【ケータイ・インターネット防犯特集】 携帯電話は何年生から持たせていい?
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セコムの舟生です。
「何年生になったら、携帯電話を持たせていいですか」
「高校生になったら、持たせるべきですか」お子さんに携帯電話を持たせはじめる時期について、こんな質問をよくされます。しかし携帯電話を持たせる年齢に、明確な指標はありません。子どもの成長と必要性をよく見極めた上で、持たせるかどうかを決めるという考え方が正しいと思います。だれかに合わせる必要はありません。
たとえ子どもに「まわりの子はみんな持っているよ!」と言われても、正しく使う能力がないなら、そして持つことに必然性がないなら買い与えるべきではないと思います。
携帯電話はとても便利な道具です。しかし、その利用には、さまざまな危険が潜んでいます。危険な目に遭わないためには、正しい知識が必要です。
そこで今回から4回に渡って、【ケータイ・インターネット防犯特集】をお届けします。第1回の今回は、携帯電話を買い与える基準や判断材料について、考えてみたいと思います。
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▼ お子さんは本当にケータイが必要ですか?
「携帯電話がほしい!」と言われると、たいていの親御さんは悩んでしまうと思います。学年が上がるにつれ、携帯電話を所有する同級生が増えてきて、「ウチも持たせたほうがいいのではないか?」「連絡手段がないと危険なのではないか?」という思いに駆られてしまうようです。しかし、携帯電話は「持たせておけば安心」というものではありません。携帯電話を使うことのリスクを知らずに好き勝手に使わせることのほうが、ずっと危険です。
まずは、なぜ携帯電話がほしいのか、どのように使うのかを、子どもにきちんと説明させてください。その説明が親を納得させるものでなければ、「この子に携帯電話はまだ必要ない」と判断することも必要です。
▼ ケータイの危険性を正しく理解していますか?
子どもに携帯電話を持たせることについて、漠然とした不安を持っている親御さんは多いのですが、「何に気をつけたらいいのかがわからない」という声をよく聞きます。もっとも大きなリスクは、携帯電話でのインターネット利用です。保護者が知らないところで有害な情報やモノ、人物につながる危険性があります。これは家族の目がある場所で利用することが多いパソコンとは、大きく異なる特性です。
このことは子どものインターネット利用における重大な注意点だと覚えておいてください。携帯電話だけではなく、インターネット接続機能のある携帯ゲーム端末も同じですね。
▼ インターネットの利用能力はついていますか?
携帯電話は、親の目を通さずに利用できる高性能なモバイルインターネット端末です。お子さんがインターネット利用の危険性を正しく理解しているかどうかが、携帯電話を持たせるかどうかの、ひとつの判断基準になると思います。[インターネット利用能力チェック]
□ インターネット上に氾濫する情報の真偽を判断する能力はあるか
□ デマや誹謗中傷に踊らされないだけの自制心はあるか
□ 自分の発言や行動に責任を持てるか「この子はデマを信じやすいし、ちょっと軽はずみなところがあるな」と思うなら、不用意に携帯電話を買い与えるのは危険だということです。外出時の連絡手段として携帯電話をほしがるようなら、最初は通話機能のみにするとか、親と共用で使うといったことを提案してみてください。
こうした能力を基準にして行う判断や提案は、親がきちんと責任を持って行わなくてはなりません。これをペアレンタルコントロールといいます。子どもの携帯電話利用は、能力に応じて、段階的に行うことが大切です。
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大人はパソコンを使い慣れているため、「携帯電話のインターネット機能はあまり使わない」という方も少なくありません。しかし、中高生は圧倒的にパソコンよりも携帯電話からのインターネット利用が多いのです。携帯電話の知識に関しては、子どものほうが先んじている事実も否めません。
子どもを危険から守るために、まずは親が学ぶこと。「子どもの防犯ブログ」では、これからも「ケータイ・インターネット問題」を取り上げます。
2011.05.24