通学路の不審者対策に!防犯シミュレーションをやってみよう
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セコムの舟生です。
通学路を元気な子どもたちが歩く、当たり前の登下校風景。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、子ども同士の密接を避けるため、集団登下校を取りやめている小学校もあるようです。
夏休み明けからは、連日のように不審者情報が全国各地で報告されています。
いざというとき、自分で自分の身を守れるよう、子どもの防犯対策に力を入れましょう。
不審者の手口はさまざまですが、子どもが多く行き交う通学路は狙われやすいポイント。
危険を回避するためには、どのように行動すればいいのか、具体的に教えておく必要があります。
そこで今回は、親子で不審者対応の練習ができる「防犯シミュレーション」を紹介します。
ご自宅でも手軽にチャレンジできますので、親子のコミュニケーションの一環として、ぜひ取り組んでみてください。
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▼ 子どもの防犯力をアップする「防犯シミュレーション」とは?
昨今は防犯対策を教える授業を取り入れる小学校が多くなってきました。
しかし特別授業などで数回、学ぶだけでは、いざというときの対応を身につけるのは難しいと言えます。
「大声で助けを求める」「走って逃げる」など、基本的な防犯行動を知っていても、いざというときには怖くて声が出ない、体が動かない...といったことは、大人でもあることです。
そこで、ぜひご家庭で取り入れていただきたいのが「防犯シミュレーション」です。
防犯シミュレーションとは、不審者からの声かけや、腕をつかむなどの強引な手段への対応方法を学ぶ実践的な練習のこと。
子どもが日常の中で起こりうる危険を知り、その対応方法を身につけるのに効果的です。
定期的に繰り返し練習することをおすすめします。
▼ 「防犯シミュレーション」にチャレンジしてみよう!
子どもを狙う不審者の多くは、いきなり襲いかかるのではなく、何かしらの声をかけて、子どもの足を止めてから近づいてきます。
考えられるシチュエーションから、不審者の対応を練習してみましょう。
ステップ1:「声かけ」の対応を身につける
保護者の方が不審者役になり、さまざまな声かけでお子さんに一緒に来るように誘い出します。
どのような声かけに対しても、しっかり断れるようになることが最初の目標です。
子どもが怖がったり、飽きてしまったりしないよう、ゲーム感覚で取り組むことがポイント。
声かけのパターンを挙げますので、参考にしてください。
<声かけのパターン>
・子どもが好きなものや関心のあることで誘う
「〇〇(お子さんが好きなもの)をあげるから、こっちにおいで」
「芸能人の〇〇さんが来ているから、会わせてあげる」
・子どもに助けを求める
「犬が逃げてしまったから、一緒に探して」
「具合が悪いから病院まで連れて行って」
・緊急性を装う
「お父さんが事故にあった!病院に行くから車に乗って」
「おうちが火事だよ!急いで一緒に来て!」
・怖がらせる
「警察だけど、聞きたいことがあるから交番まで来てくれる」
「さっき車に傷をつけたでしょう?家の人に連絡するからこっちに来て」
どんな声かけに対しても、「いやです」「わかりません」ときっぱり断るのが基本。
性格が優しいお子さんは断り切れないことがあるので、「家に帰ってお母さんに聞いてきます」「お父さんにダメだと言われているからできません」などと、親を理由にする言い方も教えておくと良いでしょう。
保護者の方は、優しい人、怖い人、面白い人など、いくつかのキャラクターを演じながら、いろいろな声かけをしてみてください。
さまざまなシチュエーションを経験することで、子どもの防犯力が鍛えられます。
ステップ2:防犯ブザーを使って実践練習する
子どもへの声かけ事案では、体や服をつかむ、付け回すなど強引な手口も多々見られます。
また、「ねえ」「ちょっと」などと声をかけて、いきなり距離を詰めてくることもあります。
保護者の方が不審者役になって、助けを求めるタイミングや逃げるタイミングを練習してみましょう。
<相手との距離の取り方>
声をかけられたときは、大人が両手を広げたくらい相手から離れるのが基本です。
防犯シミュレーションで「両手を広げた距離」を体感しておきましょう。
少しでも相手が近づいてくるそぶりを見せたら、その分、体を引く。
常に一定の距離を保って、いつでも走って逃げ出せるような体勢をつくる練習をしてみてください。
<防犯ブザーを鳴らすタイミング>
しつこく近づいてくるときや、体をつかまれそうになったときなどは、防犯ブザーを鳴らす、大声で「助けてー!」と叫ぶなどの防犯行動が必要になります。
防犯ブザーは、実際の被害がなくても、「怖い」と思ったらいつでも鳴らして大丈夫です。
間違っていてもいいので、まずは自分の身を守ることを優先するよう教えてあげてください。
防犯ブザーの扱いに慣れておくことも大切なので、お子さんが判断したタイミングで防犯ブザーを鳴らす練習もしてみましょう。
不審者の行動パターンもさまざまです。
たとえば、腕をつかまれて防犯ブザーを鳴らせないときは、どうしたらいいのか。
ひょいと抱え上げられてしまったら、どうやって逃げ出せばいいのか。
防犯シミュレーションで経験することによって、子どもなりに対応策を考えるようになるはずです。
ただし、子どもを怖がらせては逆効果ですので、くすぐったり、コミカルな動きを取り入れたりしながら、笑いとスキンシップを交えて取り組んでみましょう。
▼ もしここで不審者に遭遇したら?通学路でイメージトレーニング
通学路にも、人の目が届かない死角や時間帯が存在します。
路上駐車中の車や自動販売機の物陰、早朝はシャッターが下りている店舗など、人目に付きにくい死角は、意外なくらいたくさんあります。また、片側に駐車場や集合住宅が隣接している道路が通学路にもあるのではないでしょうか。
早朝の登校時間、日中の住宅街などは、人通りも少なく大人の目が行き届かないこともあります。
「もしもここで知らない人に声をかけられたら?」
「もしも不審者が急に襲い掛かってきたら?」
通学路を歩いているときもイメージを膨らませ、次の行動を考えておくことが大切。
どうしたらいいかを考える際に、防犯シミュレーションで練習したことが役立つはずです。
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防犯ブザーは、使用していなくても電池を消耗しますので、月に1度程度は点検が必要です。
特に夏休みなど長い休みのあとは、作動確認をしておくことをおすすめします。
防犯シミュレーションで実際に鳴らす練習を兼ねて、不具合がないか確認してみてください。
音が小さい、途切れるなどは、電池切れのサインです。
電池を変えても回復しないときは、新しい防犯ブザーと交換しましょう。
お住まいの地域やお子さんをとりまく環境によっても、他にもいろいろなシミュレーションが考えられると思いますので、親子で 「楽しく」 学びながら、子どもが身を守る力をつけていきましょう!2020.09.17