セコムの重要課題(マテリアリティ)
マテリアリティの特定
セコムは、社会に有益な事業を行うことを基本理念に掲げ、人々の安心と、より良い社会のためのサービスシステムを提供していくことを「セコムの事業と運営の憲法」に定めています。こうした考え方を代々受け継ぎ、「社会が持続的成長をするために必要なものは何か」という一歩先を見据えた発想でサービスイノベーションに挑み続け、事業活動を通じた社会貢献を実践してきました。
外部環境の変化によって社会課題が複雑化・複合化していく中で、一人ひとりの「安全・安心」を求めるニーズは一段と高まり、多様化しています。セコムは、これからも社会に貢献する事業を創造することによって課題解決に寄与し、社会にとって有用不可欠な企業体であり続けたいと考えています。そこで、ISO26000※1とGRIスタンダード※2を参考に行った自己評価に、ステークホルダーの皆様からのご意見を踏まえ、社会とともに持続的成長を果たすために取り組む事項を「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)」として特定しました。
- ISO26000・・・社会的責任に関する国際的なガイドライン規格
- GRIスタンダード・・・サステナビリティ報告書等を作成する際の枠組み
特定のプロセス
創業以来大切にしてきた「セコムの理念」を中核に置き、課題要素の抽出、各要素の重要度の検討といったプロセスを通して、「社会からの信頼の基盤を固める」「変化適応力・価値創造力を高める」「社会に必要とされるサービスを創出する」という3つの軸となる視点を導き出しました。
これらの視点は、互いに影響を及ぼし合うことで効果を高めていくものです。さらにESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を踏まえ、3つの軸を支える柱となる取り組みを6つのサステナビリティ重要課題として整理しました。


事業戦略との関係
セコムは「あらゆる不安のない社会の実現」を使命とし、「安全・安心」で「快適・便利」な社会を支えるサービスシステムを展開してきました。そして、これまで培ってきた社会とのつながりをベースにさらなる安心を提供する社会インフラを構築すべく、2017年に策定した「セコムグループ2030年ビジョン」において新たな戦略と、生活の中にあるさまざまなリスクや社会課題に対するサービス提供イメージを明示しました。
事件・事故、サイバー犯罪、自然災害、病気・老化といったさまざまなリスクが顕在化する今、セコムは“いつでも・どこでも・誰にとっても・切れ目のない安心”を提供する社会インフラである「あんしんプラットフォーム」構想を、このビジョンに掲げています。ここで描いた、未来の“ありたい姿”は、2015年に国連サミットで採択された「世界を変革する―持続可能な開発のための2030アジェンダ」で掲げられたSDGs(持続可能な開発目標)にも通底します。
サステナビリティ重要課題への取り組みを推進することは、セコムが目指す「あらゆる不安のない社会の実現」に近づくことであるとともに、社会課題解決への道につながると考えます。「変わりゆく社会に、変わらぬ安心を」提供し続けるべく、特定した重要課題を一層深化させながら個々の経営計画に組み込んで、全社的に推進していきます。

マテリアリティとKGI・KPI
「セコムグループ 2030年ビジョン」を踏まえ、長期的視点でセコムの“ありたい姿”の具体的なイメージについて、外部専門家からの助言も得ながら幅広く議論を重ね、6つのサステナビリティ重要課題ごとにKGI※1(目指す姿)を定めました。その上で、KGIを達成するためにはどんなアクションが必要か、どのようなKPI※2があれば“ありたい姿”を実現できるのか、という視点からさらに議論を深め、個別のKPIを絞り込んでいきました。各KPIの進捗状況は適宜、代表取締役社長、取締役会に報告され、次年度の活動に活かしながら取り組みのレベルアップと改善を着実に進めています。
- KGI(Key Goal Indicator)・・・重要目標達成指標
- KPI(Key Performance Indicator)・・・重要業績評価指標。KGIの達成度合いを測る指標

