人財マネジメント|社員の自己実現とダイバーシティ|サステナビリティ重要課題|セキュリティのセコム株式会社-信頼される安心を、社会へ。-

人財マネジメント

基本方針と推進体制

基本的な考え方・方針

セコムでは、「人財」を何より重視しています。それは、セコムグループのあらゆるサービスが「人」を通じて提供され、お客様からの「信頼」をもとに成り立っているからです。社会が激しく変化する中、リーディングカンパニーとして、いつの世にも広く社会から信頼され、一層の発展をしていくためには、社員一人ひとりが活き活きと働き、能力を発揮できる環境を整えることが重要と考えています。人財マネジメントにおいては、「創意」や「強靭さ」、「国際性」を備えた人財の確保と育成に取り組み、「自分達が変えていく」という強い思いを伴った企業文化を醸成することで会社と個人が持続的に成長していくことを目指します。

推進体制

人財マネジメントを統括する総務人事本部には、採用を担当する「人材採用部」、教育を担当する「研修部」、総合的な人事戦略を担う「人事部」が設置されています。人事部のもと、「D&I推進担当」がダイバーシティ&インクルージョンの具体的な施策を担います。

また、全国3カ所にある人材開発センター「セコムHDセンター」(HDはHuman Developmentの略)が能力開発の拠点となっており、一年を通して各種研修が行われます。

図:推進体制
図:推進体制

人財採用の取り組み

多様な採用コースと実績

新卒採用・キャリア採用を問わず、多様な価値観やキャリアを持つ人財の確保を目指しています。積極的な採用活動を進めた結果、2022年度は781名を採用しました。

当社では採用促進のために、ライフステージや志向に応じて勤務地を選べるよう、勤務地を希望するエリアに限定できる「地域限定採用」を設けています。そのほか、女性の職域拡大として警備職や法人営業といった従来は募集していなかった職種での受け入れや、正社員の募集年齢を引き上げミドル層も採用の対象としています。また、シニア層が活躍できる職種や柔軟な働き方が可能な時短制度などの整備も行ってきました。

賃金においては、2022・2023年度にベースアップを行いました。2023年度は、若手人材の確保のため初任給も引き上げ、採用競争力を更に強化し積極的に採用を行っています。

採用実績(セコム(株))

   2019年度   2020年度   2021年度   2022年度 
 採用者数  1,052名 992名 909名 781名
男性 849名 853名 784名 685名
女性 203名 139名 125名 96名

人財育成・研修制度

各種研修と実績

2022年度は、引き続き新型コロナウイルス感染症への配慮から、集合研修は必要性を吟味しながら徐々に開催を増やしていきました。特にしばらく実施ができなかったマネジメント研修をセキュリティ事業所の責任者全員に実施したことは、各事業所において多様な人財を活性化させるための時宜を得た取り組みとなりました。
 また、ウィズコロナの観点から集合研修以外の人財育成チャネルとして、オンライン研修やeラーニングなどの研修バリエーションを増やし、自己啓発のためのセルフラーニングの拡充にも努めました。

研修実績

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
研修受講者数 延べ12,960名 延べ5,107名 延べ6,950名 延べ5,709名
研修時間 289,364時間 165,174時間 174,472時間 170,161時間

*HDセンターで実施した研修の受講者数と研修時間。「ラグビーワールドカップ2019™日本大会」「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」の警備に向けた研修を含む。対象はセコム(株)。

  目標 目標年 2022年度実績
一人当たりの研修時間 50時間/年 2030年 42.6時間/年

*HDセンターで実施した研修時間のほか、HDセンター以外での集合研修時間、社外研修・セミナー時間、各種eラーニングを含む。対象はセコム(株)。

研修・教育制度

セコムが、しなやかで強い企業として持続的成長を遂げていくためには、「セコムの理念」を継承し、次世代を担うプロフェッショナルな人財の育成が重要な課題です。当社では、入社時研修に始まってフォローアップ研修、部門別・職能別の研修などを行うほか、セコムセルフラーニング制度を設け、社員の成長と自己実現を促す独自の教育・研修体系を確立しています。

