入学準備特集2019 通学路を歩くための「交通ルール」の教え方
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セコムの舟生です。
年の瀬が近づいてきて、慌ただしい毎日をお過ごしのことと思います。
来年小学校入学を控えたご家庭なら、そろそろ入学準備のことも気になっているかもしれませんね。
年明けからは入学説明会や卒園式などでいっそう忙しくなりますが、お子さんが安全に小学校に通うための準備も少しずつ進めておきましょう。
[入学準備特集2019]では、来春入学を迎える新1年生に覚えておいてほしい防犯や安全の知識をまとめています。
・第1回 新1年生が知っておきたい防犯の知識
・第2回 防犯の基本「ひとりにならない」を実践する方法
3回目となる今回は、通学路での交通安全がテーマです。
通学路を安全に歩くために、「これだけは守ってほしい」「ここは注意してほしい」というポイントをまとめます。
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▼ 「危ない」「気をつけて」だけでは伝わらない
小学校入学を控える子どもを持つ保護者に「いちばん心配なことは?」とお聞きすると、「交通事故」という答えが非常に多いです。
保護者の送り迎えがある幼稚園・保育園とは違って、小学校は基本的に子どもだけで登下校しますので、不安になるのももっともだと思います。
道路を安全に歩くためには、「信号が青になったら渡る」「黄色と赤は止まる」といった単純なルールを教えるだけでは不十分。
自分自身で、安全かどうかを見極めたのちに、歩く位置や道路を渡るタイミングを判断しなくてはなりません。
「状況を見極める」「考える」という2つのステップが必要なのです。
「心配のあまり、つい口うるさくなって...」という方も多いのですが、親がヒートアップしているときほど子どもは右から左へ聞き流してしまうようなところがあります。
それに、「危ない!」「気をつけて!」などと言うだけでは、子どもには伝わらないものです。
お子さんに道路の歩き方を教えるときは、何が危ないのか、どうして危ないのか、どんなところに気をつけなくてはならないのか、なるべく具体的に伝えることが大切。
子ども自身に考えさせるためにも、「もしあそこから車が出てきたら、どうなると思う?」「あっちから自転車が来ているけれど、いま渡っても大丈夫だと思う?」などと質問も交えてみてください。
一方的に言い聞かせるのではなく、コミュニケーションが成立するように話を進めると、子どもの理解度も確かめることができるはずです。
▼ 小学生に多い交通事故と通学路でみるべきポイント
小学生の交通事故では、圧倒的に「道路横断時」が多くなっています。
「道路の横断」にもいろいろなパターンがあります。
信号のある交差点や横断歩道を渡るときだけでなく、信号がない横断歩道もありますね。
路地のような細い道であっても、道を渡ることは「道路の横断」です。
お子さんと一緒に、4月から通う小学校までの道のりを歩いてみましょう。
「道路の横断」が必要な場所は、注意が必要なポイントです。
道路横断中の交通事故は、一時停止と前後左右の安全確認をしっかりおこなえば、防ぐことができます。
お子さんにその場所を覚えさせ、必ず立ち止まることを約束させてください。
渡る前にどこを見ればいいか、どんなタイミングだったら渡ってもいいかも、一緒に考えてみましょう。
信号がある交差点や横断歩道でも、必ず立ち止まって、前後左右の安全確認が必要です。
青になったとたんに道路に飛び出す、前を歩いている人に続いてすぐに渡りだすといったケースで事故が発生しています。
朝は急いでいる人が多いので、強引に通行しようとする車や自転車も少なからず見られます。
ただ交通ルールを守っているだけでは、防げない事故があることも、理解しなくてはなりません。
自分の身は自分で守る。
安全に通学するためには、このような意識を持つことが何より大切です。
▼ 道路を渡るときの「安全確認」のやり方
大人は道路を歩くことに慣れていますので、さっと見ただけで安全かどうかがわかります。
しかし、小学生になりたての小さなお子さんの場合は、そう簡単ではありません。
大人に頼らず道路を歩くことにまだ慣れていないうえ、視野が狭く、大人とは見え方が全く違っているからです。
大人は水平方向の視界が150°くらいあるのに対して、子どもは90°くらいしかありません。
垂直方向の視界も、大人が120°程度あるのに対して、子どもは70°程度と言われています。
大人は周辺視野にある物体を、あるものをなんとなく捉えられますが、子どもの視界では、ほぼ目の前の世界しか捉えられないのです。
ですから、安全確認をするときも、ちょっと顔を向けるくらいでは不十分。
きちんと立ち止まって、前後左右、見るべき方向に体ごと向け、のぞき込むくらいでようやく視界に入ってきます。
信号やカーブミラーを確かめるときも、しっかり顔を上に向けるよう教えてください。
また、大人の背の高さからは見えても、子どもからは見えていないこともあります。
安全確認が必要なポイントでは、しゃがんだりして必ずお子さんの視線の高さにあわせて周囲を見渡してください。そして、お子さんにはどんなふうに見えているのかをご自分の目で確かめて、教え方を考えてみてください。
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これから入学式まで、機会を見つけて繰り返し通学路を一緒に歩いてみましょう。
慣れてきたら、ちょっと離れてお子さんが歩く様子を見守って、教えたことがちゃんとできているかテストしてみてください。
事前にチェックポイントや得点表を考えて、ゲーム感覚でトライしてみるのもオススメ。
お子さんが楽しみながら安全意識を高めていけるよう、工夫してみてくださいね。
【入学準備特集2019】
・新1年生が知っておきたい防犯の知識
・防犯の基本「ひとりにならない」を実践する方法2018.12.20