2018年の重大事件を振り返る!子どもを守る防犯ポイントまとめ
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セコムの舟生です。
早いもので2018年もあとわずかになりました。
今年はお子さんにとって、どんな年でしたか。
家族だんらんの時間には今年のできごとを話し合ってみてはいかがでしょうか。
さて、今回は2018年を子どもの防犯・安全の視点で振り返って、印象に残っている事件をいくつか取り上げます。
実際に起きた事件や事故からお子さんに身につけてほしい防犯ポイントをおさらいしましょう。
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▼ 凶悪犯罪から子どもを守るために「死角=危険な場所」の把握を
今年の5月初旬、新潟県で下校中の小学2年生の女の子が殺害された痛ましい事件がありました。
報道によれば、容疑者と女の子は面識がなく、たまたま歩いていたところを見つけて車で接触。
わいせつ目的で連れ去ろうとしたと見られています。
小さな子どもが、身勝手で残忍な犯行によって命を奪われたこの事件を、私は忘れることができません。
通学路は比較的安全とされる道が選ばれていますが、「死角=危険な場所」も存在します。
子どもの通学路から、危険な場所を完全になくすことは困難なのです。
住宅地でも人がまったく通らない時間帯もありますし、お店などが近くになく助けを求めにくい環境であることもあります。
人通りがあっても、周囲からの視線が遮断される空間もあることを意識してください。
子どもが狙われやすい危険な場所がどこにあるかを把握することがとても大切です。
具体的にどんな場所か挙げてみましょう。
【危険!通学路にこんな場所はありませんか?】
・コインパーキングや月極駐車場、駐輪場など
・集合住宅の敷地、誰でも出入りできる共有部
・植栽や雑草が生い茂って見通しが悪い場所
・空き地や工事現場
・人通りが少ない道
・路肩に止まっている車
・電柱や自動販売機などの陰
・ビルの脇の通路や非常用階段など
こうした場所は住宅街にも数多くあります。
日中の歩きなれた自宅のそばでさえ、意外に人目に付かない場所が多く存在し、犯罪が起きる可能性があることを、お子さんも保護者の方も、あらためて心に留めていただきたいと思います。
そのうえで、どのように行動したらいいか、どこに助けを求めたらいいか、保護者の送り迎えは必要かなど、具体的な対策を考えてみてください。
▼ 悪質かつ巧妙な声かけが増えている!だまされないためには?
子どもに対する「声かけ」の内容がどんどん巧妙になってきているように感じています。
今年起きた事件では、
・給食に虫が入っていたから検査する
・(わざと落とした財布から)カードを盗ったでしょう
などと子どもを怖がらせたり、脅したりする手口が多く見られました。
多くはわいせつ目的で、子どもをだまして別の場所に連れていくため口実です。
警察官を名乗る手口もよく見られますが、警察官が保護者に断りなく子どもをどこかへ連れていくことはありません。
警察官を名乗って迫ってきても臆することなく防犯行動をとることが大切です。
【危険!知らない大人に声をかけられたら】
・どんなによくできた話でも、見知らぬ人の言うことを信じてはだめ
・「あやしい」と思ったら、相手の話が途中でもいいので、すぐにその場から逃げる
・相手が強引なとき、判断に困ったときは、「家の人に聞いてきます」と断る
・車や別の場所に誘われても、ぜったいに言いなりにならないなど
あらためてこれらのことをお子さんに言い聞かせてください。
高学年のお子さんや男の子も、声かけがきっかけのわいせつ事件に巻き込まれています。
他人事とは思わず、「狙われるかもしれない」という自覚をしっかり持つことが肝心です。
▼ 親子で出かけた先でも「子どもをひとりにしない」!
今年は、商業業施設や飲食店のトイレで小さなお子さんが被害にあう事件が相次いで起きました。
4月下旬には、神奈川県で6歳の女児に、飲食店のトイレでわいせつ行為をした男を逮捕。
5月中旬にも、福岡県の商業施設のトイレで、3歳の男児がわいせつ被害にあう事件が発生しました。
商業施設などで子どもだけでトイレに行って被害にあうケースは、過去に何度も起きています。
わいせつ犯罪だけではなく、連れ去りや殺人事件もありました。
幼児だけでなく、小学校高学年の児童も被害にあっていますし、女児だけでなく男児も被害にあっていることを忘れてはなりません。
トイレには必ず保護者が同行して、目を離さないようにしてください。
一緒にトイレのなかまで入って待つか、入り口で待つ場合は頻繁に声をかけてお子さんの安全を確かめるようにしましょう。
また、子どもは好奇心旺盛なので、家族で出かけた先でひとりふらふらと行動したり、興味の対象に引き寄せられたりして、いつのまにかはぐれてしまうようなことがあります。
よく行くお店やお子さんがよく知っている場所などでは、「ちょっとくらいなら...」と目を離す時間があるものです。
しかし、不審者はそうしたすきを見逃しません。
お出かけ先でも、お子さんがひとりで行動しないよう言い聞かせるとともに、親御さんも油断して目を離さないようにしましょう。
【危険!こんなとき子どもがはぐれがち】
・おもちゃ売り場など、子どもが好きなものがたくさんある場所が近くにあるとき
・列に並んでいるときや会計のときなど、子どもがたいくつしがちなとき
・キッズスペースなど安全と思われる場所で子どもを遊ばせているとき
・混み合っているときや、移動しているときなど
やむを得ず一時的にお子さんから離れるときも、視界に入る距離で目だけは離さない、その場のスタッフに声をかけて見ておいてもらうなど、安全確保の工夫を怠らないようにしましょう。
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「気をつけてね」と声をかけるだけでは子どもの安全は守れません。
子どもが置かれている環境や状況を考慮しながら、具体的にどうしたらいいか対策を考える必要があります。
2018年の最後の締めくくりに、来年からのお子さんの安全について親子で考える時間を持ってみてくださいね。2018.12.27