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安全のプロのママと話そう!【3】
わが子の「ヒヤリハット」体験談(後編)

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セコムの舟生です。

わが子の「ヒヤリハット」体験談前回に引き続き、今回もNPO法人子どもの危険回避研究所所長の横矢さん、副所長の西江さん・廣田さん、ヴルチェクさんとセコム社員で小さなお子さんを持つ大根さん・長瀬さんとの座談会をレポートします。

今回は、子供と一緒にエスカレーターを利用する際のヒヤリハットの話からスタートです。

* * * * * *

子供と一緒にエスカレーターを利用する際の"ヒヤリハット" わが子の「ヒヤリハット」体験談西江さん:先日、子供とエスカレーターを利用したとき、ヒヤリとしたことがありました。いつもエスカレーターへ乗るときにものすごく注意をしていて、ステップの黄色い線から出ないように手すりを持って利用する子なのですが、それでもエスカレーターから落ちそうになったんです。お姉ちゃんが手すりを持っていないと「お姉ちゃん、手すりもって!」と、注意をする側の子だったものですから、まさか、転落しそうになるなんて...。

横矢さん:エスカレーターに関するヒヤリハットは、数え切れないくらいありますよね。お子さんは大丈夫でしたか?

西江さん:はい。私が後ろから子供を押さえましたし、なんとか踏みとどまって無事でした。とにかく注意深い子供なんです。ところがその日、子供が手すりを持ってエスカレーターに乗ったら、突然、キュルキュルキュルーっと、腕をエスカレーターの後方に引っ張られバランスを崩し、危うく落ちそうになってしまったんです! ああ、こんなところにも危険があるんだなと。「どうしたら危なくないんだろう」「こうしたら、いいのかな?」とか考えながら、やってみたりしましたが、それがちょっと怖いなと思いました。

舟生:私は、手すりは持たせないですね。もちろん、自分が(子供と)手をつなげる状態であれば、ですが...。そうでない場合は、考えなければならないな、とは思います。手すりは怖いです。稼動部分と固定部分の隙間というものもありますし、引き込まれる可能性もありますので。

西江さん:もちろん私が、後ろから押さえてはいたので大事には至らないですが...。

舟生:(うちの場合は)どこにも触らせないで「真ん中に立っていなさい」と、言っています。それで、後ろから肩などを押さえているか、手をつないで乗るようにしています。

横矢さん:上りの場合はそれで大丈夫ですが下るときの方が怖いですね。上りは後ろからも抑えやすいのでまだ、いいのですが...。下りのエスカレーターではどうしていますか? 

舟生:それでも、常に手をつなぐか肩を押さえるかしていますね。

横矢さん:そうですか。下りの時が怖いんですよね。上りの時は(ママでも)わりと押さえやすいのですが。エスカレーターは、いろいろありますね。講演などに行くと、主催者や参加者の方々が子供時代のいろいろな体験談を話してくれるのですが、そのなかで「子供のとき、エスカレーターで窒息しそうなったことがあります」という体験談を話してくれたことがあります。少し前にも、エスカレーターから身を乗り出して乗っていた子供が、首を壁とエスカレーターの間に挟んだ事故がありましたね。あの事故も「三角板などがあるから大丈夫だろう」「壁に頭が当たれば、すぐ気づくだろう」と思いがちですが、エスカレーターと壁の間に頭部を挟まったとき、頚動脈を押さえられてしまうので、あっという間に意識を失うことがあるそうなんです。

舟生:まだ気がついていない危険って、絶対にあるんですよ。「ああ、ここにこんな危険があったのか!」といったような事ですね。

横矢さん:先日、小学校に講演に行ったときにも、エスカレーターでケガをしたお子さんがいましてね。「このエスカレーターの手すりってどうなっているのかなと、最後まで覗き込んでいたら指を巻き込まれちゃった」と言うんですよ。その話をエスカレーターの会社の人に話をしたら、そういった事故も意外と多くて、指を巻き込まないタイプのエスカレーターをつくったそうです。メーカー側もそういった情報が入ってくれば、きちんと改良をしてくれるんです。

舟生:改良しようという意志は、メーカー側にはあるんです。

横矢さんキッズデザインとかサーベイランスといった動きもあって、子供の目線が広がってきたのはとても良いことだと思いますし、(子供の安全に対する)環境も良くなってきてはいるということだと思います。


