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月刊 長嶋茂雄
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![第9回 食いしん坊歴を振り返って](/otona/nagashima/img/h1_title_1106.jpg)
第9回
食いしん坊歴を振り返って
「グルメですか」と聞かれると首をかしげてしまう。「美食家」でもなければ「食通」でもありません。ただ、美味しいものには目がないから「食いしん坊」なのは間違いなし。
もっとも最近の「グルメ」は、食べ物に対して好奇心が旺盛で、何でも食べてやろう、美味しいものを見つけてやろう、変わった料理にトライしてみよう、などと「食のすべてを楽しむ人」の意味に使われているようです。それでも、私の場合はやはり「食いしん坊」が適当だなあ。
わが"食いしん坊歴"を振り返えると、好き嫌いはないものの、年齢を重ねるに従ってメインの好みが変わってきたのに気が付きます。
肉料理主体だったのが、60代に入って魚になり、和食が中心になったのです。エネルギーが必要な若い時は、体がハイ・カロリーで濃い味の食べ物を求め、歳をとるとロー・カロリーの薄味の食べ物になる。肉食系から草食系へ、これは体の変化による自然の流れなのでしょう。
![最高の肉料理はレアの小鹿肉 最高の中華料理はレストラン経営の夢まで生んだ](/otona/nagashima/img/h2_title_110601.gif)
最高の肉料理はレアの小鹿肉 最高の中華料理はレストラン経営の夢まで生んだ
肉料理のベストといえば、監督になって初優勝した1976年にアラスカで石油事業をしていた知人が「V1祝い」でご馳走してくれた子ジカ肉の刺身ですね。一番おいしく食べられる日から逆算してハンティングしてきたそうで、シカ肉のトロでした。
これは「レア=生肉」。それと正反対の「ウエルダン=よく焼く」で忘れられないのがアフリカ旅行での炭のように真っ黒に焼かれたステーキ。食欲がわくか、味がどうかはともかく「これだけ完全に"熱処理"をしていれば間違っても腹は壊すまい」と思ったものです。
いまも変わらず好きなのが中華料理です。この極め付きはこれも30年以上も前になる北京の人民大会堂での食事でした。野球を教えて欲しいと招待された旅のVIP用の特別料理で、小皿に上品にほんの一箸の料理、食材は教えてもらわないと見当もつかないほど凝った料理が、次々と舌を楽しませてくれたのです。この人民大会堂での料理には本当に唸りました。
中華料理はフランス料理と並んで世界の食文化のトップに君臨し、世界中にピンからキリまでの店が進出している。人民大会堂の本場のトップ料理から、たとえばアメリカの田舎町キャンプ地・ベロビーチのチャイニーズ・レストランの「腹が減っていればまずいものなし」の中華料理(だったのでしょう)まで、幅広く奥深い。
中国旅行から帰国してしばらくの間、サイドジョブなら中華料理店だ。勝負の決め手は「味」、それには腕利きの料理人を見つけるのが一番で、人民大会堂の料理人の一人を引き抜けば"長嶋飯店"の成功疑いなし、と吹きまくったものでした。昨今はレストランの間で、腕利きシェフの引き抜き合戦があるようですから、わが夢の中華料理店経営の勘所はいいところをつかんでいた気がしますね。
![そして最後はお袋の味 野菜の煮物の和総菜に行き着く](/otona/nagashima/img/h2_title_110602.gif)
そして最後はお袋の味 野菜の煮物の和総菜に行き着く
冗談はともかく、今の和食への好みの変化を自覚したのは第二期監督の宮崎キャンプだったかもしれません。ある日、カボチャの煮物が出てきた。これがふっくらほっこり、実に美味かった。なるほど名物の日向カボチャは違うなと感想を漏らしたところ、それから今日はふっくら、明日はほっこりです。
カボチャの煮物が何日続きましたかねえ・・・。野菜の煮物は、私たち世代ではお袋の味につながっているようだ、などと連日カボチャを味わいながら思ったものです。
取りとめない話になりました。これで「グルメ」でないのは分かっていただけたでしょう。ただ、食いしん坊の心得として昔からずっと守っているのが「腹八分目」、そうして日々の食事を楽しんでいます。
長嶋茂雄さん 看板豆知識・伝説・語録
歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。