2011年のアクセスランキングから今年を振り返る
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セコムの舟生です。
2011年もいよいよ年末を迎え、今回が今年最後の更新です。さまざまな出来事がありましたが、今年は何と言っても3月11日に発生した大震災が、文字通り日本を大きく揺るがした年でした。子どもたちも含め、多くの人々が犠牲になったことに心が痛みます。
犯罪について考えると、学校に通う子どもたちの安全について急速に関心が高まるきっかけとなった、大阪の池田小学校の事件から丸10年を迎えました。しかし、つい先日も子どもが連続して通り魔の被害に遭い、模倣犯も相次ぐという事件が発生しています。子どもの防犯のプロとして、このブログを通じて、少しでも子どもの身を案じる親御さんのお役に立てればと願わずにはいられません。さて、今回は2011年の総括として、今年アクセス数の多かった記事をご紹介したいと思います。保護者の皆さんがどんなことに関心を持っているのか、はっきりとわかるランキングになりました。ぜひご一読いただき、2012年からのお子さんの安全・安心にお役立てください。
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▼ 発表!2011年「子どもの防犯ブログ」アクセスランキングTOP10
1位から3位までは、携帯電話とインターネットがテーマになった記事、そして4位と5位には、防犯グッズに関する記事が続きました。携帯電話とインターネットをテーマにした記事は、6位と10位にもランクイン。関心の高さがうかがえます。7位には、夏に多い子どもの水難事故に関する記事、8位と9位には、子どもを狙った犯罪についての記事がランクインしました。★ アクセスランキング第1位 ★
大人の知らない最新ケータイ事情<その1>~健全コミュニティサイトに広がる闇~
★ アクセスランキング第2位 ★
【ケータイ・インターネット防犯特集】 "健全サイト"なら子どもに使わせていい?
★ アクセスランキング第3位 ★
【ケータイ・インターネット防犯特集】 携帯電話は何年生から持たせていい?
★ アクセスランキング第4位 ★
【入学準備特集2】 新1年生にピッタリの「防犯グッズ」はどれ?
★ アクセスランキング第5位 ★
入学準備特集2010 [5] 新1年生の防犯グッズ、なにを選ぶ?
★ アクセスランキング第6位 ★
子どものためのネット護身術「ペアレンタル・コントロール」を始めよう!
★ アクセスランキング第7位 ★
【夏休み直前特集2】 "水の事故"から子どもを守るには?
★ アクセスランキング第8位 ★
【入学準備特集6】 こんな言葉に注意!知っておきたい、子どもを誘う手口
★ アクセスランキング第9位 ★
過信は禁物。性犯罪は男の子も注意が必要です
★ アクセスランキング第10位 ★
ケータイ有害サイトの脅威<その1>~暴走する学校裏サイト~
▼ アクセスランキングから見えてくる子どもの防犯への関心事
・ケータイやインターネットは、子どもを取り巻く新しいリスク
携帯電話とインターネットをテーマにした記事がアクセスランキングTOP10に5つランクインしています。特に携帯電話を用いたインターネット利用の危険性には、皆さんが高い関心をお持ちのようです。NPO青少年メディア研究協会の理事長である下田博次氏へのインタビューで、「ゲームサイトに登録している個人データは、悪い大人から見れば選び放題の人物カタログである」という話を伺ったことが忘れられません。また一般には健全サイトとされているSNSなどが、出会い系サイトと同様の使われ方をしている現実も忘れてはなりません。
携帯電話でのインターネット利用は、現代の子どもならではのリスクと言えます。もちろんインターネットを利用できる端末は、携帯電話だけには限られません。携帯ゲーム機からもインターネットへのアクセスは可能です。
携帯電話をはじめ、インターネットを利用できる端末を使わせるのであれば、「ペアレンタル・コントロール」が欠かせません。携帯電話や、インターネットには、どのようなリスクがあるのかをきちんと子どもに理解させ、正しく利用するためのわが家のルールをつくりましょう。そして、わが家のルールがきちんと守られているかどうかを見守ることが大切です。もし、ルールが守られていないなら指導が必要です。子どものインターネット利用の能力を高めることが「ペアレンタル・コントロール」の目的。子どもがいいことと悪いことを自ら判断できるようになるまで、根気強くサポートしてあげてください。
・子どもの防犯グッズはなにを持たせるべきか?
子どもが持つ防犯グッズで、もっともポピュラーな防犯ブザー。しかし、実際に危険を感じたときには、恐怖心で体が動かなくなってしまうケースも少なくないようです。防犯ブザーを使うような状況を親子で話しあいながら、事前に使い方を練習しておきましょう。防犯ブザーは、大音量の音で周囲に危険を知らせますが、人通りが少なかったり、周囲の音にかき消されたりする可能性もあります。子どもの行動範囲を確かめ、防犯ブザーが適切なのか、ほかの防犯グッズと併用するのかについても検討してみてください。
・子どもの死因1位は不慮の事故
東京消防庁によれば、水による事故でもっとも多いのは浴槽内の事故で、年間を通してどの時季にも発生しているそうです。子どもの死因としてもっとも多いのは、不慮の事故です。水の事故以外にも、誤飲、転倒、転落など、さまざまな危険が子どもの日常に潜んでいます。
事故にならないまでも、ヒヤリとさせられることはたくさんありますよね。そのときの状況を振り返り、なぜそうなったかを考えて、今後に生かすことが大切です。数分に一度は声をかける、あらかじめ事故の危険性があるものを遠ざけておくなど、複数の対策を立ててみてください。
・男の子も性犯罪の対象に 保護者は現実を見て対応を
「まさかウチの子が...」と考えている保護者もいらっしゃるかもしれませんが、普通の感覚では理解できない犯罪が増えているのも事実。アクセスランキングの第8位にランクインした記事では、子どもを誘うときの手口について紹介しています。犯罪に遭いやすい場所、声かけの事例など、具体的でわかりやすい内容となっていますので、すべての保護者の方にもう一度お目通しいただきたいと思います。
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決して明るいニュースばかりとは言い切れなかった2011年ですが、明日への教訓として、学ぶべきことはたくさんありました。
子どもは未来への希望です。どんなときでも、私たち大人は明るく「大丈夫だよ」と言い続け、子どもを安心させる存在でなければならないと思います。そのためには、子どもを守るための知識を学び続けるしかありません。
セコムは、少しでも子どもが暮らしやすい世の中をつくるために、来年も力を尽くしたいと思っています。1年間、どうもありがとうございました。2012年もどうぞよろしくお願いいたします。
2011.12.29