製品の安全と品質保証
基本方針と推進体制
基本的な考え方・方針
社会のニーズを先取りした「先進性」があり、「独創性」と高い「信頼性」を誇るシステムを開発すること。これがセコムの製品開発方針であり、使命です。
なかでも、お客様の「安全・安心」に直結するセキュリティ機器においては、高度な信頼性と安全性が不可欠です。過酷な条件下でも長期にわたって常に正しく作動するシステム・機器を開発するため、「セコムグループ機器標準仕様」を定めて、厳格な信頼性試験と評価(アセスメント)を実践しています。
また、製品開発に当たっては、環境配慮設計を実践するほか、主要サプライヤーの皆様に「グリーン設計ガイドライン」を配布することで有害化学物質の不使用などを徹底し、安全性を確保しています。
推進体制
セキュリティ機器は、「セコムグループ機器標準仕様」のもと、主にセコムの「技術開発本部」で開発・設計しています。そこで信頼性試験・評価を繰り返し実施した後、グループ会社である「セコム工業(株)」、あるいはパートナー企業で製造します。
製造された機器は、製品品質を担保するため検査を実施した上でセコムの「物流センター」に納品され、適切な在庫管理のもと、機器取付工事を行う部門に配送されます。
品質保証と製品安全の体制
品質保証体制
セコムは設計から運用までの工程を一貫して自社グループで行うことにより、製品に万が一不具合が発生した場合にも各ステージからのフォローを速やかに実施し、調査・原因追究、問題解決する体制を整えています。
新製品の設計開発時には、「セコムグループ機器標準仕様」への遵守状況のほか、関連法規(電気用品安全法、消防法等)に対応しているか、本質的安全設計と安全防護を講じた後に残るリスクに対して、機器本体および取扱説明書へ警告表示することを要求事項とする検討をしたか、などのチェック項目を独自に設けています。それらをクリアしているのか、また過去の不具合に対する再発防止が盛り込まれているのかなど、デザインレビュー(設計審査)を実施します。

信頼性確保の評価プロセス
製品開発では、独自の厳格な信頼性基準「セコムグループ機器標準仕様」のもと、信頼性を確認するための評価を実施します。例えば、落雷による影響を試験する雷サージ耐性試験や、さまざまな環境温度・湿度による機器への影響を調べる恒温恒湿試験等を行うことで、製品の信頼性を確保しています。
電波暗室では、無線、アンテナ等の特性チェック、機器からの不要な電波放射の調査を行うほか、センサーや制御器などが各種無線の電波により影響を受けないことも調査しています。
製品の設計においては省エネルギー、省資源、リサイクル性の向上等を考慮した環境配慮設計を、ハードウェア・ソフトウェアの両面から推進しています。特に有害化学物質については、主要サプライヤーに対し「グリーン設計ガイドライン」を規定・公開し、独自の厳しい基準に従って管理を実施しています。

さまざまな環境温度・湿度を作り出し、機器に対する影響を調べる装置

雷サージに対する耐性を試験する装置

内壁材に電波を吸収するフェライト材を使用した構造の電波暗室
セコム工業の品質保証の取り組み
セコム工業の品質方針
セコム工業では、1994年3月に品質マネジメントシステム(ISO9001※)を取得し、2017年4月に制定した新たな品質方針のもと、お客様満足度の向上に取り組んでいます。
- ISO9001・・・ISO(国際標準化機構)が定める品質マネジメントシステム(QMS)の国際規格
品質方針
基本理念
製品の設計・製造など全ての事業活動を通じて、長期にわたってお客様に満足していただけることが、企業発展の最重要課題であると認識し、品質マネジメントシステムを構築し、全社員参加による適切な運用によって維持・向上・改善を継続的に行います。
行動指針
- 品質マネジメントシステムは、セコム工業のTQM※1活動に的確にリンク・融合させて運用し、その有効性を継続的に改善します。
- 品質目標は、年次の事業計画策定ごとに設定し、PDCAサイクルを効果的に回し必達を図ります。
- 顧客要求事項に加え、関連法規の遵守および社会的要求事項に配慮し、安心できる製品を提供することで、顧客と社会の信頼を確固たるものにします。
- IoTを活用したスマートファクトリー※2を実現し顧客満足とQCDE※3の向上を図ります。
- 本品質方針は、社内コミュニケーションのあらゆる手段を通じて全社員に理解されるよう周知徹底を行います。
また、顧客ニーズを満たし事業を遂行させていく上で不可欠のビジネスパートナーにも理解を求めて、相互協力のもとで顧客満足度の向上を目指します。
本品質方針は、マネジメントレビューの結果および社会動向や環境の変化を的確に捉え、必要に応じて見直しを行います。
- TQM (Total Quality Management)・・・総合的品質管理。品質や質を中核に、顧客および社会のニーズを満たす製品・サービスの提供と組織の長期的な成功を目的とし、全部門・全階層の参加を得て効果的かつ効率的な組織運営を実現するマネジメント手法
- スマートファクトリー・・・製造ラインのロボット化、製造ラインとネットワーク環境をつなげて稼働状況を詳細に把握すること等、効率的な生産を実現する工場
- QCDE・・・Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)に加え、環境(Environment)の要素を追加したもの
セコム工業の品質向上の取り組み
セコム工業は、創業以来、常に「お客様の視点」で考え、付加価値(差異化)のあるセキュリティ機器の設計・製造に取り組んできました。現在は、IoT・DXを活用したスマートファクトリーの実現に注力しています。
一例として、生産工程の最終段階に行う製品の検査(動作確認)工程を人手からロボットに置き換え、24時間無人で稼働させる取り組みを推進しています。製品の検査では些細な見逃しもないように高い集中力が求められ、経験を積んだ社員でも緊張が強いられる作業ですが、ロボット導入により、人に代わり見逃しのない確実な検査を行うことができるようになりました。
社員の負担軽減、昼夜間連続無人稼働による人手不足の緩和だけでなく、検査基準に満たない製品の誤出荷防止により、品質と生産性の向上に大きく貢献しています。製品ごとに異なる動作プログラムやロボット用の検査ベンチ等はすべて社内で開発しているため、無人検査のノウハウも蓄積してきました。
「ロボットに出来る作業はロボットに、人でなければ出来ない作業だけを人に」を目標に、一層の生産性と品質の向上を目指し、これからもスマートファクトリーに取り組んでいきます。

