人財マネジメント|社員の自己実現とダイバーシティ|サステナビリティ重要課題|セキュリティのセコム株式会社-信頼される安心を、社会へ。-

人財マネジメント

基本方針と推進体制

基本的な考え方・方針

セコムでは、「人財」を何より重視しています。それは、セコムグループのあらゆるサービスが「人」を通じて提供され、お客様からの「信頼」のもとに成り立っているからです。社会が激しく変化する中、リーディングカンパニーとして、いつの世にも広く社会から信頼され、一層の発展をしていくためには、社員一人ひとりが活き活きと働き、能力を発揮できる環境を整えることが重要と考えています。人財マネジメントにおいては、「創意」や「強靭さ」、「国際性」を備えた人財の確保と育成に取り組み、「自分達が変えていく」という強い思いを伴った企業文化を醸成することで会社と個人の持続的な成長を目指しています。

推進体制

人財マネジメントを統括する人事本部には、採用を担当する「人材採用部」、教育を担当する「研修部」、総合的な人事戦略を担う「人事部」が設置されています。人事部のもと、「D&I推進担当」がダイバーシティ&インクルージョンの具体的な施策を、「健康推進室」が社員の健康の維持・増進を図るための施策を担います。

また、全国3カ所にある研修センター「セコムHDセンター」(HDはHuman Developmentの略)が能力開発の拠点となっており、一年を通して各種研修が行われます。

画像:推進体制
画像:推進体制

人財採用の取り組み

多様な採用コースと実績

新卒採用・キャリア採用を問わず、多様な価値観やキャリアを持つ人財の確保を目指しています。積極的な採用活動を進めた結果、2024年度は890名を採用しました。

当社では採用促進のために、ライフステージや志向に応じて勤務地を選べるよう、勤務地を希望するエリアに限定できる「地域限定採用」を設けています。そのほか、女性の職域拡大として警備職や法人営業といった従来は募集していなかった職種での受け入れや、正社員の募集年齢を引き上げ、ミドル層も採用の対象としています。また、シニア層が活躍できる職種や柔軟な働き方が可能な時短制度などの整備も行ってきました。

採用実績(セコム(株))

   2020年度   2021年度   2022年度   2023年度   2024年度 
 採用者数  992名 909名 781名 770名 890名
男性 853名 784名 685名 699名 792名
女性 139名 125名 96名 71名 98名

採用競争力強化に向けた取り組み

給与のベースアップ

社会の安全に貢献している社員の待遇を高めるべく、2022・2023・2024・2025年度と4年連続のベースアップを行いました。

自動車運転免許取得補助制度

2024年度から自動車運転免許取得補助制度を導入しました。業務上、自動車運転免許を必須とする職種で入社した高校卒の社員およびキャリア採用で入社時年齢が20歳未満の社員を対象に、免許取得にかかる費用の補助として上限20万円を入社後に支給します。セコムへの就職を希望する若年層が安心して社会人生活を始められることを目的としています。

奨学金返還支援制度

セコムへの入社を考える求職者に対する訴求と、新入社員の定着を図ることを目的に、2024年度から奨学金返還支援制度を導入しました。奨学金返還義務を負っている入社5年目までの社員を対象に申請時点の奨学金返還残額の4%を年間支援額(上限20万円)とし、5年間支給します。

本制度により奨学金の返還が必要な社員の経済的な負担を和らげることで、社員の生活の安定と働きやすさを向上させるとともに、社員の自己実現におけるさまざまな選択肢が広がり、それが会社のさらなる発展に寄与する人財の育成につながっていくものと考えています。

職業体験施設「connect base akasaka」の開設

セコムは、2024年6月に採用応募者の学生などが選考前から警備員の仕事を体験できる施設「connect base akasaka」を東京都内に開設しました。この施設では、ご契約先事務所やセコムの事業所を模したブースで、オンライン・セキュリティシステムによる警備の一連の流れを体験することができます。また、学生などの職業体験だけでなく、新卒採用・キャリア採用を問わず内定者とのコミュニケーションの場としても活用しています。セキュリティスタッフの仕事内容に理解を深めていただくことで入社前の不安を払拭し、多くの新しい人財の採用につなげていきます。

