れましたが、解説者は絶句です。
監督、コーチの間で選手起用を巡ってぶつかるのは珍しくありませんが、それが戦いの場で生々しく出た、ちょっと凄いシーンでした(結局、こうした軋轢が権藤さんの退団になったようです)。極度に緊張が高まったあの試合の高木監督の引きつった顔とプレーオフ前半の穏やかな顔とは、まったく別人でした。
1球、1打にどれだけ集中できるか
ここでプレッシャー論をさせてください。
「プレッシャーに圧倒された選手には、相手チームのユニホームが大きく見え、投手が近くにいるように感じられ、塁間距離が長くなったように思える」と言うのです。
大リーグで昔から言われているらしいのですけれど、プレッシャーにつぶされ、委縮してしまった選手がどんな感覚になるか、実にうまく、分かりやすく説明しているではありませんか。
「ヤンキースのユニホームを着ている選手は大きく見える」と言うのと同じ意味ですね。かつては「巨人のユニホームを着た選手は・・・」と言われ、我々巨人選手は戦う前から心理的優位に立っていたものですが、まあ、これは懐かしの昔話。
ポストシーズン試合のプレッシャーはレギュラーシーズン試合の比ではありません。何しろ1年の戦いの成否が数試合で決められてしまうのです。では、その大変なプレッシャーを克服して勝利をおさめる選手は、となると「必ず勝つ」との信念に揺らぎがない選手になります。むろん信念を持てるだけの裏打ちがなければなりません。
技術、体力、精神力、この三本の柱に加えて、自分がこれまで積み重ねてきた練習、プレーに対する絶対の自信、自分への信頼を持ててこその「必ず勝つ」です。
そんな打者には「ボールが止まって見え」(川上哲治さんが打撃の奥義を開眼した時の感覚を伝える名セリフですね)、走者となって走れば塁間距離が短く感じられ、投手ならば捕手が近くに見え、ストライクゾーンも広くなった感覚になるはずです。
いずれも1球、1打にどれだけ集中できるか、その集中力の強さの度合いで決まると思います。自分のこれまでの経験から、そう断言できます。
「プレッシャーに圧倒された選手には、相手チームのユニホームが大きく見え、投手が近くにいるように感じられ、塁間距離が長くなったように思える」と言うのです。
大リーグで昔から言われているらしいのですけれど、プレッシャーにつぶされ、委縮してしまった選手がどんな感覚になるか、実にうまく、分かりやすく説明しているではありませんか。
「ヤンキースのユニホームを着ている選手は大きく見える」と言うのと同じ意味ですね。かつては「巨人のユニホームを着た選手は・・・」と言われ、我々巨人選手は戦う前から心理的優位に立っていたものですが、まあ、これは懐かしの昔話。
ポストシーズン試合のプレッシャーはレギュラーシーズン試合の比ではありません。何しろ1年の戦いの成否が数試合で決められてしまうのです。では、その大変なプレッシャーを克服して勝利をおさめる選手は、となると「必ず勝つ」との信念に揺らぎがない選手になります。むろん信念を持てるだけの裏打ちがなければなりません。
技術、体力、精神力、この三本の柱に加えて、自分がこれまで積み重ねてきた練習、プレーに対する絶対の自信、自分への信頼を持ててこその「必ず勝つ」です。
そんな打者には「ボールが止まって見え」(川上哲治さんが打撃の奥義を開眼した時の感覚を伝える名セリフですね)、走者となって走れば塁間距離が短く感じられ、投手ならば捕手が近くに見え、ストライクゾーンも広くなった感覚になるはずです。
いずれも1球、1打にどれだけ集中できるか、その集中力の強さの度合いで決まると思います。自分のこれまでの経験から、そう断言できます。
日本シリーズは、大リーグのワールドシリーズと同じく、「それぞれのリーグで、最多あるいは最高の勝率を挙げたチームの間で戦い、チャンピオンを決める」のが原則でした。
それはスポーツの原則でもあります。巨人、日本ハムは共にセ、パそれぞれのリーグの王者です。交流戦の順位は1位巨人、2位日本ハムでその差は2ゲームでした。
日本一を決めるにふさわしい顔合わせ。思い出してください。ロンドン五輪・女子柔道の松本薫選手の眼光、あれが最高レベルに集中した選手の眼です。あの"勝負の眼"を持つ選手がどれだけいるかの戦いでもあるのです。
それはスポーツの原則でもあります。巨人、日本ハムは共にセ、パそれぞれのリーグの王者です。交流戦の順位は1位巨人、2位日本ハムでその差は2ゲームでした。
日本一を決めるにふさわしい顔合わせ。思い出してください。ロンドン五輪・女子柔道の松本薫選手の眼光、あれが最高レベルに集中した選手の眼です。あの"勝負の眼"を持つ選手がどれだけいるかの戦いでもあるのです。
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