頑張るシニア応援サイト おとなの安心倶楽部

SECOM 信頼される安心を、社会へ

月刊長嶋茂雄

  • 2011年03月01日 更新
  • ツイート
  • facebookでシェア
  • LINEで送る
  • ツイート
  • facebookでシェア
  • LINEで送る

第5回 ちょっと視点を変えた野球の話

第5回
ちょっと視点を変えた野球の話

写真:長嶋茂雄氏

 球音が近づきました。野球の話をしましょう。と言っても今シーズンの予想ではありません。
 野球にはあまり関心がない、とおっしゃる方々にも興味を持っていただけないかと野球にまつわる雑談を思い立ったのです。

 あるOB野球記者が夜、ぼんやりテレビの料理番組を観ていたそうです。60代と思われる品の良い女性講師が「中国風ビフテキ弁当」の作り方を実演している。「ビーフステーキ」ではなく、「ビフテキ」というところに時代を感じますが、お重に詰めたその弁当の由来を女性講師はこう語ったというのです。
 ご主人がテレビで野球を観るのが日課だった。夕食を食べながらのテレビ観戦は、料理に腕をふるった主婦としておもしろくない。そこで一工夫、お茶の間のテレビ観戦用に作った夕食がこの弁当だったそうです。テレビは白黒であったに違いない。中継されていた試合は、私が選手としてプレーしていた巨人戦であったと思いたい。

夕食のメニューも変えてしまう 野球は、日常生活に溶け込む

夕食のメニューも変えてしまう 野球は、日常生活に溶け込む

写真:長嶋茂雄氏
 そうなんですね。かつての一時代、野球はこうして多くの人たちの日常生活に溶け込んでいた。野球がお茶やコーヒーのように一般の人たちの間の嗜好品になっていたのです。野球人として理想の環境だな、と私はいつも思います。熱狂的な野球ファンから、時に雑談に出てくる野球に軽く触れる程度の人たちまで年齢、性別、職業を問わず"話のタネ"に野球がなっている。野球は国民の"共通の教養"とでも言えそうです。商談が手詰まりになったビジネスマンが「それはそうと、昨夜の長嶋はひどかったですね」と振って話がほぐれ、商談がまとまった、などという話を聞かされたこともありました。
 こうした形でも野球は社会に役に立っている、と私の話は大げさになりがちですが、ファンのたくさんの視線が注がれることが野球人には励みになる。お茶の間テレビ観戦で家族一同、ビフテキ弁当を食べながら応援してくれるファンなんて、聞くだけでもうれしくなります。

「彼はわが社の4番」「彼女はうちのエース」 気づけば野球用語が一般用語になった

「彼はわが社の4番」「彼女はうちのエース」 気づけば野球用語が一般用語になった

写真:長嶋茂雄氏
 主婦がご主人に出した「イエローカード」が夕食の新メニューのお弁当だった・・・とサッカー用語が出たところで思いつきましたが、野球が人々の生活にしっかり根を下しているのは、野球用語が一般用語として使われていることでも分かります。
「彼はわが社の4番です」とか「彼女はうちのエースです」などという使われ方はよくされているはずです。「連投」「続投」もそうですね。「ここ数年、続投する首相はいないねえ」などと。「ピンチヒッター」「アウト」「セーフ」も同様です。「就活、婚活ともに空振り」には、くじけずに頑張ってほしいものですが「空振り」も野球だけの限定使用ではなく、こうして一般用語化している。まだまだ他にもあるに違いありません。こんな例はスポーツでは野球が一番多いのではないでしょうか。
 今季は、このところ劣勢だった野球人気がまた復活するのではと感じています。人気というものは難しいもので、球団、選手の側から働きかけても人気の盛り上げには限界があります。ファンの側から自然発生的にわき上がる人気こそが強いものです。今季はこれが起こりつつありますね。
 テレビのワイドショーで「佑観(ゆうかん)マダム」なる言葉が誕生したらしいと、一般紙のネット・コラムに載っていたことを教えられました。日本ハムの斎藤佑樹投手の追っかけ中年女性を「有閑マダム」と引っかけて作ったんですね。上手いことを言うものです。ちょっと苦笑のニュアンスがあるのが"ジャーナリズムの批評眼"でしょうか。「ハンカチ王子」を追う「佑観マダム」は、しかし球界には大歓迎です。マダムの中には高校時代の斎藤から注目していた人もいるでしょう。しかし、大多数はプロ入りによって関心を持ったのだと思います。マダムたちは斎藤を通じて、プロ野球を観てくれる新規参入ファンになるのです。
 人気を背負ったスターに注目するのは、ファンとメディアだけではない。チームメイト、他球団の同期のルーキーはもちろんすべての選手が「負けるものか」「お手並み拝見」となる。皆が大きな刺激を受けるのです。プロに飛び込んだ新人スター選手が生んだ波紋が、ファンの間だけでなく球界全体、いや、世の中全体にまで広がって熱くなるのです。
 どうです、今季の野球はおもしろそうでしょう。

  • 2011年03月01日 更新
  • ツイート
  • facebookでシェア
  • LINEで送る
  • ツイート
  • facebookでシェア
  • LINEで送る
セコム シニアの安全を考える委員会 著 あなたの親は大丈夫?高齢な親を守る安全生活ガイド

第5回 ちょっと視点を変えた野球の話

画像

長嶋茂雄さん 看板豆知識・伝説・語録

 歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。

長嶋茂雄さん 看板豆知識・伝説・語録
月刊 長嶋茂雄
役立つ生活情報ハウス セコム安心マガジン
関連サービスのご案内
関連サービスのご案内
  • セコム・ホームセキュリティ
  • セコム・ホームサービス
  • 携帯するセキュリティ ココセコム
  • セコム・ホームセキュリティ
  • セコム・ホームサービス
  • 携帯するセキュリティ ココセコム
セコム安心マガジン
セコム公式 セコムタウン
セコム公式 SECOMjp
セコム公式 SECOMTV