2020年の子どもの安全・防犯について振り返る
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セコムの舟生です。
2020年も年末が近づいています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オンライン学習が普及したり、マスク着用が当たり前になったりと、生活にさまざまな変化が起こった一年でした。
社会の変化にあわせ、子どもたちを取り巻く生活環境も変わってきています。
子どもが巻き込まれた事件にも、コロナ禍が影響したと考えられる事件がありました。
新しい生活様式のなかで、子どもたちが安全に過ごすためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
子どもの防犯に携わる専門家としての視点で今年の犯罪傾向を振り返り、今後の子どもの安全対策に役立てていただきたい防犯ポイントをまとめます。
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▼コロナ禍で留守番中の子どもを狙った事件が頻発
全国的に休校措置が続いた3月~5月にかけて、子どもだけでの留守番を狙ったと思われる不審な訪問が相次ぎました。
不審な人物が留守番中の子どもに家族の所在を尋ねたり、庭をうろついたりしていた事案が報告されているほか、子どもが空き巣狙いと鉢合わせる事件も発生しています。
新型コロナウイルスの感染が拡大する以前から、夏休みなどの長期の休み期間中には、電気やガス、宅配などの事業者を装った不審な訪問者による事件がたびたびありました。
再び感染が拡大している現在、また学校が臨時休校になることも考えられます。
留守番中の子どもを狙う手口が、時期を問わず増えていく可能性も否定できません。
「日中は子どもだけで留守番させている」というご家庭では、よりいっそうの注意が必要です。
子どもには、「誰が来ても」「どんなことを言われても」絶対に玄関ドアを開けないように伝えてください。宅配便や回覧板などの受け取りも、子どもには対応させないほうが安心です。
水漏れなど急を装う手口もありますので、判断に迷ったときは、ドアを開けるのではなく、すぐに保護者に連絡することを約束させましょう。
保護者自身が事業者に確認し、子どもには対応させないことが大切です。
また、人がいない部屋の窓から侵入する「居空き」という窃盗侵入の手口もあります。
家中の窓の防犯対策を強化し、留守番をさせる際は施錠を徹底するようにしてください。
保護者の方がお出かけ前に、戸締りをしっかり確認するようにしましょう。
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▼マスクで顔が見えない!?登下校、外遊びでは「知らない人」に注意
休校措置から学校が再開されてからは、子どもへの不審な声かけや、つきまといなどの不審者情報が増えました。
不審者の手口はさまざまですが、子どもが多く行き交う通学路は狙われやすいポイントです。
また、外遊び中の子どもに「コロナの検査をさせてほしい」と近づこうとする不審者も報告されています。
コロナ禍の不安に乗じた悪質な手口にだまされないよう、子どもには「知らない人」への対応を徹底させてください。
登下校、外遊び中は、なるべくひとりになることを避け、知らない人から声をかけられてもついていかないことを約束させましょう。
マスクの着用が当たり前になった今、顔を隠して子どもに近づくことも容易です。
声をかけてきた相手が「知っている人か、知らない人か」瞬時の判断に迷うこともあると思います。
判断に迷った場合や、なんとなく怖い、危ないかもしれないと感じたときは、ためらわずその場を離れること。「間違っていてもいいから、怖いと思ったら逃げなさい。間違っていたらあとでお母さん(お父さん)が謝っておくから大丈夫」と教えておくと、子どもも自信を持って行動できると思います。
さらに、マスクをすると声がこもりやすいので、子どもが助けを求める声が届くかどうかも気がかりです。
防犯ブザーを必ず着用させる、助けてくれる大人がいる場所(交番、子ども110番の家、店舗など)を把握させておくなど、できる限り子どもの安全性を高められるよう、防犯対策を見直してみましょう。
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▼インターネット利用時間が増加!トラブルを防ぐには?
オンライン授業が行われたり、インターネットの学習コンテンツが活用されたりと、勉強方法も大きく変わりました。インターネットツールの普及が一気に進んだ結果、子どもたちの学習環境が変化しただけではなく、学習以外でもインターネット利用時間が増加傾向にあると報じられています。
休校措置の期間中、友達とのコミュニケーションにSNSを利用したり、動画やゲームを楽しんだりする機会が増えたお子さんも多かったのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、新しいオンラインサービスが次々と登場しました。
この流れを、もはや元に戻すことは難しいと言えます。
インターネットトラブルを回避するためには、利便性や楽しさだけにおぼれないようにしなければなりません。
インターネット上には、事実だけではなく虚構もあり、子どもをだまそうとする人もいます。自ら発信したことが誤解されたり、悪意を持って受け止められたりすることも少なくありません。
正しく、安全に利用できるようになるまでは、子どものインターネット上の行動をしっかり監視してください。
利用するコンテンツの規約を理解することから、友達とのやりとりの内容に至るまで、保護者の方が確認しながら慎重に経験を積ませることが重要です。
便利な使い方や楽しみ方を広げるより、インターネットを適切に使いこなす力を養うことを優先しましょう。
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さまざまな変化とともにあった2020年。
私たちの生活も新しい常識・価値観にあわせて変わらざるを得ませんが、「わが子を守りたい」と願う親の気持ちは何があっても変わりません。
「子どもの安全ブログ」は、保護者の気持ちに寄り添って、子どもの安全や防犯のために必要な情報を発信し続けます。
来年もご愛読のほど、よろしくお願いいたします!2020.12.17