家庭における突然死の予防法とは?発生状況・リスク要因・今すぐできる対策
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家族の突然死を防ぐには、どんな状況が突然死を引き起こしやすいか、突然心停止に陥った場合はどうしたらいいかの確認が必要です。突然死は、対策次第で防げる可能性があります。家庭で起きている突然死の発生状況や発生しやすい条件などを確認しておきましょう。ここでは、家族を守るために知っておきたい突然死の発生状況と、予防のために心がけたいことについて詳しくご紹介します。
突然死の発生状況
心臓病に起因する突然死のうち、約74%が自宅で発生しています。また、集合住宅では低階層よりも高階層の方が救急隊の到着までの時間が長いため、生存率が低くなるとの報告があります。救命の可能性を少しでも上げるために、同居している家族がAEDや胸骨圧迫による心肺蘇生を試みることが大切です。
突然死のリスク要因
突然死のリスクには、糖尿病や高血圧、高脂血症、喫煙などが関連しているといわれています。これらが動脈硬化を促すことで血栓ができやすい状態になり、心筋梗塞が誘発されます。また、心機能の低下や心不全などに加え、次の条件が重なると不整脈をきたし、突然死のリスクがさらに高まります。
水分不足
水分不足の状態では、血液が固まりやすくなることで血栓が発生しやすくなります。寝ているときは、多量の汗をかいたり生命維持のために水分が消費されたりして、身体が水分不足になりやすいとされています。そのため、寝る前や起床後にコップ1杯の水を飲み、血栓ができるリスクを抑えることが重要です。また、入浴中の発汗による温度の変化でも心臓に負担がかかるため突然死のリスクが高いといわれています。
ストレス
ストレスは、動脈硬化のリスクを高めたり、血管を収縮させることで血圧を急上昇させたりするため、突然死の引き金になるといわれています。ただし、ストレスの程度と心臓病のリスクの変化を立証づけるデータは存在しません。しかしながら、ストレスが突然死に関連することは多くの専門家が提唱しているため、突然死のリスクを下げたい場合には注目すべき要素と言えます。
ストレスを感じる場面は、仕事や家事、育児などさまざまです。また、寒暖差や高湿度、空気の乾燥、気圧の変化などでもストレスを感じます。
突然死の予防方法
突然死を必ず防げる方法は存在しません。しかし、突然死のリスク要因を取り除くことで、予防できる可能性が高まります。突然死のリスクを下げるための行動や日常生活で注意したいことについて詳しくご紹介します。
適切な治療を受ける
心機能の低下や心不全、治療が必要な不整脈がある場合は、医療機関で適切な治療を受けましょう。また、医師の指示に従って定期的に受診し、病気の早期発見・早期治療に努めることが重要です。動悸や息切れ、胸の痛み、めまい、失神、脈が飛ぶなどの症状がある場合は、できるだけ早く循環器内科を受診しましょう。
規則正しい生活
睡眠や食事、運動を次のように見直しましょう。
睡眠
1日に必要な睡眠時間には個人差があります。朝、起きたときに心身ともにリフレッシュできていれば、睡眠時間が足りていると言えるでしょう。また、睡眠の質にも注目が必要です。寝る直前の入浴やスマホ操作などは、寝つきが悪くなるため避けた方がよいでしょう。また、部屋の室温や湿度、寝具の触り心地など、細かいところまで見直すことが大切です。
食事
食事は、1日3食規則正しくとりましょう。また、主食と主菜、副菜をそろえて、1日30品目以上を食べることを目標にしてください。塩分は摂りすぎないように注意し、栄養バランスが優れた食生活を心がけることが大切です。
運動
適度な運動には、血流を促したりストレスを解消したりと、突然死のリスクを下げる効果が期待できます。ただし、心疾患のある方が激しい運動をすることは突然死の引き金になるともいわれているため、医師の指示に従いながら無理せずマイペースに取り入れることが大切です。ウォーキングやジョギング、水泳など、継続しやすい有酸素運動を選びましょう。定期的に長く続けることが有効です。
