地域コミュニティ活動
地域社会との協働・連携
雇用の創出や地域社会の発展に貢献することもセコムの使命と考え、国や自治体、企業、NGO/NPO等のパートナーと協働し、全国各地の警察・消防との連携を深めることで、社会課題の解決を図っています。
自治体との協働
渋谷区との協定
本社所在地の東京都渋谷区とは、防災をはじめとするさまざまな社会課題を一体となって解決する「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定」を2016年8月に締結しました。
防災に強い都市づくり、超高齢社会に向けた健康増進支援、多様性社会に向けた啓発活動など広範な分野で協力し合い、“渋谷で暮らす・働く・遊ぶ”など、関係するすべての方々にとって一層魅力的な区になるように地域とともに取り組んでいます。
【主な取り組み】
- 渋谷区、セブン-イレブン・ジャパンとAED設置に関する協定の締結
渋谷区およびシブヤ・ソーシャル・アクション・パートナーの一員である(株)セブン-イレブン・ジャパンと「コンビニエンスストアへの自動体外式除細動器(AED)設置による安全・安心なまちづくりの推進に係る協定」を締結しました。本協定に基づき、2020年4月に渋谷区内の67店舗のセブン-イレブンに「セコムAEDオンラインパッケージサービス」を導入し、店舗のスタッフの方々にAED講習会を実施しました。これにより、セブン-イレブンの店舗営業時間内であればいつでもAEDが使用でき、速やかな救命処置が可能になりました。
- 渋谷区、渋谷区私立幼稚園連合会とAED設置に関する協定の締結
渋谷区および渋谷区私立幼稚園連合会と「渋谷区私立幼稚園への自動体外式除細動器(AED)設置による安全・安心なまちづくりの推進に係る協定」を締結しました。この協定に基づき、2021年4月1日から渋谷区内の一部私立幼稚園に本協定に基づくAEDが設置されています。
- 渋谷区の防災イベントへの協力
渋谷区が主催する地域防災イベントに積極的に協力し、災害に強いまちづくりに貢献しています。代々木公園にて毎年9月開催の「渋谷防災フェス」に2016年から特別協賛。2021年度からは誰でも気軽に楽しく参加できる体験型の防災イベント「渋谷防災キャラバン」に参加し、幅広い層に防災意識を啓発することで地域の防災力向上を図っています。
杉並区との協働
セコムは、自治体等の各公的機関とも連携し、地域コミュニティの一員としての活動も積極的に行っています。
ご高齢の方に日常的な見守りや声かけを行う東京都杉並区の事業「地域のたすけあいネットワーク(地域の目)」には、杉並区に事務所を構える「セコム暮らしのパートナー久我山」が参画し、区より「あんしん協力機関」として正式に登録されています。事務所には「認知症サポーター」の認定を受けたスタッフが常駐し、地域の医療機関や企業と協働して、安心して暮らせるまちづくりに取り組んでいます。
2020年からは、杉並区社会福祉協議会が行う「車いす短期貸出事業」にも参画し、区内在住の方が短期間ご利用できる車いすを事務所に2台配備し、無料で貸出を行っています。簡単な手続きで貸出可能なことから、通院や外出などにお困りの幅広い世代の方に活用されています。
無料貸出の車いすを配備する「セコム暮らしのパートナー久我山」
鳥羽市との協働
セコムは2022年、三重県鳥羽市の医療連携チーム「TRIMet推進協議会」に参画し、国土交通省「令和4年度スマートアイランド推進実証調査」における、「ICT技術の活用による離島へき地の高齢者見守り」の実証調査を行いました。
本実証では、コミュニケーションサービス「あのね」による定期的な挨拶や日々の予定・服薬などのリマインドを実施。声かけを通して暮らしを見守り、必要に応じて、現地医師や支援員と情報を共有し、医療・介護サービスの適切な提供につなげています。
これまでは同居しているご家族以外にはできなかった昼夜を問わない声かけや見守りを「あのね」に用いるコミュニケーションロボット「BOCCO emo(ボッコ エモ)」を通じて行うことで、参加されたモニターの方々に「見守られている安心感」を感じていただくことができました。
2023年度からはスマートアイランド実証調査の枠を超えて、鳥羽市の高齢者見守り支援事業に採用され、多くの方々にご利用いただいています。見守り手不足を補うものとしても有効に作用していることから、同市とセコムでは、自治体のサービスとして本格実装できるよう検討を進めています。
「あのね」利用者へのヒアリングの様子
神奈川県との特殊詐欺の被害防止を目指した協働