24時間無人で製品の検査工程を担うロボット
品質マネジメントシステム(ISO9001)の取得状況
セコムグループでは、品質マネジメントシステムを構築し、お客様により良い製品・サービスを届けるべく、以下の会社でISO9001の認証を取得しています。
セコムグループ ISO9001取得状況一覧
登録事業者 | 登録番号 | 登録日 |
---|---|---|
セコム工業(株) | JQA-0446 | 1994年3月29日 |
クマリフト(株) | BCJ-QMS-0002 | 1996年12月16日 |
日本原子力防護システム(株) | RB-Q11068 | 2000年2月25日 |
東日本総合計画(株) | MSA-QS-802 | 2000年12月15日 |
オーテック電子(株) | 01 100 018431・01 100 1734346 | 2001年・2017年 |
(株)パスコ | JSAQ1347 | 2002年1月4日 |
セコム(株) | JQA-QM7897 | 2002年3月8日 |
能美防災(株) | JP09/061870 | 2002年4月16日 |
(株)GIS関東 | JSAQ1523 | 2002年11月1日 |
(株)GIS北海道 | JSAQ1678 | 2003年3月28日 |
(株)アサヒセキュリティ | 00797-2003-AQ-KOB-JAB | 2003年8月22日 |
(株)TMJ | JQA-QMA14346 | 2011年4月15日 |
(株)マック | JSAQ2711 | 2014年8月18日 |
ニッタン(株) | JQA-QMA15814 | 2018年6月22日 |
セコムトラストシステムズ(株) | 5084 | 2018年11月15日 |
Secom PLC (英国) | 62 | 1992年10月13日 |
Scan Alarms & Security Systems (UK) Ltd. (英国) | 195/10150 | 1993年11月10日 2009年2月19日 |
Nohmi Taiwan Ltd. (台湾) | 4EBY008-11 | 1997年11月15日 |
SECOM(Singapore)Pte.Ltd. (シンガポール) | Q-S-003 | 1999年11月22日 |
Secom Technical Services Pty. Ltd. (オーストラリア) | QEC28187 | 2012年4月23日 |
PT. Secom Indonesia (インドネシア) | 50629/A/0001/UK/En | 2012年9月26日 |
北京京盾西科姆電子安全有限公司 (中国) | 04623Q11113R0M | 2013年3月1日 |
大連西科姆電子安全有限公司 (中国) | 00222Q26991R3M | 2013年12月16日 |
Nittan Asean Co., LTD.-Vietnam Headquarters (ベトナム) | 01 1001735301 | 2017年 |
Thai Secom Security Co., Ltd. (タイ) | FS675719 | 2017年10月17日 |
Asset Security Concepts Pty. Ltd. (オーストラリア) | 3237-1070-02 | 2018年10月19日 |
Secom Australia Pty. Ltd. (オーストラリア) | A40678364475C5CECA2588A5007E0FAB | 2020年8月26日 |
Shanghai Nohmi Secom Fire Protection Equipment Co., Ltd. (中国) | 00323Q30317R9M | 2020年9月1日 |
Secom Aktif Elektronik Guvenlik Cozumleri A.S. (トルコ) | K0852 | 2020年9月11日 |
Secom Smart (Singapore) Pte. Ltd. (シンガポール) | 793538 | 2020年12月3日 |
*製造・開発分野以外を対象範囲とした会社も含みます。
*2024年3月末現在。登録範囲・事業所は会社によって異なります。国内企業の詳細はこちら