富士山麓の豊かな自然の中、
サステナブルな研修センターを開設
セコムグループでは、中長期目標「セコムグループカーボンゼロ2045」の下、事業拠点の省エネ化、再エネ導入等を進めています。2025年4月、研修施設「セコムHDセンター御殿場」は約2年の工期を経て、省エネ、創エネ、生物多様性に配慮したサステナブルな研修所として新たにスタートを切りました。
長年、人材教育を支えてきた研修施設がフルリニューアル
「セコムHDセンター御殿場」は、全国に3カ所ある研修施設の一つで、1982年に運営が開始されて以来、40年以上もの間、セコムの人財育成の拠点として多くの社員をフィールドに送り出してきました。長きにわたり、社員の学びの場となってきましたが、建物の老朽化が著しいため、2023年より建て替え工事を開始。工事を機に環境面、設備面、ユニバーサルデザインなどあらゆる角度から施設を拡張し、多様な研修プログラムに対応する研修施設へとフルリニューアルを図りました。
新しい研修施設は、旧施設の約1.5倍の延べ床面積になり、最大140名の研修生を収容できるようになりました。研修棟には屋内訓練場が整備され、雨天時でも多様な訓練が可能です。また、全館に快適なアメニティ空間や設備を設け、段差のないバリアフリー構造と車いすの方も無理なく宿泊できる個室を完備しました。

新しくなったセコムHDセンター御殿場

屋内訓練場の他、中庭、ラウンジなどを新設し、快適な空間に
「Nearly ZEB」認証取得、生物多様性にも配慮した環境適合型研修センター
2023年12月、「セコムHDセンター御殿場」は「Nearly ZEB」認証を取得し、これを機にセコムは「ZEBリーディングオーナー」に登録しました。「Nearly ZEB」とは、年間に消費する一次エネルギー量が75%以上削減されている建物に与えられる認証で、ホテル等に準ずる用途で10,000㎡を超える大規模建物では国内初取得※となりました。
「セコムHDセンター御殿場」は地中熱と太陽熱を活用して空調や給湯のエネルギーを低減する装置や屋上太陽光パネルなど省エネ、創エネ設備を数多く導入しています。また、世界遺産である富士山麓に位置しているため、周辺の豊かな自然を守るため、敷地外周部を緑化し、緑豊かな景観づくりと生物多様性の保全に配慮しています。さらに、災害などの有事に活用できるヘリポートを配置する予定で、ポート建屋にも太陽光パネルを増設する計画です。
- 2023年末時点
Nearly ZEB・ZEBリーディングオーナー


- 環境省のホームページより
「セコムHDセンター御殿場」の設計と設備
「セコムHDセンター御殿場」では、環境負荷を低減するため、さまざまな取り組みを行っています。例えば、雨水を活用したトイレやシャワーの節水設備、井水を空調や給湯の熱源として利用するシステム、屋上や外壁の断熱材による空調エネルギーの削減など、建物全体で効率的なエネルギー活用を図っています。また、居室や廊下では人感センサーによる空調・照明の自動調整を行い、照度に応じて照明を制御することで、無駄なエネルギー消費を抑えています。
創エネ設備
建築設計の工夫によっても、環境負荷の低減とエネルギー効率の向上を図っています。太陽光パネルによる発電設備や、屋上の太陽集熱器による給湯エネルギーの削減、地中熱を利用した空調電力の低減など、創エネ技術を積極的に導入しています。また、北側採光を取り入れた建築設計や、高天井による空気循環の促進、構造を活用した重力換気などにより、照明・空調の負荷を抑える工夫も施されています。


地中熱、太陽熱を給湯や空調に利用する装置
生物多様性保全
建設時には、生物多様性の保全も配慮し、自然環境との共生を重視しました。植栽においては、原生植物や在来種を中心に選定し、森林再生を目的とした針葉樹の植栽や、紅葉するイロハモミジ、ヤマツツジ・ミツバツツジなどの低木を混ぜた生垣づくりを実施しています。駐車場周辺には高木を配置し、ヘリポート周辺では防風対策として低木を密植するなど、場所に応じた植栽計画を行っています。また、井戸水の活用や、経年変化で土に還るウッドチップの使用、掘削土の再利用、既存樹木の保全など、資源循環にも配慮しています。さらに、「セコムHDセンター御殿場」は世界遺産である富士山の近くに位置していることから、「富士山の森づくり」保全活動への参加を通じて、地域の自然環境保全にも貢献しています。



森林の景観を壊さないよう、緑で囲むように施設を建設


社員が「富士山の森づくり」生物多様性保全活動に参加
ダイバーシティ&インクルージョン/ウェルビーイング
「セコムHDセンター御殿場」には、社員のための保養所も併設されており、ダイバーシティ&インクルージョンおよびウェルビーイングの観点からもさまざまな設備や空間設計を導入し、すべての人が快適に過ごせる環境を整えています。各フロアにはユニバーサルデザインを採用したトイレや浴室、個室を設置し、多目的広場にはファミリー層向けの遊具やシルバー層向けのパターゴルフグラウンドなど、幅広い世代が利用できる設備を整えています。また、調理スペースや設備の拡充に加え、全自動調理ロボットの導入により、今まで以上に効率的かつ安定的に健康で栄養バランスの取れた食事を提供できるようになりました。
今後も社員の声をもとに、新たな設備の導入を検討し、快適な空間づくりへの配慮を継続していきます。


床は段差もなく、足腰の負担に配慮


食事も充実。セコムカレーも




