研修制度

図:各種研修制度

新入社員入社時研修

入社後に行われる研修では、「現状打破の精神」「正しさの追求」といった「セコムの理念」や社員としての心得・心構えに加えて、各職務に必要な知識や技能を習得し、セコムが目指す「社会システム産業」を構築する担い手としての基本を身につけます。

2022年度は922名(セキュリティ事業に携わる関連会社の教育も含めると1,284名)に対して実施しました。

写真:2022年度入社式は原宿本社や各地域本部など、26会場に分かれてオンラインで開催

2022年度入社式は原宿本社や各地域本部など、26会場に分かれてオンラインで開催

集合研修

職場に配属された後は、基本的な職務内容や重要事項などをOJT※1で学習しますが、一方で、OFFJT※2として「集合研修」を実施しています。この研修では、キャリアに役立つ最新の知識や技能を身につけるための多彩なプログラムを準備しています。

2022年度は269コース、延べ5,709名の社員に対する研修を行いました。警備員への教育にあたってはVR(バーチャルリアリティ)等の先端技術も導入し、研修の充実化を図っています。

また、2022年度はセキュリティ事業所の責任者全員に対して、ハラスメントの防止や部下のモチベーションを上げるための思考方法やスキルをグループワークで学ぶマネジメント研修を行いました。実体験に基づいて互いに学びあうことで、納得感のある研修になりました。さらに研修1カ月後にオンラインで振り返りのグループワークを行うことで更なる定着を図るという試みも実践し、参加者は非常に高い満足感を得ることができました。

  • OJT (On the Job Training)・・・実際の現場で実務を通して知識や技能を学ぶ教育
  • OFFJT (OFF the Job Training)・・・実際の業務から離れて行う研修などの教育
  • 写真:セキュリティスタッフの集合研修

    セキュリティスタッフの集合研修

    写真:事業所責任者の研修

    事業所責任者の研修

    セコムセルフラーニング制度

    社員の自発的な学びを積極的に支援するために、実務で役立つビジネススキルを身につけるコースや資格取得を目指すコースなど、仕事に直接関係する学びから一般教養、オンライン英会話など語学を学べるコースまで、さまざまな通信教育講座を設けています。また、スキマ時間でも学べる動画学習サービスなど、従来の通信教育の枠にとらわれない新たなコースも積極的に取り入れ、若手から管理職クラスまで、視野を広げ、幅広い知識を吸収できる環境を整えています。管理職クラス向けには、多様な人財を活かすためのダイバーシティ・マネジメントや職場のメンタルヘルスなど、近年重要性が増している新たなマネジメントスキルの講座も充実させ、受講を奨励しています。

    社員はいつでも、いくつでもコースを受講でき、講座を修了すると、会社から「自己啓発助成金」が支給されます。求められる知識・スキルや自身のありたい姿を真剣に考え、自己研鑽する社員の意欲に応える制度です。

    2022年度は、通信教育ガイドやウェブサイト内容を大幅に刷新し、また採用する講座の内容も見直し、全166コースのうち半数を新コースとして採用しました。今後も、社員一人ひとりの可能性を広げ、未来への希望や意欲につながる制度となるよう進化させていきます。

    通信講座実績

      2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
    通信教育講座開設数 146講座 151講座 139講座 166講座
    通信教育講座受講人数 延べ204名 延べ277名 延べ662名 延べ786名

    *対象はセコム(株)。

    海外留学制度

    海外留学制度は、「将来に対して明確なビジョンを持った視野の広い人材の育成」を目的とし、海外で知識・見聞を広めて新しい考え方などを吸収するため、欧米やアジア各国の大学院(MBA等)に留学、国内外でグローバルに活躍できる人材を育成する制度です。1979年から開始し、毎年4~5名の社員を派遣しています。留学後は本人の志向等を鑑みながら配属し、国際部門や経営部門などさまざまな分野で活躍しています。