セコムは、神奈川県が推進する「さがみロボット産業特区」事業における重点プロジェクトに採択され、2023年より「ロボットを活用した特殊詐欺対策」の実証実験を開始しました。本実証は、セコムの提供するコミュニケーションサービス「あのね」と東日本電信電話(株)(NTT東日本)が提供する「特殊詐欺対策サービス」を連携させ、超高齢社会の日本において大きな社会課題となっている特殊詐欺の被害防止を目指すプロジェクトです。コミュニケーションロボットを活用して特殊詐欺対策の声かけや注意喚起を日常的に実施することで高齢者の防犯意識向上につなげます。
高齢者を標的とした特殊詐欺の被害件数・被害額は依然として高い水準で推移しており、その手口も巧妙化しています。セコムは、神奈川県藤沢市ともモニターの募集やシニア向けイベントでの周知活動で協働するなど、今後も自治体との連携を図りながら特殊詐欺の被害防止に努めていきます。
企業・法人との協働
「安全・安心」な医療サービスの提供でインドにおける医療の質向上に貢献
セコム医療システム(株)と豊田通商(株)は、インドのベンガルールにおいて同地域で2つ目となる病院の建設を決定しました。新病院は2027年初頭の開院を予定しており、現地で増加する中間所得層の医療ニーズに応えるとともに、医療インフラ不足の改善に貢献します。
2014年3月に開業した「サクラ・ワールド・ホスピタル」(以下、サクラ病院)は、「日本式」総合病院として地域の医療品質向上に貢献してきました。新病院では、この運営経験を踏まえ、約450床を設けるほか、総合がんセンターや小児・周産期総合医療センター、高機能健診センターを新設し、診療機能を一層強化します。さらにデジタル医療や再生医療などの先進医療の環境を整備し、医師・看護師の教育・訓練機能も充実させます。また、建物デザインには緑化や自然光を取り入れ、来院者がより快適に過ごせる環境の提供を目指します。
なお、サクラ病院はサクラ・グリーンイニシアチブを定め、地球環境への負荷を低減する取り組みを積極的に推進しており、2024年3月末時点での再生可能エネルギー導入率は93.5%となっています。
今後も、医療インフラ不足の課題を抱える地域に暮らす方々のQOL(Quality of Life)向上に取り組み続けることで、変わらぬ安心をお届けしていきます。
新病院の完成イメージ
サクラ病院が推進するサクラ・グリーンイニシアチブのシンボル
社会医療法人 河北医療財団と在宅生活延伸モデルの構築を目指した協働
セコムは、2021年度より高齢者の在宅生活における課題を早期解決し、元気で長く自宅での自立生活を続けられる「在宅生活延伸モデル」の構築に向けて、医療介護分野で幅広く事業展開している東京都多摩市の社会医療法人河北医療財団(多摩事業部)と実証実験を行っています。
この実証実験では、セコムの「みまもりホン」や「ココセコム」「あのね」を活用した生活支援や徘徊行動の対策等を行うほか、地域イベントへの参加も行っています。
セコムは今後も医療介護分野の専門的な知見を製品やサービス等の設計にも取り入れることで、セキュリティ事業との連携による新たな価値創造や新サービスの創出に活かしていきます。
地域イベントでのモニター募集の様子
レジリエンス研究教育推進コンソーシアムへの参画
レジリエンス社会の構築を目指す「レジリエンス研究教育推進コンソーシアム」に、セコムは創設時から参画しています。このコンソーシアムは、企業・研究機関・大学の協働により2017年12月26日に発足し、産・官・学連携で研究・教育を行うものです。
近年の社会情勢の不安定化により、従来のリスクマネジメントの考え方・方法論では対応できない不測の事態が数多く発生し、リスクマネジメントを超える新たな概念が希求されるようになりました。そのような状況を背景として、「不測の事態や状況の変化に柔軟に対応し、求められる機能を維持提供し続け、回復する能力」であるレジリエンスが、リスクに代わる新たな概念として注目されています。
このコンソーシアムは、企業・研究機関・大学の壁を超えた新たな共同研究や、シンポジウムなどによる情報発信を行うほか、筑波大学大学院リスク・レジリエンス工学学位プログラムの運営母体となってアカデミックなグローバル人材の育成も目指しています。セコムは同プログラムでリスクやレジリエンスの基本的考え方を学ぶ「セキュリティ論考特論」(2024年度から「リスクと安心の科学哲学特論」に講義名称が変更)やサイバー空間を含む社会の安全や信頼を実現するための手法を学ぶ「サイバーレジリエンス演習」の講座を開講するとともに、協働大学院教員を配して学生を受け入れる体制を整えており、博士課程学生への研究指導も行っています。
台湾で開催されたリスク・レジリエンスセミナーにセコムIS研究所の研究員も参加
