歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。
第51回
1年の振り返りで思ったファンの心をつかむために必要なこと
寒くなって年の瀬が近付くと、その年の野球を振り返るのが習い性になっています。冷静に野球を見直せるからです。この1年、野球は活況だったとはいえませんでした。
"公式試合"の最後は8年ぶりの日米野球で、3勝2敗の勝ち越しです。24年ぶりだったといいます。「侍ジャパンの実力はMLB(大リーグ)と互角」というレポートをチラリと見受けました。私は「おや、おや」と思いましたが、大多数の報道もファンの反応も落ち着いていました。
「日本の一線級投手は大リーグで十分通用する。しかし、野手・打者はもう一歩」。
これが、ファンを含めた日米球界の共通した評価でしょう。野茂(英雄)の大リーグ移籍以来20年、その間に移籍した日本の投手たちの働きがこの評価を作りました。野手でMLBが一流と評価したのは、イチローと松井(秀喜)だけでしたから、当然です。
第3戦で日本は4投手のリレーでMLBチームをノーヒット・ノーランに抑えました。それで、私はノーヒット・ノーランでやられた日米野球を思い出したものです。
43年前(1971年)のオリオールズ戦です。富山の試合でパット・ドブソン(この年の20勝投手)にあっという間にやられました(調べてもらった試合時間は1時間40分)。本塁打されて負けた堀内(恒夫)も完投、というのがいまの日米野球では考えられません。実はこの試合、東京へ移動する列車だったか飛行機だったかの時間のため、両軍に「スピーディにやるように」と通達されていたのです。もちろん、無安打の弁解にはなりませんが、アール・ウィーバー監督も凄かった。私はこの試合2四球でした。歩くたびにウィーバー監督がベンチから球審を日本語で怒鳴るのです。球審の名を通訳に聞き、「HETAKUSO=へたくそ」と続ける。勝利への執念ですね。日本は18試合戦って2勝12敗4分けで実力差は歴然でした。
これが、ファンを含めた日米球界の共通した評価でしょう。野茂(英雄)の大リーグ移籍以来20年、その間に移籍した日本の投手たちの働きがこの評価を作りました。野手でMLBが一流と評価したのは、イチローと松井(秀喜)だけでしたから、当然です。
第3戦で日本は4投手のリレーでMLBチームをノーヒット・ノーランに抑えました。それで、私はノーヒット・ノーランでやられた日米野球を思い出したものです。
43年前(1971年)のオリオールズ戦です。富山の試合でパット・ドブソン(この年の20勝投手)にあっという間にやられました(調べてもらった試合時間は1時間40分)。本塁打されて負けた堀内(恒夫)も完投、というのがいまの日米野球では考えられません。実はこの試合、東京へ移動する列車だったか飛行機だったかの時間のため、両軍に「スピーディにやるように」と通達されていたのです。もちろん、無安打の弁解にはなりませんが、アール・ウィーバー監督も凄かった。私はこの試合2四球でした。歩くたびにウィーバー監督がベンチから球審を日本語で怒鳴るのです。球審の名を通訳に聞き、「HETAKUSO=へたくそ」と続ける。勝利への執念ですね。日本は18試合戦って2勝12敗4分けで実力差は歴然でした。
MLBの誇りと自信に負けなくなった日米野球
巨人はV7の年、「いい勝負が出来る」と信じていた私のシリーズ終了後の談話は「攻、守、走、すべてが違いすぎた。ケンカにならなかった」ということらしい。覚えていませんよ。このオリオールズ来日メンバーから監督を含め4人の殿堂入りが出ました。勝つのは難しかったのです。
こんな屈辱の体験(大げさですが)をしてきた私には、胸を借りる日米野球から大リーグ志望の日本人選手の売り込みの場になり、日本人選手の見本市になった日米野球に感慨を覚えます。
MLBはどこの国に出かけてもその国の野球タレント探しです。「MLBは、プレーのレベルでも、ビジネス面でも、球場施設でも、市場規模でも世界のトップ」、世界中の野球のトップ・タレントが集まり、また、集める、との誇りと自信を持っています。
今回のMLBチームのファレル監督(レッドソックス)は来日前に「楽しみなのはオータニ(大谷翔平)が見られること。ダルビッシュのクローン(複製人間)、とスカウトがいうのだから」といっていたそうです。大谷は高校時代からアメリカの野球メディアにその時速100マイル(160キロ)の速球で注目され、3年前にはニューヨーク・タイムズ紙に「大リーグか日本のプロ野球か」と写真入りの特集記事が載ったといいます。早くから目をつけていたMLBの「オータニ、待っているよ」の姿勢がよくわかるではありませんか。
こんな屈辱の体験(大げさですが)をしてきた私には、胸を借りる日米野球から大リーグ志望の日本人選手の売り込みの場になり、日本人選手の見本市になった日米野球に感慨を覚えます。
MLBはどこの国に出かけてもその国の野球タレント探しです。「MLBは、プレーのレベルでも、ビジネス面でも、球場施設でも、市場規模でも世界のトップ」、世界中の野球のトップ・タレントが集まり、また、集める、との誇りと自信を持っています。
今回のMLBチームのファレル監督(レッドソックス)は来日前に「楽しみなのはオータニ(大谷翔平)が見られること。ダルビッシュのクローン(複製人間)、とスカウトがいうのだから」といっていたそうです。大谷は高校時代からアメリカの野球メディアにその時速100マイル(160キロ)の速球で注目され、3年前にはニューヨーク・タイムズ紙に「大リーグか日本のプロ野球か」と写真入りの特集記事が載ったといいます。早くから目をつけていたMLBの「オータニ、待っているよ」の姿勢がよくわかるではありませんか。
国内空洞化を憂う前にハード・ソフトすべてで競争を
大製造業からラーメンのチェーン店までが海外に打って出る時代です。"国内空洞化"言う前にレベルアップです。「MLBと互角の日本野球」を目指して、選手の実力アップだけでなく、球場施設やビジネス面など野球のハード・ソフトすべてを挙げての競争です。私の頭に浮かんだのは、そういうことでした。
ところで、野球以外のスポーツでは、どうだったでしょう。
今年の最大イベント、夏のワールドカップ・サッカーの日本代表は惨敗でした。しかし、年初めのソチ冬季五輪で男子フィギュアスケートの羽生(結弦)が金メダル。晩秋にはテニスの錦織圭が全米オープン準優勝などの活躍で、年間世界ランキング5位で締め括りました。スポーツは世界に向かって開かれ、世界基準で評価される活躍をしないとファンの心をつかめない...改めてそう思った年の暮れです。
ところで、野球以外のスポーツでは、どうだったでしょう。
今年の最大イベント、夏のワールドカップ・サッカーの日本代表は惨敗でした。しかし、年初めのソチ冬季五輪で男子フィギュアスケートの羽生(結弦)が金メダル。晩秋にはテニスの錦織圭が全米オープン準優勝などの活躍で、年間世界ランキング5位で締め括りました。スポーツは世界に向かって開かれ、世界基準で評価される活躍をしないとファンの心をつかめない...改めてそう思った年の暮れです。
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