    2016年からは、海外赴任国のエキスパート人材になることを目的に現地言語を集中的に習得する「特定地域人材育成プログラム」を新たに制度として設けています。海外で働きたいという意欲や将来のビジョンを重視した公募制で、今まで15名の社員を中国、韓国、インドネシア、タイ、ベトナム、トルコに派遣しました。プログラム終了後は現地グループ会社で勤務しており、女性も活躍しています。

    責任者教育「責任者ナビ」

    部下を持つ責任者を教育する目的で、社内イントラネット上に「責任者ナビ」を設置しています。すべての責任者が、組織の運営力・仕事の管理力・部下の指導力・部下の育成力という責任者に必要な「4つの力」と、職務を遂行する上で必要な「責任者心得」を、この「責任者ナビ」で常に確認できるようにしています。

    図:社内イントラネット内の「責任者ナビ」

    社内イントラネット内の「責任者ナビ」

    DXを加速させる人財育成の場

    社内外の枠組みにとらわれず、お客様やセコムグループ社員が交流する場として2022年に「HARAJUKU 3rd Place」をセコム本社ビルに開設しました。

    セコムは、まだ世に存在していない「安全・安心」を提供し続ける企業であるために「創意」「強靭さ」「国際性」を備えた人財の育成を重視しています。「創意」を発揮するためには創造的な対話を通じ、協働できる「場」が必要です。

    「HARAJUKU 3rd Place」では、さまざまな部門に所属する社員が集い、データサイエンス技術など DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる知識の習得や研究、部門横断的プロジェクトを推進しています。今後も人材戦略である「創意」を備えた人財の育成を積極的に進めていきます。

    写真:DXを加速させる拠点「HARAJUKU 3rd Place」

    DXを加速させる拠点「HARAJUKU 3rd Place」

    譲渡制限付株式を活用した福利厚生制度

    「セコムグループ ロードマップ 2027」で掲げる従業員エンゲージメントの一層の向上を目的に、2023年6月に譲渡制限付株式を活用した福利厚生制度を導入しました。本制度は、希望する社員へ自社の株式を付与し、毎年配当金を受け取ることができる仕組みです。社員一人ひとりの努力に適切に報いるとともに、経営参画への意識を高め、中長期的な企業価値の向上を捉えるマインドを持った人財の育成を目指しています。

    人事評価制度・表彰制度

    キャリア形成支援の制度

    人事制度のコンセプトは「評価と育成」「透明性と公正さ」で、社員自らが申告した担当業務・成果・反省点と、職務ごとに最適化された合理的な評価項目の両面を冷静に評価し、結果をその都度、社員に開示するオープンで公正な仕組みにしています。

    また、評価は資格級や賞与審査のためだけに行うのではなく、社員を育成することを目的としており、評価結果や理由、今後の取り組み目標・改善事項を本人との面談で具体的に伝えることにより、自発的な成長を支援しています。

    さらに、年に1回、自分の将来の目標や希望を上司に申告し、仕事を通じた自己実現の機会を得るために行う「自己申告制度」や随時、本人がやってみたい職種を希望することができる「チャレンジサポート制度」を整えています。

    自己申告制度

    社員は、「自己申告制度」によって毎年1回会社に対して、今後希望する職務・時期・理由などを、「自己申告書」で意思表示することができます。この制度を活用することにより現状に満足することなく、自分の将来のあるべき姿を真剣に考え、仕事を通して自己実現する機会を得ることができます。

    チャレンジサポート制度

    「自己申告制度」をさらに一歩進めて、「すぐにでも現在と異なる仕事にチャレンジしたい」という社員の希望を支援するのが「チャレンジサポート制度」です。希望する事業分野や職種・職務と自分が保有するスキル・資格などを申告し、本人の意欲・能力と会社の必要性が合致した場合は、希望を受け入れており、会社に大きな活力を生み出す仕組みの一つとなっています。

