トップメッセージ
変化の大きな時代にあっても、ステークホルダーの皆様に対する責任を果たし
持続可能な事業運営に努めます
「変わりゆく社会に、変わらぬ安心を」お届けするため、重点施策を定めて活動
セコムは、1962年に日本初のセキュリティサービス会社として創業以来、社会とともに持続的に成長することに邁進してきました。現在、セキュリティサービスを中核として、防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO※1・ICT※2、その他の事業を展開するセコムグループは、グループ間のシナジーを活かしながら、いつでも、どこでも、誰もが「安全・安心・快適・便利」に暮らせるサービスやシステムを開発・提供することで、「変わりゆく社会に、変わらぬ安心を」提供し続けることをめざしています。
セキュリティ業界は、AIやIoT、画像解析、クラウド、5Gなど先端テクノロジーの飛躍的な進化の恩恵を大きく受けて、変革の時を迎えています。一方、国内では体感治安の悪化、労働力人口の減少や高齢化の進行、世界的には社会情勢の不安定化やインフレの進行、自然災害の頻発化・激甚化など、多くの社会課題が深刻化しています。このような中セコムグループは、「2030年ビジョン」の実現に向けて、今後のめざすべき方向性を明確化した「セコムグループ ロードマップ2027」(以下、「ロードマップ2027」)を2023年5月に公表し、「見守り・セキュリティ」、「海外」、「BPO・ICT」、「生産性向上」および「ステークホルダー」の5つをテーマにした重点施策を推進しています。
ステークホルダーの皆様から選ばれ続ける会社をめざして
セコムがお客様にご満足いただける高品質なサービスを提供できるのは、セキュリティスタッフのクオリティとモラルによるものだと考えており、「ロードマップ2027」における「ステークホルダー重視」では、社員のエンゲージメント向上が最も重要な課題だと考えています。セコムが提供するセキュリティサービスは、24時間365日、途切れることがありません。お客様の日々つつがない活動や生活の土台となる「安全・安心」というインフラを支えているセキュリティスタッフは、社会の持続的成長に欠かせないエッセンシャルワーカーであると認識しています。当社で長く働きたいと思えるような環境を整え、優秀な人財を確保して育成することが、サービス品質や生産性の向上、ひいては他社との差別化につながります。そのためには社員のエンゲージメント向上が必要不可欠です。
このため、3年連続でベースアップを行うなど賃上げを実施し、特にサービス提供の担い手であるセキュリティスタッフに対してより高い賃上げを行いました。また、2024年3月には、譲渡制限付株式報酬として社員1人当たり当社普通株式25株を付与しました。加えて、セコムグループ社員持株会において奨励金制度を導入しました。社員が自社株式を保有することは、会社の事業運営への参画意識向上に有効だと考えており、これらの取り組みを通じて、セキュリティスタッフから事務職まですべての社員にこれまで以上の働きがいを感じていただき、優秀な人財の確保・リテンションとモチベーションの向上につなげたいと考えています。
サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)の一つである「脱炭素・循環型社会」に関しては、セコムでは、2045年までに温室効果ガス排出量をゼロにすることを目標に、地球温暖化防止にグループを挙げて取り組んでいます。加えて、事業活動に使用する電力を再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来に100%転換することをめざしており、RE100に加盟しています。また、再エネの環境価値を取引するスキームであるバーチャルPPA(Virtual Power Purchase Agreement)を警備業界で初めて締結し、2024年3月からは、セコム専用の太陽光発電所を活用した、長期安定的な再エネ利用を開始しました。今後も再エネ比率の向上を図っていきます。
グローバルな動向にも目を向け、グループ全体で着実に取り組む
セコムは、国際社会の一員としての責務を果たすべく、国連グローバル・コンパクト※3の「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」に関する10原則を支持し、さまざまな活動に継続して取り組んでいます。
2019年にTCFD※4提言への賛同を表明して以降、TCFDフレームワークに沿ったリスクと機会の情報開示にも取り組んでいます。2024年2月には、国際的な環境NGOのCDPが実施した気候変動調査で最高評価「Aリスト」を2年連続で獲得し、“サプライヤー・エンゲージメント評価”においても4年連続で最高評価である「リーダー・ボード」に選定されました。これは気候変動に関する戦略や情報開示、サプライチェーン全体での対応が評価につながったものと考えています。
事業環境が著しく変化する状況にあっても、セコムは、創業以来掲げる「あらゆる不安のない社会の実現」という社会的使命を果たすべく、社会課題の解決に貢献するサービスやシステムを提供するとともに、持続可能な事業運営に努めてまいります。
- BPO・・・企業が業務の一部を外部の企業に委託すること
- ICT・・・情報通信技術
- 国連グローバル・コンパクト(United Nations Global Compact)・・・国連事務総長であったコフィー・アナンが企業に対して提唱したイニシアチブ。人権・労働・環境・腐敗防止の4分野に関する10原則を遵守し実践するよう要請
- TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)・・・気候関連財務情報開示タスクフォース。2017年6月、気候変動が企業に与える財務的な影響開示に関する提言を公表