セコムの理念
経営理念とサステナビリティ経営
不確実性が増す社会において、多様な人財の求心力を維持・向上させ、企業として持続的に発展していくためには、経営理念を通して、判断の軸となる考え方や理想とする組織のあり方を共有し、次の世代へ引き継いでいくことがますます重要になっています。
“いつでも、どこでも、誰もが「安全・安心」で「快適・便利」に暮らせる社会”の実現を目指すセコムグループにとって、「社会に有益な事業を行う」という基本理念の根底にある「企業と社会が共に持続的に発展することが重要である」という考え方が、サステナビリティ経営の基盤となるものです。
また、創業以来脈々と受け継がれている理念として、会社にとってではなく、社会にとって正しいかを唯一の判断基準とする「正しさの追求」、常に革新的であり続けるための「現状打破の精神」などがあります。これらは、当社のサステナビリティ経営の実効性を高める上で重要な役割を果たしています。
セコムの基本理念
セコムの事業と運営の憲法
セコムの基本理念である「社会に有益な事業を行う」を常に考えの根底に据えて事業を行っていくために、1992年の創立30周年を機に、セコムグループが実施すべき事業方針を定めています。
「セコムの事業と運営の憲法」運営基本10カ条
「セコムの事業と運営の憲法」を土台として、セコムが「社会システム産業」として発展をするために、そして組織の風土が常に革新的であり、濁りのない清冽なものであり続けるために、あるべき考え方、あるべき姿を、運営の基本方針として定めています。
運営基本10カ条〈抜粋〉
- セコムは社業を通じ、社会に貢献する。
- セコムは、社会に貢献する事業を発掘、実現しつづける責任と使命を有する。
- 額に汗し、努力の結果以外の利益は、受けない。
- 人間尊重が基本であり、いかなる場合においても、いささかも人間の尊厳を傷つけてはならない。
- セコムは他企業、他組織を誹謗してはならない。
- すべてのことに関して、セコムの判断の尺度は、「正しいかどうか」と「公正であるかどうか」である。
- セコムは、常に革新的でありつづける。そのため、否定の精神、現状打破の精神を持ちつづけ絶やさない。
- セコムは、すべてに関して礼節を重んずる。
- セコムは、その時々の風潮に溺れず、流されず、常に原理原則に立脚し、凛然と事を決する。
- セコムの社員は、いかなることに関しても、自らの立場、職責を利用した言動をしてはならない。
セコムの要諦
1983年、日本警備保障(株)からセコム(株)に社名変更する際、創業以来培われたセコムの行動原理を基盤として、セコムグループの発展と社員の人間的成長を達成するための基本精神として「セコムの要諦」を制定しています。
「セコムの要諦」セコムグループ社員行動規範
「セコムの事業と運営の憲法」「セコムの要諦」とともに、コンプライアンスの面から見て、いつの時代にも通用する普遍性を持つものとして制定されました。セコムグループすべての社員のあるべき姿や守るべき行動規範、あらゆる業務の根底に据える考え方が規定されており、社会、お客様、お取引先、部下などとの関係における心得、職種に応じて遵守すべき行動基準が明記されています。
理念の共有と浸透活動
「セコムの理念」(白本)で理念を共有
創業以来、セコムグループの基本的な考え方やあるべき姿、行動原理として培われてきた「セコムの理念」を「セコムの事業と運営の憲法」「セコムの要諦」などとともにハンドブックとしてまとめて、全社員に配布しています。表紙が白いことから「白本」の愛称で社員に親しまれ、理念の共有と実践を徹底しています。

「セコムの理念」(白本)
世界に広がる「セコムの理念」
海外でも日本と同じ高いレベルの「安全・安心」を提供するためには、ただマニュアルや規則どおりに業務を行えばよいのではなく、なぜそうするのかという基本的な考え方を理解して取り組むことが重要です。
そこで、「セコムの理念」や「セコムグループ社員行動規範」を英語のほか中国語、インドネシア語、ベトナム語、タイ語など各国の言語に翻訳したり、定期的に研修資料を配布したりと、さまざまな取り組みを通じて組織の一人ひとりに浸透させています。

「セコムの理念」などを各国の言語に翻訳して配布

インドネシアでの新入社員向け理念教育
「Tri-ion活動」の推進
セコムブランドの一層の向上を図るため、2018年から「Tri-ion(トリオン)活動」を継続しています。「Tri-ion活動」とは、一人ひとりの“情熱(Passion)”を呼び起こし、仲間と“感動(Emotion)”を共有し、組織全体の“モチベーション(Motivation)”を高めていく活動のことで、社員が自分の価値観として「セコムの理念」を体現している状態を目指しています。
2023年度は、初の試みとして、海外グループ会社17拠点と国内部門総勢68名をオンラインでつなぎ、「Tri-ion座談会」を開催しました。前半は「“理念浸透”必要ですか?」などの問いを立てながら、行動変容へつなげるための共通認識の醸成。後半は文化や国民性が異なる中での各社の取り組みについて、成功事例のみならず失敗談も含めた共有を行いました。同じ理念のもと、異なる環境で奮闘する仲間からよい刺激を受け、それぞれの決意を新たにする場となりました。このように他の組織や部門でのお互いの事例共有を通じて、「セコムの理念」のさらなる浸透を進めています。

2023年度のTri-ion座談会

Tri-ion座談会で意見交換を行う海外グループ会社の社員