男の子を狙った「児童ポルノ事件」から考える子どもの性犯罪対策
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セコムの舟生です。
先日、百数十人もの男児が被害にあったとされる大規模な「児童ポルノ犯罪」が摘発され、世間を驚かせました。
無邪気な子どもを狙った、卑劣な犯罪に怒りを禁じえません。
盗撮による児童ポルノ犯罪は、子ども自身が被害を自覚していないことから、犯行が明るみにでるまで時間がかかることがあります。
今回の事件はまさにそのパターン。なかには被害に気付かなかった子もいたようです。
児童ポルノ犯罪の現実を受け止め、男の子にも「狙われる」という自覚が欠かせません。
性犯罪は子どもと話しにくいデリケートなテーマですが、知らないうちに被害者になることを防ぐためにも、自分の身を守るためにも、対策を教えておかなくてはなりません。
今回は、子どもの性犯罪被害についての対策をどのように教えればよいかをまとめます。
子どもに伝えるときのポイントや、気をつけさせることなどをまとめていきますので、男の子の親御さんも、お子さんと話し合う際に活用してください。
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▼ 男の子が狙われる性犯罪被害の実態
子どもの性犯罪被害というと、女の子が狙われるイメージがありますが、実際には男の子が被害にあうことはそれほど珍しいことではありません。
「子どもの安全NEWS」でもたびたび取り上げていますが、体に触るなどのわいせつ行為や、盗撮などの被害が発生しています。
子どもを狙った犯罪のきっかけになるのが「声かけ」です。
男の子の場合、狙われている自覚が少ないために、声かけの段階で「危ないかもしれない」という警戒心が働かないことも考えられます。
過去に起きた事件では、「ちょっとこっちに来て」「写真を撮らせて」という声かけに従って被害にあってしまった子や、「ゲームのコインをあげる」「家に来れば最新ゲームで遊べる」といった誘い文句にだまされてしまった子も見られました。
今回の児童ポルノ事件でも、「お肉があるからステーキを食べよう」という声かけが、男児を誘い込む手口のひとつだったようです。
興味をひくような声かけに対しては、男の子は特に注意するよう教えるべきかもしれません。
▼ 知らないうちに被害者にならないために教えておくべきこと
男の子を狙った児童ポルノ犯罪では、遊びを装って男児に近づき、撮影する手口が時折見られます。知らないうちに被害にあうことを避けるためにも、男の子にも「他人に体を触られたり、見られたりするのはよくないこと」という意識を持たせることが大切です。
とはいえ、性犯罪について過剰に教えるのは、お子さんを怖がらせることになりかねません。
まずは、自分の体を大切にすることを教えるために、「プライベートゾーン」について教えるのがおすすめです。
「プライベートゾーン」とは、「自分だけの場所」という意味で、他人には見せても触らせてもいけないと教えてください。「水着を着ると隠れる場所が"プライベートゾーン"だよ」と教えるとわかりやすいと思います。
プライベートゾーンを見たがったり、触りたがったりする人がいたら、すぐに逃げるよう教えてください。
知らない人はもちろん、たとえ知っている人であっても、プライベートゾーンを見たがったり、触りたがったりされたときは、「おかしい」と判断して、きっぱり断る、逃げる、助けを求めるといった"自分の身を守る行動"をすぐに起こすよう教えてください。
同時に、プライベートゾーンに関わるできごとがあったときは、どんなに些細なことでも大人に報告することも約束させましょう。
▼ 男の子を性犯罪から守る5つの対策
男の子の場合も、犯罪被害から身を守る対策は基本的に同じです。
ただ、女の子よりも自覚が少ないお子さんが多いので、他人事ではなく自分のこととしてしっかり意識できるよう、できるだけ具体的に、繰り返し教えることを心がけてください。
<男の子に教える!自分の身を守る方法>
(1) 知らない人から誘われたらきっぱり断る
(2) 少しでも「変だな」「嫌だな」と思ったら、すぐにその場から離れる
(3) 人通りの少ない道や、暗い道を通らない
(4) 駐車場や空き家・空きビルなど、人目につきにくい場所では遊ばない
(5) 必ず友達と一緒に行動し、集団から離れてひとりにならない
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知らない相手から誘われたときは、即座に「危ない」と感じるセンサーを働かせ、防犯行動を起こすことが何よりも重要です。
どんなに魅力的な言葉であっても誘いには絶対に乗らず、きっぱりと断ることを守らせましょう。
迷ったり、考えたりしていると、どんどん相手に付け入られてしまいます。
お子さんが好きなものや興味を持っているもので誘うなどして、声かけにあったときの対応を親子で練習しましょう。2017.02.20