写真:「connect base akasaka」での仕事体験の様子

「connect base akasaka」での仕事体験の様子

人財育成・研修制度

セコムが、しなやかで強い企業として持続的成長を遂げていくためには、「セコムの理念」を継承し、次世代を担うプロフェッショナルな人財の育成が重要な課題です。当社では、入社時研修に始まってフォローアップ研修、部門別・職能別の研修などを行うほか、セコムセルフラーニング制度を設け、社員の成長と自己実現を促す独自の教育・研修体系を確立しています。

各種研修と実績

2024年度は新たな取り組みとして、社員の健康的で堅実な生活を支援するためのウェルネス研修やマネーリテラシー研修、初めて役職についた社員を対象とした初級管理職研修、定期新入社員の育成環境を整えるためのOJTトレーナー研修をスタートさせ、さらなる人財の活性化を図りました。これらの研修では主にオンライン形式を活用することで、より多くの社員に学びの機会を提供するとともに、参加者の移動の負担、および交通費等の削減も図りました。

また、下期には全国3カ所にある研修センター(セコムHDセンター)のうち、御殿場の施設が収容規模を拡大してリニューアルオープンしました。同施設を活用し、今後集合研修の実績も増加させていく計画です。

引き続き自己啓発のためのセルフラーニングの拡充と活性化にも努め、受講者数が前年比125%となりました。

研修実績

  2022年度 2023年度 2024年度
研修受講者数 延べ191,104名 延べ162,184名 延べ197,319名
研修時間 450,757時間 441,000時間 452,047時間

*HDセンターで実施した研修時間のほか、HDセンター以外での集合研修、社外研修・セミナー、業務上必要な資格等に関する教育、各種eラーニングを含む。対象はセコム(株)。

一人当たりの研修時間(KPI目標:2030年に50時間)

2022年度 2023年度 2024年度
28.3時間 28.1時間 28.8時間

*HDセンターで実施した研修時間のほか、HDセンター以外での集合研修、社外研修・セミナー、業務上必要な資格等に関する教育、各種eラーニングを含む。対象はセコム(株)。

研修制度

画像:各種研修制度

新入社員入社時研修

中途入社も含め、すべての新入社員が受講する入社時研修では、「現状打破の精神」「正しさの追求」といった「セコムの理念」や社員としての心得・心構えに加えて、各職務に必要な知識や技能を習得し、セコムが目指す「社会システム産業」を構築する担い手としての基本を身につけます。

2024年度は994名(セキュリティ事業に携わる関連会社の教育も含めると1,510名)に対して実施しました。

また、定期新入社員に対しては社会人教育を充実させ、人としても成長できる機会を広げました。

写真:訓練を受ける定期新入社員

訓練を受ける定期新入社員

入社時以外の研修

配属後は、基本的な職務内容や重要事項などをOJT※1で学習する一方、 OFFJT※2として集合研修を実施しています。この研修では、キャリアに役立つ最新の知識や技能を身につけるための多彩なプログラムを準備しています。

2024年度は従来の集合研修に加え、オンライン形式の研修を大幅に拡充し、マネーリテラシー研修、OJTトレーナー研修などの研修をスタートさせました。オンライン研修は、収容スペースの制限がないため、より多くの社員に教育の機会を提供できる、移動の時間や費用のコスト面が軽減される、といったメリットがありますので、次年度も拡充していく計画です。

一方、集合スタイルの利点を活かした研修も行っています。その一つである女性階層別研修では、ワールドカフェ※3を取り入れ、参加者同士が多様な意見やアイデアに触れて刺激を受けながら、自身のキャリアや会社の将来を見つめる機会としています。

セキュリティスタッフへの教育にあたってはVR(バーチャルリアリティ)等の先端技術の活用や、研修所内で持ち運び可能なタブレット端末の導入を行い、さらなる教育効果の向上を図っています。また、希望制の技術研修も行っており、毎回多くの意欲ある社員が受講しています。今後も社員が自身を高めていける環境を整えていきます。