ママのお手伝いが思わぬヒヤリハットにつながるケース
わが子の「ヒヤリハット」体験談西江さん:うちの場合は女の子3人姉妹ですが、一番上の子が4年生で一番下の子がまだ1歳なので、上の子が下の子の面倒を見たがるんです。「ちょっと下の子を見ていてね!」と、お願いすることもできて、親としては助かる部分もあるのですが、かえって余計な事をしてくれちゃうことも正直あるので、ヒヤッとする部分が多いですね。先日、階段部分にはゲートを付けて、ロックも掛けて、子供が1人で下りられないようにして、2階で一番下の子をお昼寝させていたのですが、下の子が目を覚ましたのに気づいた上の子が「お母さん、起きたよー」と言って、下の子を抱っこして2階から下りて来たんです。

横矢さん:もう4年生ですものね。

西江さん:そうなんです。4年生だから大丈夫だと思うんですけれど、自分でも(下の子を抱っこして階段を下りるときには)怖々下りるので心配なんです。

横矢さん:抱っこベルトを使わない状態で(子供を抱いて)階段を下りるのは、大人でも慎重になりますね。

西江さん:でも、本人は「いいことをした!」と、思っているんです。だから、本当は「これは、やらないでね!」と、上の子にお願いしたいんですけれど、あまり怒るのもいけないかな、と、考えますね。それに「絶対にやっちゃいけない!」と注意してしまって、緊急時、本当は出来るのに「(やっちゃダメと言われたから)やらなかった」では、困るし...。これからどのように上の子にお願いをしていけばいいかなと悩んでいます。

舟生:そういったヒヤリハットが起きたときに、「ああ、危なかったね」で終わるのではなくて、そこから何を学ぶかが大事になってきます。どういった言葉で注意をすれば、やる気を失うことなく危険を理解してもらえるか、難しいですが上手に注意喚起したいですね。

西江さん:4年生ぐらいだと、できることもたくさんあるので悩みますね。

舟生:こういう時に「こういった話し方をすればいいよ」といった、ストックが貯まるといいですね。

横矢さん:そうですね。先日もお話しましたが子供の性格はいろいろですから、幾通りか子供の性格によって「どんな言い方したら、どういう反応をするのか」を要チェックしながら「このような言い方をしたら、こんな反応が返ってきたので、今度からこのように接してみよう」といった感じで、(子供の性格に応じた)対応をするのが方法なのでしょう。

舟生:本来なら、親が子育てを少しずつ経験しながら自然と学んでいかなければならないのでしょうが、子供の行動はその範囲を超えていますから。子育ては難しいですね。

横矢さん:昔だったら、おばあちゃんがいて、兄弟が(たくさん)いて、その中で自然にできたことなのでしょう。 廣田さんのところは兄弟が多いですよね。いかがですか?お兄ちゃんだから下の子を抱っこした...なんて経験はないですか?

廣田さん:それは、ないですね。兄弟が2歳ずつしか離れていないですし、男の子ばかりなので、下の子の面倒をみるということもしないですね(笑)。


お風呂で流血!? 子供の行動にビックリ!
わが子の「ヒヤリハット」体験談廣田さん:うちは男の子ばかり4人兄弟なので、ご想像いただく通り、いろいろな事がありました。上のふたりが、お風呂場で同じようなケガをしているんです。兄弟がとても仲がいいので兄弟だけでお風呂に入っているときの話しなのですが、上の子が小学1年のときの、忘れもしません七夕の日でした。お兄ちゃんがお風呂のバスタブの上からジャンプをして頭部を打ったんです。傷がパックリ開いて、顔中血だらけになって浴室から出て来たことがありました。流血した子供の姿にもうビックリ!慌てて病院に連れて行きました。

横矢さん:頭部は少しの傷でも流血しやすいし、お風呂場だとさらにですね...

