インターネットの新たなリスクと安全対策
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セコムの舟生です。
スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機など、さまざまなインターネットのツールに囲まれて暮らす子どもたち。
インターネット上では、新しいサービスやアプリが日々登場しています。
気づかぬうちに子どもが新たなリスクにさらされているケースが否定できない状況です。
今回は、実際に起きている新たなインターネットトラブルについてまとめます。
子どもが正しく、楽しくインターネットを活用できているか、トラブルに巻き込まれていないか保護者がしっかりと把握して対策を立てましょう。▼ 子どもが巻き込まれやすい新たなインターネットリスク
インターネット利用にリスクがともなうことは小学校でも学びます。
しかしインターネットの世界は変化が激しいものです。
従来のリスクに加え、より巧妙な手口が確認されています。
(1)危険なリンクや詐欺広告
メールやSNSなどから偽サイトに誘導し、個人情報を引き出す「フィッシング詐欺」。
気になる広告やリンクをクリックしただけで、登録料を請求される「ワンクリック詐欺」。
大人だけではなく小学生の被害も確認されています。
子どもの興味を引く動画やオンラインゲーム、漫画サイトなどを装っていることもあり、気づかないうちにだまされてしまうようです。
(2)オンラインゲームのトラブル
オンラインゲームにはチャットやボイスチャット機能がついているものが多くあります。
仲間意識が高まり、楽しい反面、ゲーム内で親しくなった相手から連絡先や自画撮りを求められたり、実際に会う約束を持ちかけられたりするなど、危険な誘いがあるのも事実です。
これまでにわいせつな画像を送るように迫られ断りきれずに応じてしまったり、実際に会ったことで被害にあったりするケースが多発しています。
ほかにも悪質サイトに誘導され、詐欺被害にあうトラブルもありました。
ゲーム内課金による高額請求も子どもに多いトラブルです。
(3)動画投稿サイトのトラブル
ショートムービーや画像を手軽に加工してシェアするアプリが、小学生の間で流行っています。
「いいね」や「コメント」がつくことで注目を集める仕組みなので、過剰な内容を投稿してしまうケースがあるようです。
撮影場所などから居住地が特定されたり、コメント欄で個人情報を書いたりして、トラブルに巻き込まれるケースも確認されています。
(4)情報の偏りや偽情報のリスク
インターネットを使っていると利用者の趣味や好みにあう情報や広告が目立つようになることがあります。子どもに人気のSNSや動画サイトなどでも、よく閲覧するジャンルのコンテンツが「おすすめ」として表示されたり、関連広告が表示されたりするものです。
知らないうちに似たようなものばかり目にすることで、知識や情報が偏る可能性があります。
また意図的に特定の情報に誘導されることも考えられるのです。
インターネット上には、うわさ話や間違った情報、意図的にうその情報を流す「フェイク」も混じっているので、真偽を確かめる慎重さが求められます。
(5)不適切なコンテンツに接するリスク
アプリやサイトにはさまざまなバナー広告が表示されます。
なかには暴力的・性的な表現を用いたものも含まれており、閲覧している内容と関係なく表示されます。
フィルタリングを利用していても、子どもにとって不適切な内容が目に入ってしまう可能性を否定できません。
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▼ 安全にインターネットを使うための基本対策
インターネットを利用するうえで、基本的な安全対策は欠かせません。
慣れてしまうとあいまいになりがちなので、この機会に見直しましょう。
・ペアレンタルコントロール機能の活用
端末やアプリのペアレンタルコントロール機能を使って、利用時間や、機能の利用範囲などを制限してください。
有害サイトへのアクセスをブロックするフィルタリングの設定も欠かせません。
子どもの年齢にあわせて、閲覧できるコンテンツや利用時間の制限を調整しましょう。
バナー広告をブロックするアプリなどもあるので、あわせて利用を検討してください。
・パスワードは保護者が管理を
アプリのダウンロードや決済などに必要なパスワードは保護者が設定、管理し、子どもには教えないようにしてください。
パスワードの使い回しを避け、強力なパスワードを設定するなどして、子どもに知られないようにしましょう。
オンラインゲームやSNSなどで保護者とアカウントを共有している場合、パスワードを残しておくと子どもにわかってしまう可能性があります。
どのようにするとパスワードが見え、使えるようになるか確認してください。
・親子で利用ルールを話しあう
時間になったら切り上げるなど、自律的な使い方を身につけさせるためにも、スマホやゲームをしていい時間や場所はもちろん、使っていない時の置き場所もルールとして決めておきましょう。
一方的に押し付けると子どもも反発します。
子どもの意見を聞きながら、お互いに納得できる使い方をルールとして決めましょう。
・動画アプリやオンラインゲームにはより厳格な利用ルールを
他者と交流ができるSNSや動画アプリ、オンラインゲームの利用を許可するなら、それについてもルールを決めることが重要です。
「知らない人とやりとりをしない」
「顔や居場所は秘密にする」
「名前などの個人情報は絶対に教えない」
基本的な約束をしたうえで、定期的に利用状況を確認し、問題がないか話しあう場を持ちましょう。
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▼ 子どもと一緒にインターネットを楽しもう
インターネットは便利で、楽しいもののはずです。
しかし悪意のある者、子どもを狙う者が潜んでいるのも事実。
巧妙な手口によって、これまでに多くの子どもたちが被害にあってきました。
そのことをどうか忘れないでください。インターネット利用にはリスクがともなうものなのです。
・「知らない人」のやりとりはリスクがある
・うそのプロフィールが横行している
・だます目的で近づいてくる人もいる
・いつも見ているサイトにも悪質サイトや詐欺の広告が混じっている可能性がある
・うその情報もある
・ワンクリック、ワンタップでトラブルに巻き込まれることもある
情報の真偽を完全に見極めることは難しいでしょう。
でも「大丈夫かな」「本当かな」と考えて立ち止まる慎重さがとても大切です。
インターネットのなかにある情報や知らない人の言葉を鵜呑みにしないこと、
ひとつの情報を信じるのではなく、他の情報も調べること、
わからないこと不安なことがあれば相談する必要性を教えてあげてください。
親子で一緒に、お子さんが好きなコンテンツを楽しむことがおすすめです。
一緒にゲームをする、一緒に動画を観るなどすれば、何に興味を持っているのか、使い方に危なっかしさがないかチェックできます。
子どもを守るために何が必要かを見つけるヒントなるはずです。
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何でも話しあえる環境があれば、深刻なトラブルに巻き込まれる前に気づくことができるはずです。* * * * * * * * *
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