セコムグループ2030年ビジョン
セコムは2017年5月、2030年に向けた長期ビジョン「セコムグループ2030年ビジョ ン」を策定しました。
「社会システム産業」の構築をめざし邁進する中で、外部環境が大きく変化し、不確実性の増す今日において、2030年を一つのターゲットとして、これからのセコムグループの方向性をより明確にすることで、これまで以上に、社員に「誇り」を、お客様に「信頼感」を、そして全てのステークホルダーにセコムの「将来性」を感じていただきたいという思いを込めています。
「あんしんプラットフォーム」構想
社会の変化の中で、人口動態の変化、テクノロジーの進化、環境問題の深刻化、さらに経済の重心移動・都市化は、経済や暮らしに大きな影響を与えるメガトレンドです。これらのメガトレンドにより社会の課題はより複雑化・複合化して、「安全・安心」を求める多様なニーズは一段と高まっていくことが見込まれます。
これに対してセコムは、“いつでも・どこでも・誰にとっても・切れ目のない安心”を提供する「あんしんプラットフォーム」構想の実現を目指す「セコムグループ2030年ビジョン」を策定しました。
「あんしんプラットフォーム」とは、これまでセコムが培ってきた社会とのつながりをベースに、セコムと想いを共にする産・官・学などのパートナーが参加して、さまざまな技術や知識を持ち寄り、暮らしや社会に安心を提供する社会インフラのことです。
企業活動や日常生活で、事件や事故など“想定外の事態”が起きると、日常の流れが止まり、生産性が大幅に低下します。加えて、その被害が大きいほど、復旧までの時間を要します。「事件・事故」「サイバー犯罪」「自然災害」「病気・老化」といったリスクに対して、平時は「事前の備え」を怠らず、有事には「事態の把握」と「被害の最小化」に努め、「事後の復旧」を迅速に行えば、安心して生活することができます。
セコムは、これら4つの要素を「セコムあんしんフロー」と定め、あらゆるリスクに対して“切れ目のない安心”を提供できるように、サービスやシステムを進化させています。
「あんしんプラットフォーム」構想実現のための戦略
「セコムグループ ロードマップ2022」の振り返り
「セコムグループ2030年ビジョン」の実現に向けて、2018年度からの5カ年は、「セコムグループ ロードマップ2022」に沿った取り組みを進めてきました。テクノロジーの進化と労働力人口の減少への対応を優先課題と位置づけ、人とシステムへの集中投資をはじめ中長期目線で適切なリターンが期待できる必要な投資を実行するとともに、各課題から高まるニーズを先取りし事業機会につなげてきました。この5年間で実績は着実に積み上がり、今後の成長基盤が整ってきました。主な取り組みは次の通りです。
まず、事業所向けにシステムセキュリティ「AZ」シリーズを提供開始しました。「AZ」シリーズは防犯・火災監視だけでなく、さまざまな機能をオールインワンで提供できるプラットフォームのようなシステムです。併せて、事業所向けセキュリティと親和性の高いHRテックサービスの強化と連携機能の拡充を図りました。一方、ホームセキュリティのご契約先向けに、クラウドを活用しアプリを連携させた「安否みまもりサービス」の提供を開始したほか、「Apple Watch」と「iPhone」向けのアプリを配信し利便性を向上するなど、他社デバイスとの連携も強化しました。
海外事業においては、2019年にトルコに進出したほか、タイではASEANイノベーションセンターを開設し市場ニーズに合ったシステムを投入するとともに、広告宣伝を開始するなど、現地に根づいたビジネスを本格的にスタートさせました。
セコムが重視している人への投資では、ベースアップをはじめとする従業員還元の強化を図ったほか、働きやすい職場環境づくりを推進するなど、従業員エンゲージメントの向上に努めました。
さらに、事業ポートフォリオの最適化を推進しました。上場子会社だったセコム上信越(株)を2021年11月に完全子会社したことに加えて、セキュリティサービス事業の拡大に向けて2022年7月に(株)セノンがセコムグループに加わりました。
国内セキュリティや見守り、海外セキュリティ、BPO・ICTを中心とする新たなサービスの提供や社内施策の実施により、成長基盤の構築が大きく進展した5カ年となりました。