生物多様性保全|脱炭素・循環型社会|サステナビリティ重要課題|セキュリティのセコム株式会社-信頼される安心を、社会へ。-

生物多様性保全

基本的な考え方・方針

セコムグループは「セコムグループ環境方針」において、森林資源や水資源などの生態系サービスがもたらす恵みの豊かさを守るため、生物多様性への影響を最小化することを掲げています。この考えに基づき、グローバルであらゆる事業活動を行う企業として、生物多様性保全活動および自然資本に与える負の影響の分析・軽減に取り組んでいます。

生物多様性保全の取り組みを強化していくため、2019年12月には「経団連生物多様性宣言」に賛同しました。これは、日本経済団体連合会(経団連)と経団連自然保護協議会が、生物多様性保全の問題に取り組むための行動指針を示した宣言で、「持続可能な社会の実現に向け、自然の営みと事業活動とが調和した経営を志す」「生物多様性の危機に対して、グローバルな視点を持って行動する」など7つの原則を掲げています。

海洋プラスチック削減に向けた取り組み

海洋プラスチックごみは、海洋環境の悪化や海岸機能の低下など、さまざまな問題を引き起こしています。なかでも、マイクロプラスチックによる人を含む生態系への影響が懸念されます。国際会議においても海洋プラスチック問題が議題にされるなど、近年、世界で喫緊の課題となっています。

日本政府としても「プラスチック資源循環戦略」や「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」の策定、「プラスチック資源循環促進法」の施行、2019年6月に開催されたG20大阪サミットでは「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」で2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染ゼロを目指すことを提案するなど、この問題を解決する姿勢を示しています。

セコムでは2022年、海洋プラスチック問題を解決するために、容器包装における化石資源由来プラスチック使用ゼロを目指す、長期目標を策定しました。今後、植物由来プラスチックの利用、紙製容器包装への代替などを積極的に実施し、この社会課題解決に貢献していきます。

海洋プラスチック削減に関する目標

<長期目標>

  • 2045年までに容器包装における化石資源由来プラスチック使用ゼロを目指す

<中期目標>

  • 2030年度までに容器包装における化石資源由来バージンプラスチック使用ゼロを目指す

*市販品採用機器を除く

プラスチック削減の取り組み事例

事例1 「セコムみまもりホン2」の梱包箱を改良し、プラスチック使用量を削減

はめ殺し方式のダンボールと上から押さえる紙製の緩衝材を採用することにより、従来使用していたプラスチックの緩衝材とテープを削減することができました。

図:事例1 みまもりホンの梱包箱を改良し、プラスチック使用量を削減

事例2 環境に配慮したノベルティ

ノベルティのボールペンは、海に流出したプラスチックごみ(海洋プラスチック)を含む再生樹脂を使用したものへと変更しました。

写真:事例2 環境に配慮したノベルティ

パスコの生物多様性保全への取り組み

グループ会社の(株)パスコでは、森林保全、再生可能エネルギーの導入支援、環境アセスメント等の事業活動を通して自然保護、生物多様性保全を推進してきました。これまでの経験を活かし、さまざまなステークホルダーとも連携して生物多様性保全に一層貢献していくため、2023年には環境省主導の「30by30」に賛同しました。

  • 30by30・・・2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標
図:30by30ロゴ

鳥類調査を通じた洋上風力発電事業への貢献

近年活発化する洋上風力発電事業に伴う開発においては、衝突や生息地改変による鳥類への影響が懸念されており、海域における鳥類調査の重要性が高まっています。

洋上における鳥類調査では、一般的に船舶を用いた目視調査を実施しますが、広域の調査には時間や労力を要することや調査精度の確保が課題でした。そこで、パスコでは航空機で撮影した空中写真から鳥類の分布を把握する技術を開発し、従来の調査手法と比較して広域の情報をより精緻に取得することが可能となりました。また、最近では携帯型斜め写真撮影システム(PALS)を鳥類調査に活用し、広域な調査範囲を位置情報と共にもれなく撮影することにも取り組んでいます。さらにAI技術を活用し大量の空中写真から鳥類を自動的に検出することで、目視による判読作業の効率化につなげています。

今後、さらなる事業の拡大が見込まれる中、パスコの持つ技術を最大限に活かし、客観的な調査結果を環境アセスメントに反映することで、持続可能な事業の推進に貢献していきます。

  • 携帯型斜め写真撮影システム(PALS)・・・パスコが開発した撮影システムで、写真撮影と同時に撮影位置とその被写体位置の座標を取得できる

持続的な森林経営・森林管理を支援

パスコでは、航空レーザー測量により高精度な3次元データを収集し、これを活用した森林資源調査を行っています。本調査では広域な森林の資源量および整備の状況と生産活動に影響する地形条件を、短期間で把握することが可能です。