廣田さん:時期は全然違うのですが、今度は下の子が幼稚園の年長のときに、お兄ちゃんと同じようにお風呂のバスタブからジャンプして、まったく同じところをケガしたのです。たまたま、家の近くに入院施設のある外科があって、夜でも電話をすれば診察してくださるので本当に助かりました。そういったイザというときに役立つ病院を見つけておくのも、男の子4人兄弟がいる家としては、とても大事だなと思いました。いろいろお世話になったんですよ。

舟生:緊急時に役立つ施設を確保しておくと心強いですね。日頃からそういった施設を探しておくことは、子育て中の母親の負担を軽くするうえでも大切なことでしょう。これはまさにクライシスマネジメントのであり、リスク対策として非常に有効な考え方です。

廣田さん:子供がケガをしたときにどういった応急処置をしたら良いのか知っておくことも大切ですね。上の子が流血時にそう思って応急処置についていろいろ経験して学んでいたので、下の子の流血時には冷静に対処できました。

横矢さん:簡単な応急処置は知っておくと安心ですよね。上の子の事故を下の子は見ていなかったのかしら。どうしてこういったことになったのか、話とかしませんでしたか?

廣田さん:上の子の事故があった日は、長男と3男でお風呂に入っていたので見ていなかったんです。我が家ではそういった出来事があった時に、皆で思い出し話をするんです。例えば、「上野公園で○○ちゃんが迷子になっちゃって、大変だったよね。あの時、着ていた洋服が派手だから見つかって良かったよね」っていう話をよくすることがあって、その洋服が出てくると「あ、これ、○○ちゃんの迷子服だよね」と感じで、事故にあったときとか、流血事故のときもそうですが、兄弟で思い出し話をすると、子供なりに反省をするみたいなんです。

横矢さん:ただ下手をすると、それを大人まで言われたことでトラウマになってしまう、といったケースになり兼ねないので、気をつけなければなりませんね。失敗談をいつまでも話されてしまうのは、子供にとってキツイといいます。

舟生:子供の性格によりますね。

横矢さん:そうですね。

廣田さん:その点、うちの子どもたちは笑い話にできるほうなので安心していましたが...トラウマのことも考えてもっと慎重に話して行きたいと思い直しました...

大根:お座りさせていて後ろにひっくり返ってしまったりとか、浴槽で滑ってしまい、溺れるまではいかないですが、子供ながらに水の怖さを感じ取って、怖がって泣いてしまったりということはありました。


子供の落下事故を防ぐ
大根:大人用のベッドを壁際に寄せて子供を寝かせていて、気づいたら、ドーンと床に落ちてしまったことがあります。

横矢さん:ベッドの横に柵とか付けないのですか? 大人用でも落下防止用の柵がありますよね。落下って打ち所が悪いと大変なので気をつけましょうね。

西江さん:ベッドから床への落下も危ないですが、それよりも窓からの落下が危ないと思うんです。ベッドって窓際に配置することが多くありませんか?

横矢さん:そうですね。ベッドを窓のそばに置かないとか、窓に柵をするとか、窓がすぐに開かないように工夫をするとか。子どもの危険回避研究所のホームページにも子供の事故事例が載っていますのでぜひ参考にしてください。落下といえば、ベランダからの落下事故も怖いですね。隙間がある所に親指を入れてでも、子供は上ってしまうという話を聞いたことがありますので、いろいろ工夫が必要です。

舟生:子供は意外な所からよじ上りますからね。子供が上ったら柵を越えてしまいそうな物は片付けておくべきです。

横矢さん:みなさん、ガラスは大丈夫ですか? 勢い余ってガラスに突っ込んでしまうというのは子供って結構やるので、やはりガラスの飛散防止対策は必要だと思います。ガラス飛散防止フィルムは役立ちますよ。地震の際もガラスの飛散を防ぎますし、子供が突っ込んだときにも安心ですよ。子育て中のご家庭には、絶対におすすめです。

西江さん:ガラスに突っ込む話しとは少し違いますが、網戸が閉まっていると安心してしまうお母さんがいますが、網戸に突進して、ひっくり返って、落下してしまったお子さんもいますから気をつけなければダメですよ。

* * * * * *

子育て中にはいろいろなヒヤリハットがありますね。ひとつひとつは些細な事例であっても、それらが大きな事故につながっていることも少なくありません。だからといってあまり神経質になる必要はありません。はじめから完璧にこなそうと考えず、出来るところから始めましょうね。


<今回登場した「セコムの食」のお菓子>

胡麻さぶれ

胡麻さぶれ


遠赤外線で焙煎した良質の胡麻をタップリと使用したサクサク感が自慢の「さぶれ」です。食物飼料のみで育てた鶏の卵を使用しています。甘さは控えめなのでお子さんのおやつにもピッタリ! 座談会の席でも好評でした。健康志向の高い方におすすめのお菓子です。

→セコムの食はこちら


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2008.10.20

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