家の中にある危険!幼児の不慮の事故はどう防ぐ?
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セコムの舟生です。
子どもは、考えるより先に体が動いてしまうようなところがあります。
特に幼児期は好奇心旺盛で、いろいろなことができるようになる時期なので、「目が離せない」と思うことが多いのではないでしょうか。
転んだり、ぶつかったりして軽いけがをするくらいなら、小さいころにはよくあることですし、避けられないこともあるかもしれません。
しかし、命にかかわる大きな事故は、絶対に避けなくてはなりません。
就学前の子どもの死亡事故は、家の中で多く発生しています。
よくある不慮の事故の原因をさぐり、危険を回避して子どもの命を守る方法を知っておきましょう。
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▼ 幼児の不慮の事故に多い「窒息」「転落」
昨年、消費者庁が過去の人口動態調査をまとめ、子どもの事故の傾向を分析した資料を発表しました。
0歳では、「窒息」が最も多く、1~2歳でも交通事故につぐ2位になっています。
また、3~4歳では「建物からの転落事故」が多く、約7割が住居内で発生しています。
事故が発生した状況はそれぞれ違いますが、保護者の方にとって「思いがけないこと」だったということは想像に難くありません。
子どもが予想できない動きをしたり、まだできないと思ったことが急にできるようになったりすることは、よくあることです。
家の中でも、お子さんの成長を予測した安全対策が必要だと言えるでしょう。
▼ 乳幼児の「窒息事故」はどんなときに起きる?
0歳児の事故に多い「窒息」は、就寝中に多く発生しています。
・顔がマットレスなどに埋まる
・掛け布団などが顔をおおったり、首に巻き付いたりする
・ベッドと壁の隙間などに挟まれる
といった原因による事故死が多く見られました。
最近起きた事故の例をあげると、今年9月に生後6カ月の男児が、ベッドガードとマットレスの間に挟まって死亡。8月にも同様の事故で0歳児が窒息死しています。
ベッドガードは、落下防止のためにベッドの側面に取り付けるものですが、マットレスがずれて隙間ができてしまうこともあり、「生後18カ月未満の子どもに使用しない」という安全基準が定められています。
乳幼児が使う製品は、使用説明書をよく読むことも大切ですね。
ガーゼやスタイ、ぬいぐるみなどが窒息の原因になることもありますので、寝かせているときは顔のまわりにものを置かない、紐状のものは外しておくといった安全対策も徹底しましょう。
1歳以上になると、食べ物やおもちゃの誤飲による窒息事故が多く起きています。
お子さんの口に入るサイズの製品は、手の届くところや床などに置かないようにしてください。
大人は低い位置にあるものを見落としてしまうことがあるので、お子さんの目の高さになって危険なものがないか見ることが大事。
また食べ物は、小さく切るのが基本です。
プチトマトやぶどう、あめ玉など、丸くて滑りやすいものは、ツルンと飲み込んでのどにつまってしまうことがあります。
食べているときはお子さんから目を離さないことも安全対策のひとつです。
▼ 目を離したわずかな時間が危ない「建物からの転落事故」
体が活発に動くようになると、高所からの転落事故が多くなります。
過去に起きた事故を見ると、マンションの高層階のベランダや出窓などで事故が発生しています。
事故発生状況に共通しているのは、保護者が不在、あるいは目を離していたこと。
ベランダの柵から下をのぞき込んで転落したと見られる事故のほか、窓のそばで遊んでいて誤って転落したケースも多くなっています。
こうした事故を防ぐには、転落のおそれがある場所にお子さんを近寄らせないことです。
「まだ鍵を開けられないから」「ここには登れないはず」といった油断から、安全対策をおこたっていないでしょうか。
家の中を見回して、以下のような対策を徹底しましょう。
・窓下やベランダの柵のそばには、足場になるものを置かない
・子どものそばを離れるときは、窓をしめて施錠する
・子どもの様子をこまめに見て、頻繁に声かけする
・ベランダや出窓など転落のおそれがある場所を遊び場にさせない
・幼児の留守番はなるべく控える
小さな子どもは、不安になると後追いをします。
外出した保護者を探してベランダをのぞき込み、転落してしまうという不幸な事故も過去にはありました。
乳幼児がいるご家庭では、「少し大げさかな」と思うくらい、安全対策を徹底することが重要だと思います。
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子育てにおおらかさは必要ですが、「これくらい大丈夫」で済ませてはいけない事柄もあります。
命にかかわることに関しては、"危険の芽"を事前に徹底的に排除することが大切です。
家の中を見回して、お子さんにとって危険になりうるものを厳しい目で探してみましょう。
保護者の方が安全意識を高めれば、防げる事故もあるのです。2017.10.19