ストレスをこまめに解消する
ストレスは、こまめに解消することが大切です。ヨガやラジオ体操などの軽い運動、良質な睡眠などはストレス解消に役立ちます。また、川のせせらぎや風の音などは、心身をリラックスさせる効果があります。規則正しい生活を続けながら自分に合ったストレス解消法を実践しましょう。
ヒートショックの対策をする
ヒートショックとは、住環境における急激な温度の変化によって血圧や脈拍が上下する現象のことです。急激な血圧の変化により、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性があるため注意が必要です。例えば、温かいリビングから寒い浴室に移動したときは、血管が収縮することで血圧が上昇します。反対に、寒いトイレから温かいリビングに入ると、血管が拡張して血圧が降下します。高齢者の場合は、特に血圧が乱高下しやすいため日常生活での温度変化を避けるような工夫が必要です。
ヒートショックを予防するために、次のように対策しましょう。
- 熱いお湯への入浴を避ける
- 長湯を避ける
- 心臓病や高血圧がある場合は半身浴をする(肩が冷えないようにお湯で温めたタオルをかける)
- 脱衣所やトイレには暖房器具を設置する
- 浴室の床にマットやすのこを敷く
- 浴室に入る前に温かいシャワーを出して浴室内を温めておく
- 暖房便座を設置する
突然死から家族を守るためにAEDの設置が重要
突然死のリスクを下げるために、家庭にもAEDの設置することを検討してはいかがでしょうか。心停止状態に陥った家族にAEDを使用する意義について詳しくご紹介します。
AEDの使用による救命率の変化
家族が心停止になったときにできることは、119番通報と胸骨圧迫、AEDによる電気ショックの3つです。実は、119番通報をして救急車の到着を待つだけでは、9.0%しか救命できないとの報告があります。それでは、胸骨圧迫やAEDを使うと、どこまで救命率が上がるのでしょうか。
胸骨圧迫を行うことで救命率が約2倍になり、AEDを使うことで50%以上もの人を救えるといわれています。ただし、心停止を発見した家族がすぐに胸骨圧迫やAEDによる電気ショックを行わなければ、十分な効果が期待できません。
そのため、家庭にAEDに設置することと、胸骨圧迫の正しい方法を覚えておくことが大切です。
セコムならAED利用から健康相談までトータルサポート
AEDを正しく使うには、使用方法をあらかじめ確認しておく必要があります。セコムが提供する「セコム・MyAED」には簡易講習キットが付属しているため、家庭でもAEDの使用を練習できます。また、セコムがオンラインでAEDの状態を管理するため、ご自身で点検する必要がありません。
さらに、24時間いつでも健康や医療に関することを看護師に無料で相談できます。家族が体調不良を訴えたときに、医療機関を受診すべきかどうか、救急車を呼ぶべきかどうかなどのアドバイスを得られます。
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突然死から家族を守るには健康管理と救命処置が重要
突然死のリスクを下げるには、規則正しい生活やストレスケア、ヒートショック対策などが有効とされています。また、家族が心停止状態に陥ったときは、119番通報をしたうえで、胸骨圧迫やAEDによる電気ショックを行うことで、救命率を高めることが可能です。家族を守るためにも、AEDの使用方法や胸骨圧迫の方法などを確認しておきましょう。
この記事の監修者
宿理 紗彩
(しゅくり さあや)
専門は循環器内科、一般内科。秋田大学医学部卒業。福岡中央病院 循環器内科、女医+(じょいぷらす)所属。
心臓カテーテル治療から在宅医療、産業医、睡眠時無呼吸症候群外来など様々な医療に携わっている。
10代での不整脈による突然死、30代~90代の心筋梗塞患者を担当した経験から、心疾患の予防や早期発見の大切さを啓蒙している。
2021.3.3公開
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