男の子の保護者も知っておきたい子どもの性暴力被害
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セコムの舟生です。
子どもの性暴力被害は、増加傾向にあります。
「男の子は関係ない」
「男の子が狙われるはずがない」
こういった思い込みにより、本人も保護者も性被害の深刻さを認識していないことがあります。
性暴力被害は性別にかかわらず起きていることを知りましょう。
今回は、男の子も被害者になりうる性犯罪について実態や対策をまとめます。▼ 子どもの性暴力被害の実態
内閣府の統計を見ると0~12歳の性被害(強制性交等罪)の認知件数が増加傾向であることがわかります。2022年の認知件数は、2018年の1.4倍以上です。
性暴力被害は「明るみに出にくい犯罪」のひとつと言えます。
性暴力被害に関するアンケートでは、回答者の半数以上が被害を「誰にも相談しなかった」と答えました。性暴力被害の数字は氷山の一角である可能性があり、その被害者はもっと多いのかもしれません。
性暴力被害は誰にでも起こりうる犯罪です。
「自分も狙われるかもしれない」という警戒心を持つことが非常に大切。
男の子であっても同様です。
子どもへの性暴力が増えていること
男の子も被害にあっていること
誰にも相談できずにいる子どもが多いこと
統計から見えてくる現実をもとに子どもを性暴力から守る方法を考えましょう。
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▼ 男の子にも教えておきたい「プライベートゾーン」の大切さ
性暴力被害から身を守るために知っておきたいのが「プライベートゾーン」。
「プライベートゾーン」とは、人に見せない、触らせない場所のことです。
幼い子どもには、「水着を着たときに隠れるところ」と教えますが、男の子なら「胸」を追加して教えてもいいでしょう。
「プライベートゾーン」は「自分だけの領域」。
顔や、口、髪の毛など、自分が「イヤ」だと感じるところもすべて「プライベートゾーン」です。
「プライベートゾーン」を見たがったり、触りたがったりする人はルール違反。
「プライベートゾーン」を見せたり、触らせたりする人もルール違反。
自分がイヤだと思うなら、はっきり「イヤだ」と言っていいのです。
幼い子どもにとって性犯罪、性暴力の被害を完璧に理解するのは難しいかもしれません。
それでも「イヤなものはイヤ」ということが身を守ることにつながります。
「イヤだと感じることは自分を守ること。あなたは間違っていないんだよ」と教えてあげましょう。
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▼ 性暴力被害の加害者は不審者だけではない
男の子も性暴力被害にあっています。
公園で遊んでいるところを言葉巧みにトイレに連れこんで犯行に及ぶ事案がありました。
不審者による犯行も多いですが、顔見知り、以前からの知り合いなどが加害者になるケースも少なくないのが実態です。
たとえ知っている人でも、「プライベートゾーン」は見せない、触らせないが大切。
「プライベートゾーン」の写真や動画も撮らせてはいけません。
それを迫るのは「ルール違反」だから、知り合いでも断るように教えましょう。
「相手に悪いかもしれない」「怒らせてしまうかもしれない」などと躊躇する必要はありません。
返事に困ったり、どうしたらいいかわからなかったりしたら、まずは逃げること。
勇気を出して行動することが、性暴力から身を守ります。
もし本当に相手に失礼なことがあれば、あとで保護者が謝ればいいだけのこと。
子どもが感じる「怖い」「イヤだ」という直感を尊重してあげましょう。
そのことがわかっていれば、子どもも自信を持って行動できるはずです。
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性暴力被害を子どもから言い出すのは難しいものです。
保護者には、子どものSOSサインに早く気がつくことが求められます。
子どもの様子から「なにか悩んでいそうだな」「気になっていることがあるのかな」と感じたときは、口には出せない気持ちを察してあげることも必要です。
話しはじめたら途中で言葉を遮らず、真摯に耳を傾ける姿勢を見せることが、子どもの言葉を引き出します。
日ごろから親子でコミュニケーションをとり、「子どもの話を聞く」時間を意識してつくってあげてください。* * * * * * * * *
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