[交通事故防止/強化月間]子どもの自転車事故が起きるのはこんなとき
-
セコムの舟生です。
5月の[強化月間シリーズ]は、「交通事故防止」がテーマ。
最終回となる今回は、中・高学年の児童に多い、自転車乗車中の事故を取り上げます
早く、遠くまで行ける自転車は、子どもにとって頼もしいパートナー。
しかし、送り出す親御さんはご心配も多いことでしょう。
子どもの自転車事故には、いくつかの共通点があります。
事故が起きやすいシチュエーションを知り、具体的に注意点を伝えることが自転車事故を防止するポイントです。
ぜひお子さんと一緒に読んでくださいね。
<子どもの安全 強化月間「通学路の安全編」バックナンバー>
・小学生の交通事故を防ぐ
・自宅敷地内でも発生!幼児の駐車場事故
・交差点の巻き込み事故を避ける
* * * * * * * * *
▼ 子どもの自転車事故に多い「出会い頭」の事故を防ぐには?
「子どもの安全NEWS」から、過去に発生した自転車事故を見てみると、交差点での出会い頭の事故が多いことがわかります。
・自転車の小3女児が乗用車にはねられ重体。市道交差点で出会い頭に衝突した(2016年3月)。
・自転車の小1女児がバスと接触し軽傷。西に向かって直進していた女児と、南に向かって直進していたバスが交差点で出会い頭に接触(2016年3月)
・自転車の小3男児がトラックにはねられ死亡。男児が公園に隣接する駐車場から出てきところで、右から走ってきた車両にぶつかった模様(2016年4月)
出会い頭の事故は、信号のない交差点で多く発生しています。
つい先日の5月18日には、埼玉県入間市や静岡県湖西市のいずれも信号のない交差点で、自転車の小3男児と軽自動車が出会い頭に衝突する事故が起きたばかりです。
交差点に限らず、住宅街の路地や施設敷地から道路に出るようなときに出会い頭の事故が起きる可能性があります。
安全を確かめてから進行することが、出会い頭の事故を防ぐ方法です。
信号があっても必ず一時停止し、住宅街の路地などでは、いつでも止まれるスピードで左右の安全を確かめながら走るよう教えてください。
自転車で走り慣れた道でも、道路環境はいつでも同じではありませんから、油断しないことが大事。お子さんの意識を高めるため、事故が起きそうな場所を親子で一緒に訪れ、具体的な安全確認の方法と安全な走り方を確認しましょう。
▼ 交差点では「巻き込み事故」にも注意
出会い頭の事故と並んで多いのが、右折車や左折車に自転車に乗った子どもが巻き込まれる事故です。
・自転車の小5女児が左折してきたコンクリートミキサー車にひかれて死亡。現場は信号機のある交差点で、事故当時の信号は青だった(2016年1月)。
・自転車の小4女児が乗用車にはねられ、意識不明の重体。現場は交差点の横断歩道。右折してきた乗用車が横断中の女児に衝突(2015年12月)
交差点では歩行者用の信号が青でも、右折や左折の車が進入してくることがあります。
トラックやバスなどの大型車両は死角が広いため、交差点で見かけたときは特に注意が必要です。
交差点を曲がってきた車は、歩道の手前などで歩行者や自転車で渡る人が途切れるのを待っています。必ず車の運転者と目を合わせ、完全に停止したことを確認してから渡るよう、繰り返し教えましょう。
▼ 安全に自転車に乗るために忘れてはいけないこと
自転車事故の多くは、走行時の一時停止・安全確認不足で発生するものですが、ほかにも自転車の整備不足や、子ども自身の不注意による事故もあります。
東京都の「ヒヤリハット調査」では、傘や荷物のひもが車輪に巻き付いたり、突然ブレーキが効かなくなって転倒したりする事故も報告されています。
間違った自転車の乗り方を正すこと、自転車を安全に保つことは、保護者の方の役割です。
危険なく自転車で移動できるよう、持ち物や服装にも目を配りましょう。
また、定期的にブレーキの効きや、がたつきなどをチェックしてください。
自転車のサイズが体にあっているか、握りやすい幅でブレーキが調整されているか、劣化して危険な箇所はないかなどもチェックのポイントです。
* * * * * * * * *
自転車での事故は、子どもが被害者になるだけではなく、歩行者と衝突して加害者になることも考えられます。
過去には、母親の監督責任が問われて高額請求が発生した事故もありました。
乗り慣れないうちは慎重だったお子さんも、だんだんと安全確認がおろそかになることがあります。「自転車の運転がうまくなったから、もう大丈夫だろう」と思わず、ときどきお子さんが自転車に乗っている姿をチェックして、ときには厳しく指導することも必要です。
<子どもの安全 強化月間バックナンバー>
「通学路の安全編」
・子どもを狙う不審者の「声かけ」5つのパターン
・通学時間に起きやすい交通事故
・登下校中に「助けを求められる場所」は?
・通学路の重要性と子どもの行動範囲について2016.05.26