【臨時増刊号/熱中症対策】水分補給は”量”より”頻度”
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セコムの舟生です。
梅雨明けとともに、本格的な夏が到来。気温の上昇にともない熱中症が急増しています。
総務省消防庁によれば、今月9日から15日までに熱中症と見られる症状で病院に運ばれたのは、全国で2,483人。その前週(2~8日)の979人と比べて約2.5倍に跳ねあがっています。子どもの熱中症は重症化しやすく、本人が不調に気付かないこともあり、症状を悪化させてしまうことがあります。猛暑日が増えるこれからの時期、保護者やまわりにいる大人がいっそうの注意を払う必要があると思います。お子さんの元気がない、食欲がない、おしっこが出ない・色が濃いなどの時は、特に注意が必要です。
熱中症予防の第一にあげられるのが水分補給。
一度にたくさんの水分を補給するより、こまめに定期的に水分を摂る習慣をつけましょう。水分補給のポイントは、「汗をかいていなくても飲む」「のどが渇いていなくても飲む」「頻繁に飲む」ことです。
汗をかかなくても身体から水分は蒸発していきます。活動量に関係なく、水分補給を忘れずに。人間は、脱水症状になると逆にのどの渇きを感じにくくなるようです。「飲みたくない」と思うときこそ、飲むタイミングなのかもしれませんね。熱中症予防のためにはたくさんの水分を一度に摂る必要はありません。こまめに、定期的に、何回も飲む習慣をつけましょう。
水分と一緒に摂りたいのが塩分。スポーツドリンクや塩分の含まれたキャンディーなど、さまざまなものが売られていますので、工夫して取り入れてみてはいかがでしょうか。
水分補給以外にも、いろいろと注意すべきことがあります。
あらためて熱中症対策をご紹介しますので、ご覧ください。* * * * * *
▼ 暑い盛りは遊び方にも工夫。保護者が配慮を
暑さを避けることも熱中症予防のポイント。大人と比べ、子どもは身長が低くアスファルトの照り返しを受けやすいので、外に出るときには帽子をかぶったり日陰を選んで歩くようにさせ、炎天下で遊ばせるのはなるべく控えたほうがよいでしょう。とはいえ、子どもは元気いっぱい。遊びたいエネルギーであふれていると思いますので、遊ぶ環境に配慮してあげてください。たとえ室内でも、熱中症予防を意識して過ごしましょう。
<屋外>
・つばの広い帽子をかぶったり、首回りや背中、脇を冷やす保冷グッズを使う
・日陰で風通しのいい場所で遊ばせる
・打ち水、水まきなどで周辺の気温を下げる
・気温の高い時間を避け、朝や夕方に遊ばせる
・汗をかいたらこまめに拭き、着替えさせる<室内>
・温度計で室温を確認するようにする
・カーテン、すだれなどで直射日光が入らないようにする
・エアコンを利用しないときは、扇風機を使って風がよく通るようにして温度を下げる
・こまめにシャワーや水浴びをして汗を流す
▼ 体のメカニズムを知り、体を冷ます
人間は汗を蒸発させることで体温を下げています。汗をかいたまま衣服が体に張り付いているような状態が続くと、汗の蒸発を妨げ体温が下がらず、熱中症を引き起こすことがあります。また、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなりますので注意が必要です。通り雨などで急に湿度が高くなったときなどは要注意です。
衣類は、通気性に優れ、汗をよく吸って、すぐに乾くものが理想です。最近は吸汗性・速乾性に優れた素材の衣類がありますから、そういったものを身につけさせるのもいいと思います。
体にぴったりした服や、熱を吸収しやすい黒色系の服は避けたほうがいいでしょう。首まわりがきついTシャツやボタンを上までしめたポロシャツなどは、上半身の熱気や汗がこもりやすくなるので、襟元はゆったりとして通気のいいものを着せるといいと思います。
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手足のしびれや呼吸の乱れ、汗が出ていない、体が熱いなどの症状が表れたときは、熱中症を疑い、適切な処置をおこないましょう。自力で水分補給ができない、意識がもうろうとしているなどのときは、一刻を争う場合があるのですぐに医療機関を受診しましょう。
危険だと感じたときはすぐに救急車を呼ぶ判断も必要です。救急車を呼ぶかどうか判断に迷う場合は救急相談電話を利用してください。東京都では「#7119」で東京消防庁救急相談センター(24時間対応、年中無休)につながります。また全国を対象とした小児救急電話相談「#8000」もあります。こちらは各地で実施時間帯等が異なりますので、お住まいの地域の実施状況について確認しておいてください。2012.07.23