【特集/夏休みの防犯[4]】安全マップの作成で子どもの危険回避能力を養成しよう
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セコムの舟生です。
毎日暑いですね。
熱中症にはお気をつけください。こまめな水分補給を忘れずに。
お子さんは夏休みを楽しんでいますか?たくさん遊んで、たくさん刺激を受けて、心に残る夏になるといいですね!遊びも忙しい(?)とは思いますが、親としては宿題の進み具合も気になるところ。
そこで【特集/夏休みの防犯】の4回目となる今回は、自由研究にもおすすめの「安全マップ」の作り方を取り上げてみたいと思います。安全マップは、注意が必要な場所や危険な場所、安全な場所を地図に書き込み、注意を喚起するための防犯アイテムです。
親子で話し合いながら、コミュニケーションを楽しみつつ、防犯意識を高めていきましょう。
夏休みの宿題にも活かせれば、一石二鳥ですね(^^)/* * * * * * * * *
▼ 「安全マップ」の作成は有効な防犯対策のひとつ
安全マップの作成を防犯教育の一環として、授業で取り入れる学校も増えていますね。
大切なのは、子どもの目線でオリジナルのマップをつくることです。自分の足で歩き、自分の目で確かめた"日常の中にある危険"は、子どもの記憶に深く刻まれ、「どうしたら危険を避けられるか」という方向に意識が働くようになります。危険回避能力は、子どもが成長するうえで非常に重要なスキルです。
「前にもつくったことがあるから...」というお子さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、それを更新することにも意義があります。季節による違い、時間帯による違い、街の中で変わったことなどに注目してみてください。
以前と比べてちょっとした"変化"に敏感になることは、危険回避能力の養成に大きな効果があります。お子さんの行動エリアの現状を知るためにも、ぜひ保護者の方にも地域安全マップづくりを楽しんでいただきたいと思います。
▼ 「安全マップ」は事前準備とフィールドワークが肝心!
安全マップをつくるうえで欠かせないのが、事前準備とフィールドワーク。出かける前に、「危険な場所」と「安全な場所」がそれぞれどんなところか、確認しておきましょう。
危険な場所とは、不特定多数の人が出入りし、他人の行動にあまり関心がもたれないところや、人の目が行き届かないところ、障害物などで死角ができやすい場所などです。対照的に安全な場所とは、人の目が行き届き、きちんと管理されているところ、助けてくれる人がいるところになります。危険な場所・安全な場所を具体的にあげ、お子さんの理解を促してあげてください。
● 危険な場所
・ 人通りが少なく、見通しの悪い通り
・ 人けがない空き地や駐車場
・ 昼と夜で雰囲気が一変する場所(飲み屋の多い繁華街など)
・ 空き家や空きビル
・ 工事現場
・ ゴミや落書きが放置されている場所
・ 違法駐車や放置自転車がある場所
・ 高い塀や建物に囲まれた場所
・ 樹木が多く、外から見渡せない公園 など● 安全な場所
・ きちんと管理された公共の場所
・ 夜でも明るく、助けてくれる大人がいるお店(コンビニ、ファミレスなど)
・ 交番やこども110番の家 など
危険な場所・安全な場所がイメージできたら、フィールドワークに出かけましょう。
歩く範囲の地図を準備してください。市販の地図、インターネットからのプリントアウトでもOKです。エリアを広げすぎると注意が散漫になってしまいますので、よく行く場所、通学路といった実際の行動範囲に絞り込むことがポイントです。あとは、筆記用具、カメラを用意したらいよいよ出発!
暑い時期ですから、帽子や飲み物の準備もお忘れなく。地図のエリアを歩きながら、「危険な場所」がどこにあるか、お子さんと一緒に丁寧に見て歩きましょう。大切なのは、保護者が"教える"のではなく、子ども自身が"気付く"こと。
気になるところは写真を撮り、準備した地図に気付いたことを具体的にメモしておきます。周辺のお宅やお店などにインタビューしてみるのもいいですね。保護者の方は、お子さんが写真を撮ったり話を聞いたりするうえでトラブルが生じないよう、さりげなくサポートしてあげてくださいね。
防犯面での「危険な場所」に加え、「歩道にガードレールがない道路」や「信号のない交差路」、「車の往来が多い路地」など、交通安全の面からも危険な場所をチェックしましょう。
また、危険な場所以外にも、いざというとき駆け込める場所として、「子ども110番の家」やコンビニや飲食店など、安全な場所もピックアップしておくことも大切です。危険な場所と安全な場所の両方を理解することで、お子さんの危険回避能力はいちだんと高まります。
▼ 「地域安全マップ」づくりは楽しんで!
家に帰ったら、歩いたエリアの地図を紙に手書きしましょう。なるべく大きな紙、できれば大判の模造紙のほうがいいと思います。そこに、集めた情報を書き込んでいきます。ポイントは、自分自身で考え、感じたことをコメントとして書き込むようにすること。撮影した写真を地図に貼り付けるとよりわかりやすくなります。
木や車が多い場所はイラストを書き込んだり、カラフルにペンで色分けしたりして、楽しみながらつくってみてくださいね。
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せっかく親子で街歩きをするのですから、新学期からの安全のために通学路をよく見ておくことも大切です。
夏の間に樹木が伸びて見通しが悪くなっている場所や、あらたに工事が始まったり終わったりした場所、新しくできたお店や人の流れが変わった場所などはありませんか?
お子さんの自由研究をきっかけに、保護者の方もあらためて子どもが遊ぶ環境や安全性を確認してみてください。
【特集/夏休みの防犯】テーマ一覧
・ 子どもに鍵を持たせるときの注意点
・ 子どもだけでの遠出の注意点
・ レジャースポットに潜む危険2012.08.09