[子どもの性犯罪被害防止/強化月間]男の子を狙った性犯罪
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セコムの舟生です。
毎月ひとつのテーマをピックアップして安全対策を掘り下げる[強化月間シリーズ]。
7月は「子どもの性犯罪被害の防止」について取り上げています。
今回のテーマは「男の子を狙った性犯罪」。
子どもの性犯罪被害と聞くと女児だけだと思いがちですが、男児の性犯罪被害は決して少なくありません。
子どもの性犯罪被害では、警戒心がない子や無防備な子ほど狙われやすくなります。
「男の子も被害にあう」という現実と向き合って、どうしたら子どもを守れるか考える必要があるのです。
男の子を狙った性犯罪の傾向や、男の子を性犯罪から守るための対策を考えてみましょう。
<子どもの安全 強化月間「性犯罪被害防止編」バックナンバー>
・「わいせつ目的の犯罪の現状」
・「子どもに性犯罪の危険を教えるには?」
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▼ 男の子を狙った性犯罪とは?
男の子を狙った性犯罪は、体に触るなどの強制わいせつのほか、写真を撮られたり、盗撮されたりする被害も見受けられます。
実際に起きた犯罪をひもとくと、どのような場所で男の子が狙われるのか、どんな状況で犯行が行われるのかが見えてきます。
(1)商業施設での被害
・男子児童に対する強制わいせつの容疑で男を逮捕。商業施設の男子トイレにいた男児を押さえつけ、携帯電話のカメラで男児を動画撮影したうえ、わいせつ行為をした疑い。
・4歳男児への強制わいせつ等の容疑で20代男を逮捕。男児がひとりでトイレに入ったところを狙って侵入し、服を脱がせた疑い。「子どもの裸を見たかった。男でも女でもよかった」と供述。
・商業施設で、6歳男児が見知らぬ男に「お薬を塗る日だから、こっちに来て」と多目的トイレに連れ込まれ、服を脱がされて腹部に体液を塗りつけられた。トイレに行った父親をひとりで待っていたときに被害にあった模様。
不特定多数が出入りしている場所では、子どもを狙った不審者が紛れていることがあります。
トイレは特に注意が必要です。たとえ男の子でも、不特定多数が出入りする場所では、子どもだけでトイレに行かせないようにしましょう。
子どもを短時間でもひとりにしないよう注意してください。
(2)駐車場や集合住宅
・帰宅途中の7歳男児に「写真を撮らせて」とアパート敷地内に連れ込み、裸にして縛り付け、携帯電話で撮影した男を逮捕。「子どもへの性的興奮が抑えられなかった」「複数の子にわいせつ行為をした」と供述。
・小学生男児への強制わいせつの疑いで20代男を逮捕。マンションの踊り場で小6の男児を壁に押し付け、ズボンの上から下半身に触れ、唇を舐めるなどして逃走した疑い。
・小2男児へのわいせつ容疑で男を逮捕。駐車場で体に触るなどわいせつ行為をした疑い。周辺では数年前から6~9歳男児への同様の被害が確認されていた。
駐車場やマンションの敷地内など、ひと目につきにくい場所には注意が必要です。
ひとりでいるときに声をかけられ、言葉巧みに犯行場所へと連れ込まれることがあります。
男の子の場合、狙われている自覚が少ないために、声かけの段階で「危ないかもしれない」という警戒心が薄いのかもしれません。
「ひとりにならない」ことは、男の子にも意識してほしい防犯対策です。
子どもが興味を持っているゲームや物などがきっかけになる被害も起きています。
・ゲームセンターで知りあった小学男児や中学男子生徒を自宅に誘い、わいせつな行為をしたとして男2人を逮捕。「家に来れば最新ゲームで遊べる」といった声かけをしていた模様。
・12歳男児に対する強制わいせつと誘拐の容疑で70代男を逮捕。娯楽施設にいた男児に「コインを400枚あげる」と声をかけて車に連れ込み、わいせつ行為をした疑い。
どんなに優しそうでも、知らない相手の言うことを鵜呑みにするべきではありません。
▼ 男の子の性犯罪被害を回避するには?
男の子は性犯罪被害に対する自覚が少ないように思えてなりません。
「男の子も狙われる」という自覚を持たせることがとても重要です。
具体的にどんなことに気をつけたらいいか確認しましょう。
<チェック!「男の子を性犯罪から守る対策」>
□ 人通りの少ない道や、暗い道をひとりで歩かないよう教える
□ 駐車場や集合住宅の敷地内など、犯罪の多い場所を教える
□ 商業施設などでひとりで待たせたり、トイレに行かせたりしない
□ 大勢で遊んでいるときも、集団から離れてひとりにならないように言い聞かせる
□ 少しでも「変だな」「嫌だな」と思ったら、すぐに逃げるように指導する
▼ 無防備な男の子が狙われる!子どもの服装にも注意
実は性犯罪被害の防止策に男女で違いはありません。
女の子と男の子で違う点は、狙われているという自覚。
服装に無頓着だったり、人目を気にすることなく着替えてしまったりしていないでしょうか?
首周りや裾がだらしない服装や、露出が多い服装をさせないようにしてください。
家から送り出すときはお子さんの全身をチェックして、シャツがはみ出したままになっていないか、服が体のサイズに合っているかなどをきちんと見てあげましょう。
「プライベートゾーン」の説明は、男の子にもわかりやすいと思います。水着を着て隠れる場所は見せても触らせてもダメだと教えましょう。
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「男の子だから大丈夫」という思い込みは危険です。
保護者も本人も無防備になり、不審者に対してすきをつくってしまいます。
お子さんへの防犯指導や安全対策が十分かを、見直してみてくださいね!
<子どもの安全 強化月間バックナンバー>
「通学路の安全編」
・子どもを狙う不審者の「声かけ」5つのパターン
・通学時間に起きやすい交通事故
・登下校中に「助けを求められる場所」は?
・通学路の重要性と子どもの行動範囲について
「交通事故防止編」
・小学生の交通事故を防ぐ
・自宅敷地内でも発生!幼児の駐車場事故
・交差点の巻き込み事故を避ける
・自転車事故の共通点とは
「留守番編」
・「はじめての留守番」
・「保護者の留守を狙った犯罪」
・「留守番中の火災を防ぐには」
・「鍵の持たせ方」2016.07.21