ショート動画の影響と対策
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セコムの舟生です。
スマホなどを通して子どもでも簡単に観られるショート動画は、子どもたちの身近な娯楽になっています。
しかし、誤った内容や過激な表現のコンテンツも少なくありません。
子どもが動画情報に影響を受けやすい理由と家庭でできる見守り・声かけのポイントをまとめます。▼ 子どもが「ショート動画の情報」を信じすぎてしまうのはなぜ?
SNSや動画共有アプリなど、スマホで次々と流れてくるショート動画。
子どもたちにとっては楽しいものでしょう。
ただ、本人の好みに合わせて同じ傾向の動画ばかりが繰り返し表示されるため、エコーチェンバーの問題が指摘されています。
リテラシーが十分に育っていない小学生にとって、エコーチェンバーの影響は大きいものです。
情報や動画に対して「本当かな?」と疑うよりも、「面白い!」「やってみたい!」という感情が先に立ちます。冷静に判断する力が追いついていないのです。
※エコーチェンバー:SNSなどの場で自分の意見に似た意見ばかりが反響し、異なる意見や多様な視点が耳に入りにくくなる状況のこと
【子どもがショート動画コンテンツにハマると危険な理由】
・情報を疑う力、抑制する力がまだ育っていない
・アルゴリズムによって同じテーマばかりを繰り返し目にする
・短い時間で印象が決まり、考える余地が少ない
・楽しさや好奇心が優先し、危険性を見落としやすい
誤情報や過激な内容であっても、そのまま受け入れてしまう危険があります。
▼ ショート動画に潜む「誤情報」や「過激な表現」とは?
スマホで見られるショート動画のなかには、子どもには刺激が強すぎる情報が含まれていることがあります。
たとえば、次のようなものです。
・美容、健康にかんするもの
「一日で痩せる」「毛穴が消える」など、根拠のない宣伝や誤情報。
まねをして健康被害につながる恐れもあります。
・チャレンジを促すようなもの
無理にまねるとケガにつながる危険行為。
学校内でも模倣が広がりやすい傾向にあります。
・人間関係に影響をもたらすもの
「友達にドッキリをしかけてみた」「こっそり反応を撮ってみた」など、軽い気持ちでまねするとトラブルになりかねません。
・金銭にかかわる内容
「簡単にお金がもらえる」「スマホだけで●万円稼げる」といった投稿。
個人情報の入力や詐欺的誘導の危険もあります。
・ゲームや裏ワザにかんするもの
「無料でアイテムが手に入る」「強くなるチートコード」など、違法行為にあたる可能性もあります。
ウイルス感染やアカウント停止のリスクも。
こうした動画は「人気がある」「みんなやっている」ように見えるため、子どもは警戒心を持ちにくいものです。
気づかないうちに「やってはいけないこと」を受け入れてしまうこともあります。
▼ 会話を通じて子どもの「考える力」を育てる
「リスクがあるから」と動画の閲覧をすべて禁止してしまっては子どもも反発します。
子どもが何を見て、どんなことに興味を持っているのかに関心を向けることからはじめましょう。
興味を持って耳を傾けるだけでも、子どもは「話していいんだ」と安心するもの。
問題の芽に気づきやすくなります。
【「考える力」を育むコミュニケーションのコツ】
・「最近どんな動画を見てるの?」と、さりげなく話題にする
・子どもが楽しそうに話す内容を否定せず、「それってどう思った?」と一緒に考える
・気になる内容があれば、「誰が言っているのか」「本当かな?」を一緒に調べてみる
親子の対話を重ねることで、トラブルを未然に防ぐだけでなく、子どもが「情報を自分で考える」練習にもなります。
「動画を見ていい時間」「やってはいけないこと」などのルールを共有しておくことも大切です。
親が一方的に決めるのではなく、一緒に話し合って決めることで、子どもはルールを「自分のための約束」として受け止めやすくなります。* * * * * * * * *
スマホを使って動画を見ることは、もはや子どもにとって特別なことではありません。
だからこそ、家庭のなかで「どんな情報に触れるか」「どう受け取るか」を一緒に考えていくことが大切なのです。
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