夏本番!子どものプール事故を防ぐ
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セコムの舟生です。
梅雨明けが待ち遠しいこの頃。
すでにプール開きをした小学校も多いと思います。水泳の授業を楽しみにしているお子さんも多いと思いますが、プールでの水難事故が毎年発生していることに注意が必要です。
プールでは、先生や監視員が目を配って事故防止に努めていますが、それでも命に関わる重大事故が起きているということを忘れないでください。子ども自身が水の危険性を正しく理解し、事故防止を心がけるとともに、保護者の方もお子さんの体調管理に留意していただく必要があります。
今回は「子どものプール事故」をテーマに、過去に起きた事故を振り返りながら、プール事故を防止するためにできることを考えてみたいと思います。
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▼ プールで突然起こる「溺水事故」、原因は?
過去に実際に起きたプールでの練習中の溺水事故をいくつか見てみましょう。・小学校のプールで、小6男児が25mを泳ぐ練習中に溺れ、一時心肺停止状態になった(2013年)
・小学校のプールで、小6女児が25mを泳ぐ練習中にプール内で沈んでいるのが見つかり、後日病院で死亡(2014年)プールでは、「突然溺れる」事故が多く起きています。
水泳は、非常に体力を消耗する全身運動であり、かつ体温も奪われます。
体調によっては、突然呼吸困難を起こしたり、けいれんを起こしたりすることがあるようです。一方で、泳ぐことに夢中になっていると、自分の体調変化に気付きにくいもの。
ついさっきまでなんともなかったのに、水の中で急に足がつった経験がある人も多いのではないでしょうか。プールでは、無理をしないことが大切です。
学校の授業でプールに入るときは健康チェックカードといったものを提出することになっていると思いますが、単に体温を測るだけでなく、お子さんの顔色や食欲、睡眠時間などにも十分に注意して送り出すようにしてください。また、学校のプールだけではなく、保護者と遊びに行った先でプールに入るときにも注意しましょう。
「溺れる」というと、バチャバチャという激しい動きを想像しがちですが、実際は声も出せず手足もうまく動かせないため、すぐそばで人が溺れていても気付かないことさえあります。
浮輪をしていても、浅い場所にいても、油断せず子どもの様子に目を配ってください。
▼ プールの「吸い込み事故」
・屋内プールで、9歳の男子小学生が可動式の床の隙間に足の指を挟まれ、2針縫うケガ(2013年)
・小学校の低学年用プールで、小2女児がしゃがんで歩いていたところ、排水口に足が吸着して動けなくなり、プールの水を抜いて救出(2013年)プールでは、溺れる以外にも危険が潜んでいます。
わずかな隙間に指などが挟まって抜けなくなったり、排水口に吸い付いてしまったりする事故です。排水口の吸い込み事故では過去には死亡事故も起きていますが、プールの構造上、排水口をなくすことはできません。
吸い込み防止の金具や網が設置されているはずですが、金属劣化やボルトの緩みではずれてしまい、事故が起きるケースがあります。排水口周辺の水の流れに興味を持つお子さんは多いと思いますが、ふたや網、金具などに触れたり、つかんだりするのは本当に危険です。
排水口だけではなく、プールの構造に関わる部品には近づいたり触れたりしないよう、よく言い聞かせましょう。
▼ はしゃぐのは危険!「転倒事故」や「飛び込み事故」に注意
プールでは、いつも以上にはしゃいでしまうお子さんが多く、予測できない事故はこういうときに起こりやすくなります。
早くプールに入ろうと気が急いて先生や保護者の制止を聞かず、目が離れたときに事故に遭うことが多いようです。入水時にプールの底や壁面に頭を強く打ちつける「飛び込み」事故が毎年起きています。
安全確認をせずに勢いよく飛び込んだら、水深が浅くて事故につながったというケースのほか、技術的に未熟なのにも関わらず、指導者なしでスタート台から飛び込んだことが原因になることもあります。プールサイドはとても滑りやすいため、「転倒事故」にも注意が必要です。
コンクリートやタイルの床で転ぶと、大けがになりかねません。
水際は滑りやすく、転倒事故が発生しやすい場所ですので、いつも以上に慎重に行動するよう言い聞かせましょう。「走らない」「飛び込まない」を徹底させるとともに、子どもから目を離さないことが大事です。
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プールでは、子どもも自分自身で体調に注意して、ちょっとでも具合が悪いと感じたら、我慢せず先生に伝えるようこの機会にもう一度伝えてください。プールでは事故防止と健康管理に注意して、楽しい夏を過ごしましょう。
2015.06.25