警察・消防との連携
全国初となる香川県警察との「地域の安全安心」に関する包括連携協定
セコムの四国本部は香川県警察本部と2024年6月、「地域の安全安心」に関する包括連携協定を締結しました。
セコムはこれまでも特殊詐欺や地域の見守りなど個別協定を締結し、地域コミュニティへの啓発活動を推進してきました。今回、都道府県警察と警備会社が分野を特定せず包括連携協定を締結するのは全国初の取り組みとなります。
これを機に、地域の「安全・安心」に貢献するための取り組みを一層強化していきます。
香川県警察本部での協定締結式
京都の街を火災から守るための京都市消防局との連携
セコムの近畿本部は京都市消防局と、歴史ある京都の街を火災から守ることを目的とした連携事業を行っています。2023年10月には、飲食店向けに厨房火災を防ぐための啓発チラシを作成し、防火意識の向上と自動消火装置の設置を積極的に促しました。
セコムが、「安全・安心」を社会に提供し続けるためには公的機関との連携が欠かせません。今後も、警察・消防との連携を強化し、地域に根ざした活動を進めていきます。
セコム近畿本部がある京都市には飲食店が多く立ち並ぶ
スポーツ支援活動
セコムはスポーツ競技への支援を通じて、競技の発展に寄与するとともに、「安全・安心」が確保されるようにセキュリティ面でも協力しています。箱根駅伝の運営支援など具体的な内容については、専用ウェブサイトにて情報発信しています。
スポーツサポートサイト「走り続けるSECOM」ラグビーチーム「狭山セコムラガッツ」
「狭山セコムラガッツ」は1985年に創部したセコムのシンボリックチームで、2024-25シーズンから日本最高峰リーグ「ジャパンラグビー リーグワン」のディビジョン3に新規参入することが決定しました。
チームの日本人選手たちは日々セコム社員として勤務しながら、リーグワンでの勝利を目指し、夕方や週末は埼玉県狭山市のホームグラウンドでラグビー選手として汗を流しています。
また、「狭山セコムラガッツ」はラグビークリニックや地域交流イベントへの参加、地域の清掃活動など、社会貢献活動にも力を入れています。
リーグワンでの勝利を目指す「狭山セコムラガッツ」
超高齢社会の課題解決に向けた取り組み
地域の“お困りごと”解決と新サービス創造
東京都杉並区にある「セコム暮らしのパートナー久我山」は、地域の皆様の“お困りごと”解決をお手伝いする相談窓口として、2015年4月に開設されました。
その対応実績は1万件を超え、一つひとつのお困りごとに耳を傾け、丁寧に寄り添うことで蓄積された経験や知見は“生の声”としてセコムの見守りサービスなどに活かされています。
この取り組みは、多くの企業からも着目され、遠くは海外から、これまで見学に来店された企業は500社にのぼります。高齢者ご本人と接点を持ちにくい企業にとって、サービス設計の段階で“生の声”に触れられることは、より良い商品やサービスの開発につながります。
セコムはこれからも、想いを共にする企業とともに社会課題解決に役立つ新サービスの創造、人生100年時代に向けた安全・安心な社会づくりを目指していきます。
地域の“お困りごと”解決をスタッフがお手伝い
一人暮らしの高齢者の暮らしを支える「あのね」
2023年4月、セコムは(株)ディー・エヌ・エーとともに、高齢者の日々の生活に「明るさ」「楽しさ」を提供する新しいコミュニケーションサービス「あのね」を開発し、販売開始しました。高齢化の進展に伴い、一人暮らしの高齢者の数は年々増え続けています。独居高齢者の会話不足による認知機能や身体機能の低下リスクが課題となる中、「あのね」はロボットを通じた人との会話が楽しめます。昨今普及しつつあるAI自動応答ロボットとは異なり、人による温かみを持ち合わせているため、まるで家族がそばにいるような安心感が得られます。
「あのね」に用いるコミュニケーションロボット「BOCCO emo(ボッコ エモ)」
「セコムみまもりホン」で“いつでも”“どこでも”見守る
「セコムみまもりホン」は、セコムへの救急通報と家族間などで安否確認ができる、高齢者や持病のある方に向けた見守りサービスです。「セコム・ホームセキュリティ」のご契約がなくても利用できるサービスで、2019年4月の発売以降、累計6,000件を超える貢献事例があります(2023年9月末現在)。2024年2月に発売開始した「セコムみまもりホン2」では、「セコムみまもりホン」で提供していた救急通報機能と安否確認機能をより便利に利用しやすく改善したことに加え、これまで培ってきたノウハウを元に、携帯電話の操作に不慣れな高齢者でも端末を「いつでも使える」状態に保てるようセコム独自の便利機能を搭載しました。端末のストラップを引っぱるだけでセコムに救急通報され、ご自宅はもちろん、外出先で急に具合が悪くなったときも、必要に応じてセコムが駆けつけます。設定した時間に安否確認ボタンを画面に表示し、ご利用者が操作をすると登録している連絡先へ結果を送信し、家族間などで安否確認をすることも可能です。
