歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。
第25回
WBC出場決定に思う国際試合の難しさ
このオフ、日本の野球ファンが球界にかける夢は、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)3連覇でしょう。
9月初めにプロ野球選手会が来年3月の第3回WBCボイコットを撤回し、出場を決めました。不参加を表明して1年、9月中旬からはアメリカ・フロリダ州、ドイツ、パナマで予選ラウンド開始です。その寸前の出場決定には、正直ホッとしました。ファンの"無言の熱意"が参加決断をうながしたと思います。
弁護ではありませんが、選手会が出場に抵抗したのはわからないでもありません。WBCは大リーグの「野球を世界のスポーツに」との理想とビジネスが一つになった大会です。選手会はそのビジネス面での是正を求めました。
野球記者、大リーグ事情通などから聞いた背景を受け売りします。野球の国際試合の難しさがわかっていただけると思います。
野球記者、大リーグ事情通などから聞いた背景を受け売りします。野球の国際試合の難しさがわかっていただけると思います。
世界一を決める大会誕生の背景は
世界の野球団体を統括する組織に国際野球連盟(IBAF)があります。すべての競技がアマ、プロに分かれていた時代からの組織でアマ野球の団体でした。
ですから大リーグや日本のプロ野球とは無縁でした。IBAFは長年の働きかけで野球を五輪のメダル競技にしました。しかし、五輪にプロ選手の出場が可能になっても、大リーグはレギュラーシーズンと日程が重なるのを理由に選手を派遣しません。
国際オリンピック委員会は「トップ選手(大リーガー)が出場しない競技は参加資格なし」と、レッドカードを出しました。五輪を失ったIBAFには、それに変わる国際大会が必要です。そこで昨年、WBCを公認大会とし、「世界一を決める大会」と認定しました。
五輪に背を向けた大リーグの独自の国際大会がWBCです。大リーグは巨大なビジネス組織ですから、「野球を世界のスポーツに」の理想と共に、商売の面でも抜かりなしです。開催時期をシーズン前の3月にして米国内のビジネスを守り、大会の権益総取り体制を固めて国際化のドアをWBCで開いておいたのです。
日本の選手会はこの大リーグに偏った運営を正そうとしました。しかし、利益分配など、お金だけを問題にしたように観られ、報じられたのは、マイナス・イメージになりました。
『侍ジャパン』ですから「武士は食わねど高楊枝」のことわざどおり(侍は食事をとらなくても、くわえ楊枝で空腹のそぶりを見せない)やせ我慢をしてほしかった。交渉は水面下でやってほしかったですね。
ですから大リーグや日本のプロ野球とは無縁でした。IBAFは長年の働きかけで野球を五輪のメダル競技にしました。しかし、五輪にプロ選手の出場が可能になっても、大リーグはレギュラーシーズンと日程が重なるのを理由に選手を派遣しません。
国際オリンピック委員会は「トップ選手(大リーガー)が出場しない競技は参加資格なし」と、レッドカードを出しました。五輪を失ったIBAFには、それに変わる国際大会が必要です。そこで昨年、WBCを公認大会とし、「世界一を決める大会」と認定しました。
五輪に背を向けた大リーグの独自の国際大会がWBCです。大リーグは巨大なビジネス組織ですから、「野球を世界のスポーツに」の理想と共に、商売の面でも抜かりなしです。開催時期をシーズン前の3月にして米国内のビジネスを守り、大会の権益総取り体制を固めて国際化のドアをWBCで開いておいたのです。
日本の選手会はこの大リーグに偏った運営を正そうとしました。しかし、利益分配など、お金だけを問題にしたように観られ、報じられたのは、マイナス・イメージになりました。
『侍ジャパン』ですから「武士は食わねど高楊枝」のことわざどおり(侍は食事をとらなくても、くわえ楊枝で空腹のそぶりを見せない)やせ我慢をしてほしかった。交渉は水面下でやってほしかったですね。
