[夏休み直前!安全特集3]夏のレジャーは水難事故にご用心!
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セコムの舟生です。
夏風邪のひとつ「手足口病」の流行が全国的に拡大しています。
東京都でも、警報基準値を超え、大きな流行になっていることが発表されました。国立感染症研究所によると、7月5日までの1週間の患者報告数は1万7294人で、一医療機関あたり5.48人。同時期としては、過去10年で2番目に多い数値です。
今年は5月から、例年に比べて患者数が多い状態が続いていますので、今後も流行状況に注意が必要です。咳やくしゃみによる飛沫感染のほか、子ども同士のおもちゃの貸し借りでうつることもあります。暑い時期も、せっけんと流水による手洗いや手指の消毒をして、感染症を防ぎましょう。
さて、夏休みを間近に控え、子どもの夏の安全を考える[夏休み直前!安全特集]をお届けしています。
1回目は「強引な声かけへの対処法」、2回目は「自転車で遊びに行くときの注意点」を取り上げました。3回目の今日は、夏休みに急増する「子どもの水難事故」がテーマ。
水難事故は毎年、7~8月に多く起きていて、昨年は、年間の水難事故件数の約4割にあたる事故が7~8月に集中しました。夏休みに海や川にお出かけの予定がある方は、それぞれの場所の特徴を理解して、水難事故を防ぎましょう。
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▼ 命の危険に直結!水難事故の特徴
警察庁の統計によれば、2014年に水難事故にあった人は1,491人。
そのうち約半数にあたる740人の方が亡くなったり行方不明になったりしています。水難事故は、ひとたび発生すると命の危険に直結しやすいことから、子どもと一緒に水辺のレジャーに行くときは、細心の注意を払って水難事故を防がなくてはなりません。
水難事故全体で見ると、もっとも事故による死者・行方不明者が多いのは「海」、ついで「河川」。
しかし、子どもに限って言うと、水難事故による死者・行方不明者がもっとも多い場所は「河川」です。
「海」よりも多くの水難事故が「河川」で発生しています。年によって被害者数の増減はあるものの、この傾向はずっと変わっていません。
また、生活圏にもある「用水路」や、監視者がいる「プール」でも、毎年子どもの水難事故が発生しています。
▼ 「河川」では子どもの水難事故が多発!
川では、水遊びだけではなく、釣りやボート遊び、河川敷でのバーベキューなど、直接は水に入らないレジャーもありますね。水に入らないつもりでいても油断は禁物です。昨年も、バーベキュー場やキャンプ場で、大人が準備や片付けをしている間に、子どもが川に流される事故が起きています。水際でちょっと足をつけるくらいのつもりでも、急に深くなったり流れに足を取られたりすることがあるので、予想もしていないタイミングで水難事故が起きます。
また、川は天候変化の影響を受けやすく、上流で降った雨のために流れが急に速くなったり増水したりして、水難につながることもあるようです。遠くに黒い雲が見えたり、落ち葉や流木などが流れてきたりしたときは要注意。川の状況をよく見ておくことが安全に過ごすポイントです。
<子どもを川での事故から守るための注意点>
○ 事前に気象情報や川の状況を必ずチェックする
○ 現地の案内板などを確認して、危険な場所や川の特徴を把握する
○ 川に入るときは、活動にあった服装をする。着衣のまま水遊びをしない
○ 天気や川の変化に注意を払い、異変を察知したら早めに避難する
○ 水際で遊ぶときでも、大人が交代で付き添って目を離さない穏やかに見えても、川の中の流れは複雑です。水の中がどうなっているのかは誰にもわかりません。日によっても時間帯によっても、水の状況は変わるので、たとえ遊び慣れている川でも注意を怠らないようにしましょう。
▼ 海では「溺れる」「波にさらわれる」事故に注意
海では、遊泳中に溺れる事故のほか、水際で遊んでいて波にさらわれてしまう事故が発生しています。急に高い波が来ることもあるので、小さなお子さんを波打ち際で遊ばせるときも、必ず親御さんが体を支えて、そばを離れないようにしてくださいね。また毎年起きるのが、「離岸流」が原因となる水難事故。
離岸流とは沖に向かう速い海流で、時間帯や天候によって突然発生します。浜からそう遠くないところで泳いでいたつもりが、いつのまにか遠くに流されてしまうこともあります。子どもの場合、力尽きて溺れてしまうことがあり、非常に恐ろしいものです。そのような危険な流れに遭遇しないために、現地の看板などで情報を確認しておきましょう。
○ 遊泳禁止区域では絶対に泳がない
○ 波が高いときや、引き返す波の流れが強いときは、十分注意する
○ 浮輪があっても陸から離れすぎないよう、保護者が見守る
○ 定期的に休憩させ、体を休める。無理な遊び方をさせない
○ 監視者の指示や注意に従う
○ 子どもから目を離さないようにし、水遊び中は大人が付き添う波が高いときは海辺で遊ぶのは避けましょう。
波浪注意報が出ているときに砂浜で遊んでいて、子どもが波にさらわれた事故が過去には起きています。また、海に入るときは、大人が一緒でも慎重な行動が必要です。
海での遊泳は非常に体力を使うので、子どもの様子に常に目を配り、決して無理をさせないようにしてください。水の中で子どもの足が届く範囲で遊ばせるようにし、大人がそばを離れないことが大切です。
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溺れた子どもを助けようとして、大人も命を落としてしまう、悲しい事故も毎年起きています。
助けるためにやみくもに飛び込むのではなく、ロープをつけた浮具や棒などにつかまってもらうのが正しい救助方法です。水辺のレジャーの時は、万が一に備えて救助グッズを準備しておき、子どもにはライフジャケットを身につけさせておくと安心です。
また、最近は着衣水泳の講習も盛んにおこなわれていますね。いざというときのために、親子で参加して経験しておくことも役立つと思います。
水難事故で多くのお子さんが命を落としています。安全対策を大げさと思わず、十分準備を整えて水辺にお出かけくださいね!
2015.07.16