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AEDの耐用年数や消耗品の使用期限は?命を守るために理解を深めよう!

AEDは定期的な点検が必要な医療機器

AEDは医療機関だけでなく公共交通機関や学校、企業などでも設置され、よく目にするようになりました。

AEDは、自動体外式除細動器と言います。ポンプ機能として全身に血液を送る働きをしている心臓が何らかの原因で心室細動という不整脈をきたし、ポンプ機能が失われている状態に対して電気ショックを与え、正常なリズムに戻すために使われる医療機器です。

医療機器の中でも、AEDは医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律で「高度管理医療機器」及び「特定保守管理医療機器」と定義されています。このうち、「特定保守管理医療機器」は販売会社が定めた耐用期間に従って、定期的な保守点検・管理をしなければならないと定められています。そのため耐用期間を過ぎたAEDは、速やかに更新をしなければいけません。

AEDについては、こちらで詳しく解説しています。また、AEDの設置場所についてはこちらの記事をご覧ください。

AEDの耐用年数と法定耐用年数を確認

AEDを定期的に点検する上で「耐用年数」「法定耐用年数」などの似た用語があり、混同してしまうことがあります。しかし、これらはそれぞれ定める期間が異なるため注意が必要です。それぞれを説明します。

耐用年数

耐用年数は、正しくは「耐用期間」と言い、以下のように定義されています。

“医療機器が適正な使用環境と維持管理の基に、適切な取り扱いで本来の用途に使用された場合、その医療機器が設計仕様書に記された機能及び性能を維持し、使用することができる標準的な使用期限を医療機器の「耐用期間」”

(出典:一般社団法人電子情報技術産業協会『「耐用期間」を過ぎたAEDの速やかな更新のお願い』

AED本体の耐用年数は製造販売者が使用環境や使用回数などを考慮し、設定しています。AED本体の耐用年数は6~8年です。耐用年数を過ぎた場合には、必ず更新が必要です。添付文書や取扱説明書に記載されており各メーカーのホームページでも確認することができます。購入後は必ず確認しておきましょう。

法定耐用年数

法定耐用年数とは税法で規定される耐用年数、減価償却の期間を言います。そのため実際のAEDの使用期間とは関係ありません。経理や会計などに携わる方は覚えておくと良いですが、経理等に関わらない方であれば、覚えておく必要はないでしょう。AEDの法定耐用年数は4年となっています。

このように耐用年数と法定耐用年数は違うものです。不具合がないにも関わらず使用期間を満たさずに交換することのないように注意しましょう。

AEDの耐用年数と保証期間との違いは?

耐用年数、法定耐用年数のほかに「保証期間」も間違いやすい言葉でしょう。

保証期間とはその名の通り、顧客が購入した商品の機能をメーカーが無償で修理や交換対応などの保証を行う期間のことです。多くのAEDは保証期間も耐用年数と同じくメーカーが機種ごとに設定しています。

保証期間は各メーカーによって異なりますので、問い合わせるなどして事前に確認しましょう。

AEDの日常点検の方法

万が一の際にAEDを問題なく使用するためには、日常点検を行うことが大切です。日常点検とは、機器の使用前後・使用中に、問題がないかの確認を毎日行うことを指します。AEDの日常点検では、インジケーター(ランプや画面)の確認と消耗品を交換しましょう。それぞれを説明します。

点検ランプやインジケーターの確認

AEDには、正常に動いているかの状態を確認できるインジケーターが備わっています。

インジケーターとは、AEDの状態を確認するためのランプや表示のことで、メーカーごとに仕様が異なるため、お使いの機器を確認してください。日常点検をするときは目視でインジケーターの表示を確認します。AEDは毎日自動で行うセルフチェックの機能があります。チェック項目に従って、その内容を記録しておきましょう。アラームなどの異常がある場合はメーカーに問い合わせを行い、インジケーターにどのような表示があるかを説明してください。

消耗品の交換

AEDに付属している電極パッドやバッテリーには使用期限や寿命があります。これらの消耗品は定期的に交換が必要になります。また、交換時期がわかるよう表示ラベルが付属されていますので、表示ラベルに従って、使用期限がきたら交換するようにしてください。
(出典:厚生労働省『AEDを点検しましょう!』

AED点検で注意したいこと

AEDを点検する際には、日常点検のほかに、以下の点にも注意してください。特に、廃棄や譲渡時は製造元やメーカーに忘れずに連絡しましょう。それぞれのケースについて説明します。

継続的な点検が大事

AEDは日常的に使用するものではありませんが、いざという時に問題なく使用できるように定期的な点検を行うことが大切です。記録を付けて忘れずに点検するようにしましょう。

特に点検者が変わったり、日ごとに点検する人が違ったりする場合には注意が必要です。万が一のときに備えて定期的にメンテナンスを行い、いつでも使えるようにしておきましょう。

販売元のサービスを活用

日常点検が難しい場合や、つい点検を忘れてしまうなど継続した点検が難しい場合は、製造元やメーカーが提供しているサポートサービスの活用を検討しましょう。製造・販売会社などと契約して、AEDの管理自体を委託することもできます。

提供されているサポートサービスは各メーカーで異なるため、問い合わせの上で内容を確認しましょう。

セコムのAEDサービス

製造・販売会社からの郵便物などに注意する

電極パッドやバッテリーなどの消耗品の使用期限が近づくと、製造元やメーカーから交換のお知らせや、電極パッドやバッテリーそのものが送られてくることもあります。

日頃からはがきやメールのお知らせに注意し、交換時期がわかるよう表示ラベルを確認しましょう。また交換用の部品が届いたら、速やかに交換してください。

廃棄や譲渡するときは販売元に連絡を

AEDは高度管理医療機器、特定保守管理医療機器として、製造元やメーカーが設置場所を登録・管理しなければいけません。そのため、設置しているAEDを廃棄や譲渡をする際は、必ず、製造元やメーカーに連絡してください。また引っ越しの際も同様です。引っ越しにより住所が変更すると消耗品を定期送付することができなくなります。引っ越しの際には住所、連絡先などを忘れずに連絡しましょう。

まとめ

AEDは導入して終わりではなく、日常点検や定期点検などの継続した点検が必要な医療機器です。各メーカーで耐用年数や保証期間が異なるため、しっかりと確認しておきましょう。毎日の点検・管理が難しい場合にはサポートサービスを活用することもできます。点検者が変わる、日常点検に割く時間がないなどの場合は、サービスを利用して、万が一のときに備えておきましょう。

耐用年数や点検の仕方を踏まえたうえでAEDやサービスの導入を検討してはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

写真:宿理 紗彩

宿理 紗彩
(しゅくり さあや)

専門は循環器内科、一般内科。秋田大学医学部卒業。福岡中央病院 循環器内科、女医+(じょいぷらす)所属。
心臓カテーテル治療から在宅医療、産業医、睡眠時無呼吸症候群外来など様々な医療に携わっている。
10代での不整脈による突然死、30代~90代の心筋梗塞患者を担当した経験から、心疾患の予防や早期発見の大切さを啓蒙している。

2021.1.13公開

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