  • OJT (On the Job Training)・・・実際の現場で実務を通して知識や技能を学ぶ教育
  • OFFJT (OFF the Job Training)・・・実際の業務から離れて行う研修などの教育
  • ワールドカフェ・・・参加者が少人数のテーブルに分かれ、一定時間ごとにテーブルを移動しながら、さまざまなメンバーと自由な雰囲気で意見交換していくワーク
  • 写真:セキュリティスタッフの集合研修

    セキュリティスタッフの集合研修

    写真:女性階層別研修でキャリアデザインを考える参加者

    女性階層別研修でキャリアデザインを考える参加者

    責任者教育

    2024年度は、初めて役職に就いた社員を対象とした初級管理職研修をスタートさせ、より早い段階で管理職の基本を学べる体制を整えました。この研修は、多忙な管理職が参加しやすいようにオンライン形式を採用しました。また、少人数グループでの意見交換、自身のアクションプラン作成、3か月後の実践結果の報告など、アウトプットの機会を多く設け、研修内容の定着や行動変容に繋がるように工夫しています。

    また、例年に続いて、新たにセキュリティ事業所の責任者となった社員に対し、新任事業所責任者研修を行いました。参加者は管理職の役割、部下とのコミュニケーションや育成指導の方法などを学び、学びを実践につなげるため、自身のアクションプランを作成しました。

    セコムセルフラーニング制度

    社員の自発的な学びを積極的に支援するために、実務で役立つビジネススキルや資格取得など、仕事に直接関係する学びに加え、一般教養、オンライン英会話などの語学まで、さまざまなコースを設けています。学習方法も、テキストを使った従来型の通信講座だけでなく、スキマ時間にアプリで学べる動画学習サービス等、幅広い選択肢を設けており、新入社員から管理職クラスまで、誰もが各自のニーズに合わせて新たな知識を吸収し、自分を高めていける環境を整えています。管理職クラス向けには、多様な人財を活かすためのダイバーシティ・マネジメントや1on1、職場のメンタルヘルスなど、近年重要性が増しているマネジメントスキルの講座も充実させ、受講を奨励しています。

    社員はいつでも、いくつでもコースを受講でき、講座を修了すると、会社から「自己啓発助成金」が支給されます。求められる知識・スキルや自身のありたい姿を真剣に考え、自己研鑽する社員の意欲に応える制度です。

    2024年度も講座の見直しを行い、仕事にプラスとなる知識やスキルのほか、IT・ビジネストレンド、一般教養など、幅広いテーマの全176コースを厳選してラインナップしました。また、受講人数は前年比125%となりました。今後も、社員一人ひとりの可能性を広げ、未来への希望や意欲につながる制度となるよう進化させるとともに、自律的に学ぶ組織風土の醸成を進めていきます。

    通信講座実績

      2022年度 2023年度 2024年度
    通信教育講座開設数 166講座 184講座 176講座
    通信教育講座受講人数 延べ786名 延べ1,217名 延べ1,419名

    *対象はセコム(株)。

    海外留学制度

    海外留学制度は「将来に対して明確なビジョンを持ち、広い視野を備えた人財の育成」を目的としています。社員が海外で知識や見聞を広げ、新たな考え方を吸収することを促すため、欧米やアジア各国の大学院(MBA等)への留学を支援し、国内外でグローバルに活躍できる人財の育成を目指しています。この制度は 1979年から開始し、以来、継続的に数名の社員を派遣しています。留学後は本人の志向や適性を踏まえて配属を行い、国際部門や経営部門など、さまざまな分野で活躍しています。

    2016年からは、海外赴任国におけるエキスパート人財の育成を目的として、現地言語を集中的に習得する「特定地域人材育成プログラム」を新たに制度化しました。海外で働きたいという意欲や将来のビジョンを重視した公募制を採用しており、これまでに中国、韓国、インドネシア、タイ、ベトナム、トルコの6か国に、計17名の社員を派遣しています。プログラム終了後は、現地のグループ会社で勤務しており、女性社員も積極的に活躍しています。

