歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。
第35回
バントは
気楽な茶話の席で「バントは"難しいプレー"ですか」と聞かれました。テレビの大リーグ・ニュースの中のアンケートで、大リーガーたちが口々に「難しいプレー」の上位にバントを挙げていた、というのです。大リーグの看板はパワーとスピード、細かいプレーのバントが苦手なのでしょう。そういえば夏の高校野球、かつてはすぐ浮かぶ代表的なプレーが「バント」でした。しかし、高校野球のバントも金属バットになってずいぶん減りましたね。「バント」をテーマの雑談をします。
とは言っても、私はバントにあまり縁がありません。大学時代は一度もやらなかったし、「巨人の17年間で何回バントしたのやら・・・」。
調べてもらうとサインでの送りバントで安打になったのが4本、走者をきちんと送ったのが5回、失敗は4回。セーフティバントはファウルを別にして44回で成功が25回(安打)。このセーフティバントにしても、打率稼ぎではなく、スランプの時にスコアボードに「H=ヒット」のライトを付けて気持ちを切り替えるための"ビタミン剤"みたいなものでした。たくさん飲む(試みる)ものではなかったのです。
調べてもらうとサインでの送りバントで安打になったのが4本、走者をきちんと送ったのが5回、失敗は4回。セーフティバントはファウルを別にして44回で成功が25回(安打)。このセーフティバントにしても、打率稼ぎではなく、スランプの時にスコアボードに「H=ヒット」のライトを付けて気持ちを切り替えるための"ビタミン剤"みたいなものでした。たくさん飲む(試みる)ものではなかったのです。
「長嶋の感ピューター野球」が証明された
大リーグでは、選手が「難しい」と言うだけでなく、「バントは失われつつある伝統技術」との記事が散見されるそうです。パワー野球でバントの機会が減ったのだと思いますが、それだけではなかった。
コンピューターのデータ分析で「送りバントは相手にワン・アウトをプレゼントするだけの無駄なプレー」という結果が出ているからと言います。無死、走者一塁からの平均得点は0.896点。これに対してバントを使った一死、走者二塁からの平均得点は0.682点ですと。GM(ゼネラル・マネジャー)が監督に「送りバント禁止令」を出している球団もあるらしい。
思わず、「おいおい」と身を乗り出します。第1期監督時代、当時は確実な策と信じられていたバントをめったに使わないので、「長嶋の感ピューター野球」とずいぶん非難されたものです。我が感ピューターが「送りバントは損だ」と判断した正しさを30年以上たった今、本物のコンピューターが証明してくれたのか・・・と感無量ですよ。
コンピューターのデータ分析で「送りバントは相手にワン・アウトをプレゼントするだけの無駄なプレー」という結果が出ているからと言います。無死、走者一塁からの平均得点は0.896点。これに対してバントを使った一死、走者二塁からの平均得点は0.682点ですと。GM(ゼネラル・マネジャー)が監督に「送りバント禁止令」を出している球団もあるらしい。
思わず、「おいおい」と身を乗り出します。第1期監督時代、当時は確実な策と信じられていたバントをめったに使わないので、「長嶋の感ピューター野球」とずいぶん非難されたものです。我が感ピューターが「送りバントは損だ」と判断した正しさを30年以上たった今、本物のコンピューターが証明してくれたのか・・・と感無量ですよ。
断っておきますが、私はバント否定論者ではありません。巧みなバントとそれに対する守備プレーなど、ファンにもなかなかの見ものはず。
投手が投げると同時に一塁手と三塁手は打者に向かって勇敢に突っ込むのです。二塁手は一塁ベースに走り、遊撃手は二塁ベースをカバーする・・・。バッテリーと全内野手が一斉に動くこの「ウィール=車輪=プレー」がめったに見られなくなった、とアメリカの昔堅気の野球人は嘆くらしいのですが、全内野手の動きを車輪の回転運動にたとえるこんな野球用語まであったんですね。
巨人が1961年のベロビーチ・キャンプでドジャースから輸入し、プロ、アマを問わず日本球界に根付かせたプレーですから個人的な思い入れもありますけれど、選手の体が大きくなり、用具が改良され、野球のスケールが大きくなり「バント」の出番が少なくなってこのプレーもめったに見られなくなりました。
投手が投げると同時に一塁手と三塁手は打者に向かって勇敢に突っ込むのです。二塁手は一塁ベースに走り、遊撃手は二塁ベースをカバーする・・・。バッテリーと全内野手が一斉に動くこの「ウィール=車輪=プレー」がめったに見られなくなった、とアメリカの昔堅気の野球人は嘆くらしいのですが、全内野手の動きを車輪の回転運動にたとえるこんな野球用語まであったんですね。
巨人が1961年のベロビーチ・キャンプでドジャースから輸入し、プロ、アマを問わず日本球界に根付かせたプレーですから個人的な思い入れもありますけれど、選手の体が大きくなり、用具が改良され、野球のスケールが大きくなり「バント」の出番が少なくなってこのプレーもめったに見られなくなりました。
バントは難しいか?
大リーガーたちはバントの「名人」にイチローを指名していたと言います。日本の野球専門誌の選手間アンケートで確実なバント技の持ち主に中日・谷繁(元信)が挙げられたとか。日米ともにバントは大ベテランの技になっている。バントの名人と言えば巨人のヘッドコーチの川相(昌弘)。私の第2期監督時代の遊撃手ですが、バットを片手で持ってバント練習していたあの姿はまさしく伝統技術継承と言う感じでした。
最初の問いに戻ります。「バントは難しいか?」。第1期監督時代に私が「代打・高田(繁)」とバントのジェスチャーをして審判に告げたことがあった(らしいのです。記憶あいまい)。ずいぶん話題にされました。高田はきちんとバントを決めました。こういう"特異な状況"でのバントは難しかったはずです。
さて、この夏の甲子園球児たちは金属バットで決めるのはさらに難しいバントをいくつ決めるでしょうか。テレビの前の楽しみでもあります。
さて、この夏の甲子園球児たちは金属バットで決めるのはさらに難しいバントをいくつ決めるでしょうか。テレビの前の楽しみでもあります。
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