一方で、森林の整備を行うためには、森林所有者の同意を得て作業を行わなければなりません。そのため、所有する森林の境界や森林所有者の確定作業が必須となります。森林所有者の高齢化が進み、所有者不明も増加していることから、森林境界明確化は喫緊の課題であると言えます。

このような課題を解決するため、パスコは、計測したデータと地元精通者のご意見をもとに、森林の境界をわかりやすく示し、森林所有者が森林に立ち入らずとも境界確定の同意取得を行う手法で、境界明確化の促進に貢献しています。

森林の持つ多様な機能を発揮させ、生物多様性保全に貢献すべく、今後もさまざまな技術を活かして森林資源情報を“見える化”し、持続可能な森林経営をサポートしていきます。

図:最新の航空レーザーデータで森林境界を視覚化

最新の航空レーザーデータで森林境界を視覚化

スマート農業の推進

日本の農業は、農業者の高齢化や担い手不足、食料自給率の低下などの課題を抱え、その状況は年々深刻化しています。パスコでは、航空写真測量や設計・調査・計画業務、衛星画像データ解析などの空間情報技術によりスマート農業を支援することで、社会課題の解決に取り組むとともに農村地域における生物多様性の観点からも適切な施肥・水利用などに貢献しています。

例えば、リモートセンシング技術や位置情報サービスなどの空間情報技術を活用し、農業者が農作物の生育状況を把握する作業を支援しています。生育状況を把握したマップを作成・利用することで、生育状況のばらつきにあわせて施肥を行い、肥料コストの削減や収量と品質の安定化を図れるとともに、窒素過多や農業排水による富栄養化を防ぎます。この他、集中豪雨・台風・大規模地震などの自然災害が広域化・長期化することで生じる甚大な農業被害に対して、衛星画像や航空写真を活用し農地の被災状況を把握し、地方自治体や農林水産省などに提供することで早期の営農再開に向けた支援をしています。

さらに、2019年2月には、日本の農業の発展を目指し、東京農業大学、東京情報大学と包括連携協定を締結しました。農業現場へのスマート農業普及のための施策立案や一次産業での新たな空間情報技術活用の可能性を追求すべく、さまざまな活動を推進しています。

  • スマート農業・・・ロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業
図:リモートセンシング技術を用いた生育状況のモニタリング

リモートセンシング技術を用いた生育状況のモニタリング

写真:マップ情報を基にした肥料の可変散布の様子

マップ情報を基にした肥料の可変散布の様子

地域の社会貢献活動への参加

海岸防災林再生活動への参加

セコムグループでは、NPOや地域が主催する生物多様性保全活動に賛同し、「海岸林再生プロジェクト」などに社員ボランティアを募って参加しています。

宮城県名取市で行われている「海岸林再生プロジェクト」は、(公財)オイスカおよび名取市海岸林再生の会が東日本大震災の津波によって失われた延長5キロ約100ヘクタールの海岸防災林の再生に取り組んでいる活動で、震災復興に貢献するとともに小動物や鳥の生息域の回復に寄与しています。

写真:(公財)オイスカ「海岸林再生プロジェクト」に参加する社員ボランティア

(公財)オイスカ「海岸林再生プロジェクト」に参加する社員ボランティア

写真:2023年度の活動では葛刈りを実施

2023年度の活動では葛刈りを実施

違法伐採木材への対応

国際的に森林の違法伐採が重要な課題とされるなか、日本においても「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)」が2017年に施行されました。

セコムでは、コピー用紙や統合報告書、商品カタログ、封筒などにはFSC認証紙を採用しており、貴重な森林の保全に配慮しています。

図:商品カタログ、セコムレポート、封筒

生物多様性保全の啓発活動

エコツアーの推進

エコツアーとは、自然を観察・体験しながら、自然のしくみを学んだり、生き物や自然環境を保護する活動に参加する旅行のことです。

セコムでは、グループ社員の福利厚生を担当する(株)ワンダードリームと協力して、社員にエコツアーを奨励しています。社内イントラネット上には「エコツアーに出かけよう」のコーナーを設置し、積極的な利用を呼び掛けています。

セコムの保養所を拠点にして、楽しみながら周辺の自然に親しむことができるエコツアーは、社員一人ひとりが環境保全と生物多様性保全への意識を高める良い機会となっています。

図:社内イントラネット上で社員にエコツアーを奨励

社内イントラネット上で社員にエコツアーを奨励

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生物多様性保全。セコムのサステナビリティについて紹介しているページです。セコムは、経済面、環境面、社会面の活動を通じて、「企業と社会が共に持続的に発展することが重要である」という考え方を根底におき、創業以来、事業を通じて社会・環境課題の解決に努めています。
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