    社員の努力を公正に評価し、自発的な成長を支援する人事システム

    図:社員の努力を公正に評価し、自発的な成長を支援する人事システム

    表彰制度

    セコムには、個人を表彰する制度として、「セコム大賞」があります。営業・業務・管理などの職種ごとに、年間を通しての取り組みや成果を総合的に判断し、表彰する制度です。

    また、社会および会社に対して大きな功績があった社員については、都度表彰を行っています。表彰の詳細を写真やコメント付きで社内イントラネットに公開することで、個人のモチベーションアップにつながっています。

    組織の表彰としてはほかに、営業・業務・管理などの部門を総合的に評価し、年間を通して優秀な結果を収めた組織を表彰する制度があります。

    表彰についてコンプライアンス

    海外での取り組み

    社員の意欲向上、ひいてはお客様満足度の向上につなげるため、セキュリティ事業の海外各社で表彰制度を設けています。

    セコムPLC「セコムエンジニアアワード」

    英国・ロンドンに拠点を置くセコムPLCでは、同国で最も広く活用されているカスタマー・レビュー・サイト「トラスト・パイロット」でお客様から最も評価の高かった社員を表彰する制度「セコムエンジニアアワード」を設けています。

    「セコムエンジニアアワード2022」では、セキュリティシステムの保守点検業務・障害対処を行うエンジニアとして、カスタマー・レビュー・サイトで最高評価の5点を獲得した数が最も多かった社員が第1位、他に2名の社員が受賞し、セコムPLC社長をはじめ取締役一同が参加する表彰式で記念品が贈呈されました。

    また、セコムPLCに長年勤務した社員には、その功績を讃え、特別表彰をしています。2023年の2月と4月には、25年にわたってコントロールセンターの運営に貢献した2名の社員が表彰されました。

    写真:長年の貢献に讃えられたセコムPLCの社員
    写真:長年の貢献を讃えられたセコムPLCの社員

    長年の貢献を讃えられたセコムPLCの社員

    セコムスマートマレーシアの「COA(感謝状)プログラム」

    セコムスマートマレーシアでは、2022年1月、独自の社員報奨プログラム「COA(Certificate of Appreciation)プログラム」を制定しました。営業成績のみにとらわれず、会社に特別な貢献をした社員に感謝を示すためのもので、社員の長所と能力を讃える新たな評価制度です。

    同プログラムは、2021年に実施した社員アンケート調査を機に生まれました。項目の一つ、「経営陣や仲間から認められ、評価されることを求めている」に対し、99%が「はい」と回答。この結果を受け、社員の働きがいを高め、意欲的に業務に取り組むための施策として、「COAプログラム」を運用することが決定されました。

    お客様から電話やメールでお褒めの言葉を受けると、内容が人事部に報告され、社内で共有されながら、該当する社員に感謝状が贈られます。同僚からの祝福により、社員同士のコミュニケーションにも良い影響をもたらし、社員の満足度向上が組織の活性化と業績向上にもつながると考えています。

    写真:「COAプログラム」で感謝状を贈られた社員

    「COAプログラム」で感謝状を贈られた社員

    セコムベトナムの社員表彰制度

    セコムベトナムでは、社員のモチベーション向上、ロイヤルティ向上を目的に、社員表彰制度を設けています。勤務時間中・時間外を問わず、セコム社員として他の模範となるような行動や振舞いに対し、金一封を添えて表彰を行います。

    人命救助や火災の初期消火、万引き防止や工場内からの製品持ち出し防止等の案件に対して、間断なき警戒心をもって業務を遂行された証として、毎月数名が表彰されています。

    写真:2023年に表彰された社員

    2023年に表彰された社員

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    人財マネジメント。セコムのサステナビリティについて紹介しているページです。セコムは、「企業と社会が共に持続的に発展することが重要である」という考え方を根底におき、社会・環境課題の解決に努めています。