また、体調が優れないときや、健康について気になるときなどは画面のナースアイコンをタッチするだけで、セコムの看護師といつでも電話で健康相談ができるため、健康不安を抱える多くの高齢者にご利用いただいています。
セコム独自の便利機能が搭載された「セコムみまもりホン2」
サイバー犯罪防止への取り組み
警視庁と連携したサイバー犯罪共同対処
セコムトラストシステムズ(株)は、警視庁とサイバー犯罪の認知、被害防止などに関して相互協力を行う、共同対処協定を2013年6月に締結し、サイバー犯罪の被害実態の早期把握と、被害拡大防止に向け取り組んでいます。
サイバー犯罪は、高度化・複雑化し被害に遭っていることに気づきにくいことや、被害を認識しても専門知識や技術がないと被害実態の把握が難しく、警察への通報が困難で事件化できないため、犯罪防止の障害になっています。
セコムトラストシステムズでは、お客様のサイバー犯罪被害の有無を切り分けるとともに、被害の拡大防止や業務の早期復旧に向けた支援と、犯罪被害に遭わないためのセキュリティ対策強化の支援を24時間365日体制のサービスとして提供しています。
サイバー犯罪対策組織「日本サイバー犯罪対策センター」への参画
セコムは、サイバー空間の脅威に対処するための非営利団体、(一財)日本サイバー犯罪対策センターに参画しています。
日本サイバー犯罪対策センターは、産・官・学それぞれが持つサイバー空間の脅威への対処経験などを蓄積・共有するとともに、警察による捜査権限のより効果的な行使をはじめとする、脅威への先制的・包括的な対応を可能とした連携の枠組みです。
セコムは、同センターの設立以来、不正送金被害につながるマルウェア※の調査や詐欺サイト分析をはじめ、サイバー犯罪につながる手口の解明に貢献してきました。
- マルウェア・・・不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称
地域貢献事例
地域イベントでAEDを無償提供
人々が多く集まる地域イベントの「安全・安心」な運営のために、AEDの無償提供を行っています。実際にAEDを使用して人命救助に貢献した事例もあり、運営に携わった方からは万が一に備えることができたとの声をいただいています。2023年度、セコムは全国の地域イベントで243台のAEDを提供しました。
AEDを提供した地域イベント(2023年度)
年月 | イベント名 | 提供数 |
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2023年7月 | 京都祇園祭 | 26台 |
2023年7月 | 秩父宮ラグビー場ラグビー大会 | 6台 |
2023年8月 | 春木地車祭 | 12台 |
2023年8月 | わっかない平和マラソン | 17台 |
2023年10月 | 箱根駅伝予選会 | 14台 |
2023年10月 | 筑後川マラソン | 40台 |
2023年11月 | よこすかシーサイドマラソン | 10台 |
2023年12月 | 国宝松江城マラソン | 10台 |
2024年1月 | 箱根駅伝 | 45台 |
2024年1月 | 第29回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会 | 7台 |
2024年1月 | 畝傍山一円クロスカントリー大会 | 3台 |
2024年3月 | 鹿児島マラソン2024 | 53台 |
京都祇園祭の山鉾(やまほこ)に設置するAEDを提供
ラグビーを通じた社会貢献活動
セコムのラグビーチーム「狭山セコムラガッツ」は、ホームグラウンドがある埼玉県狭山市で、地域の方々にチームを知ってもらうことやラグビーの普及、ラグビーを通じた地域活性化を目的に、狭山市主催のイベントへの参加やタグラグビー教室・ラグビー体験の開催、地域の清掃活動など、地域住民の方々とのつながりを深めるさまざまな取り組みを行っています。
2023年度には、狭山警察署の一日警察署長を務め、地域住民の方々へ交通ルールの遵守ならびに特殊詐欺への注意を呼びかけました。今後も地域イベントへの参加やタグラグビー教室などの機会を積極的に増やし、地域交流の輪をさらに広げていきます。
狭山警察署の一日署長に就任した狭山セコムラガッツのキャプテン
子どもたちとのラグビー体験の様子