参加し続けることで真の国際大会に
後知恵になりますが、表に出す問題は、グラウンド内の野球のプレーにかかわる面に絞ったほうがこれまでの2大会で日本ファンを熱狂させて2連覇したチャンピオンの物言いにふさわしかったし、ファンにもわかりやすかったと感じています。
たとえば審判団。国際試合では参加国から出しあうのが常識ですが、第1回大会は大リーグとその傘下のマイナーリーグのメンバー主力で編成されました。日本の優勝で「アメリカ有利判定。誤審の続出。それでもアメリカは決勝に進めなかった」と地元メディアから酷評され、第2回大会では少数ながら各国審判員が加わりました。おそらく第3回はさらにその範囲が広がるでしょう。
参加国のユニホームは主催の大リーグからのお仕着せでした。大リーグのライセンス権のためですが、国の代表は自国デザインのユニホームを着るものです。次回の日本はアテネと北京の五輪で日本代表が着た白地に縦じま、日の丸のユニホームの一部デザインをWBC用に変えて着ることになったそうです。
日本は参加し続けて実績を積み、こうして薄紙を重ねるようにWBCを真の国際大会に近づけていくべきでしょう。
力の入った話になりましたが、理由があります。
ロンドン五輪でなでしこジャパンが銀メダルを取りました。その勢いを受けて20歳以下の女子ワールドカップでヤングなでしこが3位です。初戦をテレビで見た記者が「ファームレベル、全国放映に耐える試合ではありません」と厳しい評価をしました。
ところが3位決定戦の瞬間視聴率は30%とか。「日本シリーズでも出ない数字だぞ」と、私は目を丸くしました。国際試合で勝ち進むことにその競技の未来がかかっているのです。
ボイコットしたら次のWBC大会は2017年。2回大会から8年間の「鎖国」、ぞっとしました。参加決定は本当に良かった。
たとえば審判団。国際試合では参加国から出しあうのが常識ですが、第1回大会は大リーグとその傘下のマイナーリーグのメンバー主力で編成されました。日本の優勝で「アメリカ有利判定。誤審の続出。それでもアメリカは決勝に進めなかった」と地元メディアから酷評され、第2回大会では少数ながら各国審判員が加わりました。おそらく第3回はさらにその範囲が広がるでしょう。
参加国のユニホームは主催の大リーグからのお仕着せでした。大リーグのライセンス権のためですが、国の代表は自国デザインのユニホームを着るものです。次回の日本はアテネと北京の五輪で日本代表が着た白地に縦じま、日の丸のユニホームの一部デザインをWBC用に変えて着ることになったそうです。
日本は参加し続けて実績を積み、こうして薄紙を重ねるようにWBCを真の国際大会に近づけていくべきでしょう。
力の入った話になりましたが、理由があります。
ロンドン五輪でなでしこジャパンが銀メダルを取りました。その勢いを受けて20歳以下の女子ワールドカップでヤングなでしこが3位です。初戦をテレビで見た記者が「ファームレベル、全国放映に耐える試合ではありません」と厳しい評価をしました。
ところが3位決定戦の瞬間視聴率は30%とか。「日本シリーズでも出ない数字だぞ」と、私は目を丸くしました。国際試合で勝ち進むことにその競技の未来がかかっているのです。
ボイコットしたら次のWBC大会は2017年。2回大会から8年間の「鎖国」、ぞっとしました。参加決定は本当に良かった。
第84回
第79回
第78回
第62回
第60回
第57回
第55回
第49回
第48回
第46回
第45回
第44回
第43回
第42回
第41回
第40回
第39回
第38回
第37回
第36回
第35回
第34回
第33回
第31回
第30回
第29回
第28回
第27回
第25回
第24回
第22回
第21回
第17回
第16回
第14回
第13回
第12回
第11回
第10回
第9回
第8回
第7回
第5回
第4回
第3回
第2回
第1回
第0回
子どもの安全ブログ | おとなの安心倶楽部 |
女性のためのあんしんライフnavi |