スマホは何年生から?持たせる前に知っておくべきリスクと対策
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セコムの舟生です。
コロナ禍のなか迎えた年末年始。
初詣や帰省を控えたご家庭も多いことでしょう。
終息の気配は見えませんが、手洗いやマスク着用など、一人ひとりが感染対策を徹底することが感染拡大防止につながります。
引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一緒にがんばりましょう!
さて、そろそろ子どもたちの進級が見えてきます。
進級のタイミングでスマートフォンを持たせるかどうか検討するご家庭も多いのではないでしょうか。
しかし、スマートフォンをめぐるトラブルや事件も繰り返し報じられており、持たせていいものか迷っている保護者も少なくないはずです。
そこで今回のテーマは、小学生のスマホデビュー。
子どもに持たせるタイミング、持たせる前に考えておくべきことなど、スマホデビュー前に保護者の方に知っておいていただきたいことをまとめます。
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▼ スマホデビューは何年生から?
スマートフォンを持たせる年齢や学年に、明確なラインを引くことはできません。
端末の使い方だけなら幼児でも覚えられますが、適切に扱うには、知識や自制心などの成長が求められます。
ですから、「〇年生になったらスマートフォンを買う」という約束はしないほうがいいでしょう。
何かのご褒美に買い与えることもおすすめしません。
スマートフォンの利用には、いろいろなリスクがあることを、本人も保護者もよく理解したうえで、「今のこの子なら大丈夫!」と思えるタイミングでスマートフォンを持たせるようにしてください。
では、どうしたら子どもの「スマホ適性」を見極められるでしょうか。
スマートフォンの利用能力や安全スキルを見極める際のポイントを考えてみます。
お子さんにこのような傾向はありませんか。
□ テレビやマンガなどの娯楽にのめり込みやすく、なかなかやめられない
□ 友達のうわさ話やメディア情報を鵜呑みにしてしまうことがある
□ 片付けや宿題など、身の回りのことを自主的におこなうのが苦手
□ 親の言いつけや家庭のルールを守れないことがある
□ 好奇心が強く、思い切った行動を取ることがある
どんなお子さんでもいくつか当てはまるところがあるでしょう。
しかし、特に傾向が強い、どれも当てはまるという場合は、まだ早いのかもしれません。
スマートフォンを持たせるなら、ルールをきちんと決め、保護者による管理・監督は必須。
ただ使い方を制限するだけではなく、スマートフォンやインターネットの利用能力を高めていけるよう、親御さんが積極的に関わっていくことが必要です。
▼ 小学生のスマートフォン所持、よくあるトラブルは?
「デジタルネイティブ」と呼ばれる今の子どもたちにとって、スマートフォンはなじみ深いツールです。幼い頃から親の端末でゲームや動画視聴を楽しんできたお子さんも多いはず。
しかし、スマートフォンはパソコンと同等またはそれ以上に高機能なモバイル端末なので、「自分のスマホ」として自由に使わせるとトラブルに発展する可能性が高いと言えます。
小学生の子どもが巻き込まれやすい「スマホトラブル」をいくつかあげてみましょう。
● スマホ依存
ネットゲームがやめられない、メッセージが届いたら深夜でもすぐに返信しなければいけない、SNSから抜けられないなど、スマートフォンが手放せない子どもが増えていることが危惧されています。
睡眠不足で学業に支障をきたしたり、家族と過ごす大切な時間を失ったりと、スマホ依存が子どもたちの生活に深刻な問題を引き起こしていると言えます。
● 「調べる」「考える」力の低下
興味を持ったことや勉強でわからないことを手軽に調べられるのは、インターネットの便利なところ。手元にスマートフォンがあれば、検索ひとつで知りたいことにたどり着くことができます。
一方で、すぐにスマートフォンに頼ってしまう、広く浅く知るだけで満足してしまうなど、思考力や記憶力など脳の成長の妨げになる危険性も指摘されています。
● 高額請求
スマートフォンのオンラインゲームや不審なアプリのダウンロードなどが原因で、子どもが高額請求トラブルに巻き込まれるケースもあとを絶ちません。
保護者の方のクレジットカードや暗証番号の管理の甘さが、原因になっていることもあります。
● SNSでのコミュニケーションによる被害
SNSは、友達同士やクラブ活動の連絡手段としても、子どもたちの間に浸透していますが、インターネット上でのいじめや誹謗(ひぼう)中傷などの問題も深刻です。
また、知らない大人と交流し、だまされて自撮り写真を送らされるなどの児童ポルノ被害が急増。多くの被害者数が報告されています。
● 個人情報の流出
安易に知らないサイトに登録したり、SNSのプロフィールなどで個人的な情報を書き込んだりして流出するケースが見られます。
また、写真を投稿したところ、知らない間にインターネット上に出回ったり、自宅の住所が他人に知られてしまったりするトラブルも起きています。
▼ 子どもにスマートフォンを持たせる保護者ができる安全対策
子どもがスマートフォンを安全に使う手段のひとつとして、「ペアレンタルコントロール機能」があります。OSの設定で、特定のアプリや機能を使えないようにしたり、利用制限を設けたりすることが可能です。
また、携帯キャリア各社が提供する「フィルタリングサービス」などを個別に設定しましょう。
子どものスマートフォンに入れるアプリは、保護者の方が実際に使ってみて、安全性を確かめることも大切です。
子どもにスマートフォンを持たせるなら、ただ「ペアレンタルコントロール機能」を設定するだけでは不十分です。
「設定だけしてあとは子ども任せ」では、子どもを守ることはできません。
小学生のうちは、保護者の方が以下のようなことを心がけてください。
・子どものスマートフォンにダウンロードするアプリは、必要性を子どもに説明させ、事前に保護者が使ってみる
・スマートフォンの利用時間、アプリの使用状況など、何をどのように使っているかを定期的にチェックする
・連絡を取り合う相手、メールやSNSのメッセージ内容は保護者にオープンにする
子どもの使い方が適切ではない場合、ダウンロードしたアプリにあとからリスクを発見した場合などは、その都度子どもと話し合い、使い方を見直していくことが大事。
「スマートフォンを取り上げる」という一方的な対応だけでは、子どもの成長につながりません。
保護者も完璧ではありませんし、日進月歩で発展するスマートフォンやインターネットの世界をすべて把握することは、誰にもできないでしょう。
何が問題だったのか、どうすれば安全に使えるのか。
立ち止まって、親子で一緒に考える時間を持つことが、これからスマートフォンと付き合っていく子どもの成長を促すのではないでしょうか。
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小学生のうちは、スマートフォン以外の選択肢も考えられます。
子どもの居場所を把握したり、家族と連絡を取ったりすることが目的なら、子ども向けの携帯電話でも用は足ります。
防犯対策が目的なら、GPSによる高度な位置検索システムと通報機能を備えた位置情報提供システム「ココセコム」のような選択肢も考えられるでしょう。
子どもにスマートフォンを購入する前に、用途や目的をもう一度よく考えてみてください。
お子さんにとって最適な端末を見極めることができるのは、保護者の方だけなのです。
【お知らせ】
「子どもの安全対策に関する調査」を実施セコムは、10月に乳幼児から小学生までのお子さまをもつ保護者147名を対象に「子どもの安全対策に関する調査」を実施しました。
子どものSNS利用に関して、保護者の8割以上が「不安」を感じていることが分かりました。
◆詳しくはこちら2021.01.07