    DXを加速させる人財育成の場

    セコムは、まだ世に存在していない「安全・安心」を提供し続ける企業であるために「創意」「強靭さ」「国際性」を備えた人財の育成を重視しています。「創意」を発揮するためには創造的な対話を通じ、協働できる「場」が必要です。

    2022年には社内外の枠組みにとらわれず、お客様やセコムグループ社員が交流する場として「HARAJUKU 3rd Place」をセコム本社ビルに開設しました。

    「HARAJUKU 3rd Place」では、さまざまな部門に所属する社員が集い、データサイエンス技術など DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる知識の習得や研究、部門横断的プロジェクトを推進しています。今後も人財戦略である「創意」を備えた人財の育成を積極的に進めていきます。

    写真:DXを加速させる拠点「HARAJUKU 3rd Place」

    DXを加速させる拠点「HARAJUKU 3rd Place」

    譲渡制限付株式を活用した福利厚生制度

    「セコムグループ ロードマップ 2027」で掲げる従業員エンゲージメントの一層の向上を目的に、2023年6月に譲渡制限付株式を活用した福利厚生制度を導入し、2024年度までに2度の株式付与を実施しました。本制度は、希望する社員へ自社の株式を付与し、毎年配当金も受け取ることができる仕組みです。社員一人ひとりの努力に適切に報いるとともに、経営参画への意識を高め、中長期的な企業価値の向上を捉えるマインドを持った人財の育成を目指しています。

    人事評価制度・表彰制度

    キャリア形成支援の制度

    人事制度のコンセプトは「評価と育成」「透明性と公正さ」で、社員自らが申告した担当業務・成果・反省点と、職務ごとに最適化された合理的な評価項目の両面を冷静に評価し、結果をその都度、社員に開示するオープンで公正な仕組みにしています。

    また、評価は資格級や賞与審査のためだけに行うのではなく、社員を育成することを目的としており、評価結果や理由、今後の取り組み目標・改善事項を本人との面談で具体的に伝えることにより、自発的な成長を支援しています。

    さらに、年に1回、自分の将来の目標や希望を上司に申告し、仕事を通じた自己実現の機会を得るために行う「自己申告制度」や、随時本人がやってみたい職種を希望することができる「チャレンジサポート制度」を整えています。

    自己申告制度

    社員は、「自己申告制度」によって毎年1回会社に対して、今後希望する職務・時期・理由などを、「自己申告書」で意思表示することができます。この制度を活用することにより現状に満足することなく、自分の将来のあるべき姿を真剣に考え、仕事を通して自己実現する機会を得ることができます。

    「自己申告制度」をさらに一歩進めて、「すぐにでも現在と異なる仕事にチャレンジしたい」という社員の希望を支援するのが「チャレンジサポート制度」です。希望する事業分野や職種・職務と自分が保有するスキル・資格などを申告し、本人の意欲・能力と会社の必要性が合致した場合は、希望を受け入れており、会社に大きな活力を生み出す仕組みの一つとなっています。

    社員の努力を公正に評価し、自発的な成長を支援する人事システム

    画像:社員の努力を公正に評価し、自発的な成長を支援する人事システム

    表彰制度

    セコムには、個人を表彰する制度として、「セコム大賞」があります。営業・業務・管理などの職種ごとに、年間を通しての取り組みや成果を総合的に判断し、表彰する制度です。

    また、社会および会社に対して大きな功績があった社員については、都度表彰を行っています。表彰事案の詳細を写真やコメント付きで社内イントラネットに公開することで、個人と組織のモチベーションアップにつながっています。

    組織の表彰としてはほかに、営業・業務・管理などの部門を総合的に評価し、年間を通して優秀な結果を収めた組織を表彰する制度があります。

    表彰についてコンプライアンス

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    人財マネジメント。セコムのサステナビリティについて紹介しているページです。セコムは、「企業と社会が共に持続的に発展することが重要である」という考え方を根底におき、社会・環境課題の解決に努めています。