6つのマテリアリティに対するKPIの進捗状況
お客様視点のサービス
KGI (目指す姿) |
KPI (KGIに向けた指標) |
目標値/ 年 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2023年度の主な取り組み (進捗状況など) |
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人命・財産被害ゼロを目指す | 侵入・窃盗の「防犯率※1」 | 100%/ 2030 |
非開示 | 非開示 |
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お客様の不安ゼロを目指す | お客様からの電話連絡への「応答率※2」 | 96%/ 2026 |
91.3% | 89.8% |
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セコム・ホームセキュリティお客様アンケートの「安心感」スコア | 100%/ 2030 |
96.3% | 96.4% |
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*対象範囲はセコム(株)
- ご契約先への侵入・窃盗被害ゼロを目指すセコムの指標
- 5秒以内にお客様側から切断した放棄呼を除く、応答呼の割合
先端技術の活用とパートナーシップ
KGI (目指す姿) |
KPI (KGIに向けた指標) |
目標値/ 年 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2023年度の主な取り組み (進捗状況など) |
---|---|---|---|---|---|
日本初の“安全・安心”サービスを創出する企業であり続ける | 社会の安心に貢献する研究成果のニュース発信件数 | 30件(年)/ 2030 |
10件 | 20件 |
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国内初の新システム・新サービス開発の公表件数※1 | 計10件/ 2030 |
計2件 (当期1件) |
計5件 (当期3件) |
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企業・自治体・教育機関等との実証実験件数※1 | 計100件 (10件/年)/ 2030 |
計12件 (当期4件) |
計19件 (当期7件) |
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設置工事不要のセキュリティ機器・システムの割合※2 | 10%/ 2030 |
6.8% | 8.2% |
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*対象範囲はセコム(株)
- 2021~2030年の累計
- 市販品採用機器を除く
社員の自己実現とダイバーシティ
KGI (目指す姿) |
KPI (KGIに向けた指標) |
目標値/ 年 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2023年度の主な取り組み (進捗状況など) |
---|---|---|---|---|---|
「働きがいも、働きやすさも」実現する | 一人当たりの研修時間 | 50時間(年)/ 2030 |
28.4時間 (42.6時間)※1 |
28.1時間 |
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有給休暇取得率 | 80%/ 2030 |
72.9% | 66.4% |
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[新KPI] 健康経営度調査のスコア |
健康経営銘柄/ 2027 |
― | 2025年 開示予定 |
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多様性を活かした人財活躍を実現する | 女性管理職者比率(役職者全体) | 30%/ 2030 |
11.1% | 11.7% |
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男女の賃金の差異※2 | 85%/ 2030 |
72.9% | 74.5% |
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男性の育児休業取得率 | 50%/ 2025 |
25.2% | 45.8% |
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*対象範囲はセコム(株)
- 再集計し、実績を修正。()内は、旧定義による実績
- 男性の賃金の平均に対する女性の賃金の平等の割合を示したもの。同一労働において男女間の賃金の差異は無く、職種や資格級の人数構成等の違いにより差異が生じている
人権尊重と誠実な企業活動
KGI (目指す姿) |
KPI (KGIに向けた指標) |
目標値/ 年 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2023年度の主な取り組み (進捗状況など) |
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「人権を守る」企業として社会に評価される | 人権とハラスメント防止のeラーニング受講率 | 100%/ 毎年 |
97.7% | 99.7% |
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正しさを追求し、豁達な組織風土を醸成する | 人命救助・特殊詐欺被害防止等の貢献(社長表彰・本部長表彰の件数) | ―/ 毎年 |
347件 | 375件 |
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[新KPI] 内部監査実施率(対象はセキュリティ事業所) |
100%/ 毎年 |
― | 100% |
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*対象範囲はセコム(株)
脱炭素・循環型社会
KGI (目指す姿) |
KPI (KGIに向けた指標) |
目標値/ 年 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2023年度の主な取り組み (進捗状況など) |
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「カーボンゼロ2045」を達成する | ①温室効果ガス排出量の2018年度比削減率 | 45%/ 2030 |
11.1%※1 | 28.3% |
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②再生可能エネルギー導入率 | 100%/ 2045 |
13.4% | 28.8% |
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③電動車※2導入率 (特殊車両を除く) | 100%/ 2030 |
34.8% | 39.9% |
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④電気自動車・燃料電池自動車導入率 (二輪含む) | 100%/ 2045 |
29台※3 | 39台 |
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サーキュラーエコノミーを実現する | 容器包装における化石資源由来バージンプラスチック使用率※4 | 0%/ 2030 |
75.8% | 75.6% |
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容器包装における化石資源由来プラスチック使用率※4 | 0%/ 2045 |
75.8% | 75.7% |
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*①②の対象範囲はセコム(株)および連結子会社(海外含む)、③④はセコム(株)および国内連結子会社、その他はセコム(株)
- 海外の排出係数を見直し、再集計
- ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車
- 重複計上があり、再集計
- 市販品採用機器を除く
地域コミュニティとの共生
KGI (目指す姿) |
KPI (KGIに向けた指標) |
目標値/ 年 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2023年度の主な取り組み (進捗状況など) |
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地域の安全に貢献する企業として社会の信頼を得る | 「子ども安全教室 (教材)」の参加人数 | 10万人(年)/ 2027 |
22,515人 | 16,771人 |
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安全啓発ウェブサイト年間アクセス数 | 300万PV/ 2027※ |
285万PV | 252万PV |
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地元企業との共想(協業・協働・連携)件数 | 10件(年)/ 毎年 |
14件 | 10件 |
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AED講習会の参加人数 | 4万人(年)/ 2030 |
27,030人 | 27,825人 |
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*対象範囲はセコム(株)
- 集計方式の変更に伴い、目標値を再設定
マテリアリティとSDGsの17目標
サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に関する取り組みは、SDGsの目標達成につながるものです。
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お客様視点のサービス | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||||||||||
先端技術の活用と パートナーシップ |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||||||||||
社員の自己実現と ダイバーシティ |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||||||||
人権尊重と誠実な企業活動 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||||||||
脱炭素・循環型社会 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||||||
地域コミュニティとの共生 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
SDGs(持続可能な開発目標)
SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で、持続可能な社会に変革することを目指す、2030年までに達成すべき世界共通の目標のこと。2015年9月に国連サミットで採択された「世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核を成すものです。
「2030アジェンダ」の宣言35には、「持続可能な開発は、平和と安全なくしては実現できない。同時に、平和と安全は、持続可能な開発なくしては危機に瀕するだろう」と記され、SDGsの達成には安全が必要不可欠な要素であると謳っています。こうした人類の未来像に向けた大きな役割をセコムの存在意義として捉えた上で、SDGsの達成にも貢献していきます。
