[緊急提言]相次ぐ子どもの連れ去り事件。強引な犯行への対処法

セコムの舟生です。

見知らぬ人とは両手を広げたくらいの距離が必要です。距離を保とうとしても相手が近づいてくるなら防犯ブザーを鳴らす用意をしましょう。先日、岡山県倉敷市で連れ去り・監禁の被害にあった女児が、無事に保護されました。

犯人は半年も前から女児に目をつけ、監禁するための部屋まで用意しての周到な犯行でした。
女児を刃物で脅して車に連れ込み、GPSつきの携帯電話を用水路に捨てたとの報道もあり、その手口は強引な印象もあります。

今年に入ってから子どもの連れ去り、監禁事件が相次いでいます。
夏休みに入ってからは、特にわいせつ目的で子どもの連れ去りを図った犯行がたびたびニュースで報じられており、未遂の事件も入れれば、相当な数になっているはずです。

どうしたらわが子を同様の犯罪から守れるのでしょうか。
今回は、[緊急提言]として、最近相次いでいる連れ去り事案から身を守るための方法をお話します。

 

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▼ なぜ続く?子どもの連れ去り。大きな事件のあとは要注意
夏休みに入ってから、「最近、子どもを狙った犯罪が多い」と感じている保護者の方が多いのではないでしょうか。

岡山県倉敷市の事件のあとにも、千葉県松戸市で学校のプールに向かう女児が車に連れ込まれそうになった事案や、広島県で海水浴中の女児が空き家に連れ込まれたという事件が発生しています。

子どもだけで外出する機会が増える夏休み。
保護者や学校など「大人の目」が届かない時間も増えるため、それを狙って犯行に及ぶ者がいるのは事実です。

また子どもが被害者となる犯罪は、模倣され、連続するケースが多いように感じます。

今年1月に起きた、神奈川県相模原市の事件を思い出してみましょう。
犬の散歩に出た小5女児が行方不明になり、連れ去って監禁していた30代の男が逮捕されました。

神奈川県の連れ去り事件から少しあと、北海道札幌市でも、小3の女児がノートを買いに行ったまま、連れ去られ監禁される事件が発生。20代の男が逮捕されました。

振り返ってみれば、昨年12月にも東京都武蔵野市で、緊急を装って女児を無理やり車に乗せようとした事件も起きています。連れ去りや、未遂が短期間に頻発しました。

そして最近、岡山県、千葉県、広島県で事件が続いています。
いつも以上に注意が必要な時期なのかもしれません。


▼ もしも強引に連れ去られそうになったら?対処法を子どもと練習する
逃走が容易で、閉じ込めてしまえば助けを求める声が届かなくなる車は、声かけからの連れ去りによく使われます。

岡山県の事件では、女児がひとりで帰宅した日を見計らい、ナイフを使って脅して無理やり車に乗せて、連れ去りました。

千葉県松戸市で起きた連れ去り未遂事件では、車で走り回って、犯行対象を物色していたとのこと。

強引な連れ去りを防ぐためには、まずは決してひとりにならないこと。
そして人目につきにくい場所を通らないこと。

夏休み中はラジオ体操やプールなどに通うお子さんも多いと思いますが、朝でも油断してはいけません。
千葉県松戸市の事件は、小学校のプール授業に向かう途中、朝8時に起きました。

危険を感じたときの対処方法を、お子さんに話して聞かせておきましょう。
(1)車が停車している脇を通るときは、離れて歩く
(2)車から距離をおけないときは、防犯ブザーを手に握っていざというときに備える
(3)車のなかから声をかけられても、絶対に立ち止まらない
(4)危険を感じたときは、防犯ブザーを鳴らすと同時に大声も出す
(5)逃げるときは、車の向きと反対方向に走る(車はすぐに向きを変えられません)


▼ 重大事件の発生を「ハインリッヒの法則」で予測・回避する
「ハインリッヒの法則」とは、アメリカの技師ハインリッヒ氏が労働災害の発生確率を分析して導き出した「1対29対300」という比率のことです。

重大災害を1としたとき、軽傷の事故が29、ケガはなかったがヒヤッとした体験が300の割合で発生しているということをあらわしています。

「ハインリッヒの法則」を子どもの防犯に置き換えるならば、

1件の「子どもの連れ去り」「誘拐・監禁」といった重大な事件には、
「不審者に腕をつかまれた」「知らない人に声をかけられた」「見慣れない車が止まっていた」などの未遂事件や事件に至らない事案が29件、
「壁に落書きされている」「公園のゴミが放置されたまま」「空き地の草が伸びっぱなし」など、あまり意識されない異変が300件

の割合で発生していると言えるのです。

「あまり意識されない異変」というのは、重大犯罪の発生とは関係ないと思われるかもしれません。しかし、日常の"些細な異変"の積み重ねは、大きな事件へとつながる危険性を秘めています

「大人の目」が十分ではないことの表れであり、犯罪が入り込む余地を与えているというサインとも言えるからです。

子どもの行動範囲のなかで起きた異変に、大人が気づき対処することで、危険の芽を摘むことができると思います。


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悪意のある大人に狙われてしまったとき、子どもにできることはそれほど多くありません。
とにかく、何をおいても逃げ出すことを再優先に考えなくてはなりません。

とっさに荷物はその場に捨てて、全速力で走るくらいの決断力がなければ、強引な連れ去りに対処できません。

そして、大声を出す、あるいは身に着けた防犯ブザーを鳴らすことで、犯行を抑止したり、周囲に助けを求めたりできる、ということも教えてください。

恐怖が迫ると声が出なくなってしまうことが多いものです。ぜひお子さんと一緒に、お腹の底から大声を出してみる、すばやく防犯ブザーを鳴らしてみるなど、危険回避のための練習をしてみてください。





2014年8月 7日(木)

カテゴリー: 子どもの防犯

プロフィール

舟生 岳夫

セコム株式会社
IS研究所 所属

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