小学生を狙う「声かけ」!だまされないための方法は?
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セコムの舟生です。
小学校生活を取り巻く心配ごとのひとつに、「不審者による声かけ」があげられます。
警察署の防犯メールを受信しているとわかりますが、声かけ事案は連日のように各地で発生しており、決して他人ごとではありません。
知らない人から声をかけられたとき、お子さんは正しい防犯行動が起こせるでしょうか?
「声かけ」の手口はどんどん巧妙化していて、強引な手口も多く見られます。
だまされたり、相手のペースに乗せられたりしないように、予備知識を深めておくことが必要です。
今回は、声かけの種類を分析するとともに、不審者かどうかを見分ける判断基準についてまとめます。
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▼ 子どもを誘う「声かけ」のパターン
子どもが「あやしい!」とすぐにわかる声かけだけではなく、戸惑ってしまうような声かけもあります。それぞれのパターンと例をいくつかあげてみましょう。
◎パターン1:子どもの好きなものや興味があるもので誘う
・ お菓子をあげるから、一緒に遊ぼう
・ うちに来れば、○○の最新ゲームで遊べるよ
・ あっちでサッカー選手の◯◯さんに教えてもらえるから、一緒においで
・ かわいいね。雑誌のモデルにならない?
◎パターン2:助けを求める
・ ○○駅はどこ?車に地図があるから教えてくれる?
・ 具合が悪いから、病院まで連れていって
・ この辺に家の鍵を落としたんだけど、探すのを手伝ってくれる?
・ 車のシートの隙間にお金が挟まってしまった。大人では届かないから取ってくれる?
◎パターン3:親切を装う/親しげに近づく
・ あやしい人がついてきているよ。危ないから一緒に行ってあげる
・ もうすぐ暗くなるから家まで送ってあげる。車に乗って
・ さっき落とし物をしたよ。これ君のじゃない?
◎パターン4:緊急を装う
・ お父さんが事故にあった!病院に行くから急いで車に乗って
・ おうちの人がすぐ帰ってきてって。お母さんに頼まれたから迎えに来たよ
・ おうちが大変だから、急いで一緒に来て!
◎パターン5:おどかす
・ 君のせいでおばあさんがケガをした。交番まで一緒にきなさい
・ 警察だけど、万引きしたでしょう?
・ 車に傷がついた。親に連絡するから家まできて
・ こっちを見ていただろう?ちょっと来い!
「○○をあげるから、一緒においで」のようなわかりやすいものだけではなく、かなり巧妙です。
どんどん新しい手口がでてきており、なかには大人でも戸惑ってしまうようなものも見受けられます。
不審者から声をかけられたときの対応を覚えるだけではなく、なるべくたくさん声かけのパターンを知り、「このような声かけがある」という知識を蓄えておくことが必要です。
いざというときに、だまされずに危険を感じ取るセンサーが働くはずです。
▼ 「親にダメって言われている」と断る
声かけをされたときの対応は、学校の安全教室などでも教えていると思います。
大きな声で「イヤです!」と断る練習をしたことがあるお子さんもいるでしょう。
きっぱり「イヤです!」と断ることが大切ですが、大人を目の前にすると、実はかなり勇気がいることです。
周到なケースでは、知り合いを装って子どもの名前を呼びかけてから、声をかけることもあるので、より断りにくくなると思います。
そのようなときに言いやすいのが、「お父さん(お母さん)にダメって言われている」というフレーズです。自分では断りにくくても、親に言われて断っていると思えば、子どもも口にしやすくなります。
大人からの誘いかけでは、たとえ知り合いであっても、ついていかないことが鉄則です。
もしも本当に知っている人からの誘いでも、「もし相手が気を悪くしても、あとでお父さん(お母さん)が謝ってあげるから、相手の言うとおりについていったりしたら絶対にダメだよ」と教えておいてください。
悪意のある声かけの場合、考え込んだり、ためらったりしている時間が危険です。
すぐに判断できないとき「お父さん(お母さん)に聞いてくる」と言って、とにかくその場を離れるように教えましょう。
▼ 不審者からの声かけを見分ける基準
犯罪目的の「声かけ」は、子どもの足を止めさせたり、別の場所に移動させたりする手段として行われます。
「ちょっと来て」「一緒に行こう」など、行動を促す言葉がともなわれます。
また、子どもにしつこく問いかけたり、「○○してくれない?」と頼みごとをしたりする声かけは、悪意がある可能性が高いです。
一方で、子どもに何かを求めていない"善意の声かけ"も存在します。
最近は子どもを狙った凶悪な事件も多いことから、声かけに過敏になっている親御さんも多いようです。なかには、「おはよう」「こんにちは」とあいさつをされただけでも、走って逃げるように教えることもあるとか。
しかし、あいさつも交わせないようでは、かえって近隣の関係性が希薄になり、不審者が入り込むすきを与えてしまう場合もあります。
地域には、子どもを見守ってくださる方々もたくさんいます。
あいさつをされたときは、元気に「おはようございます!」「こんにちは!」と返すよう、教えましょう。
ご近所の方に子どもの顔を覚えてもらい、あいさつのできる関係性を築くこと。
子どもを見守る目が多いほど、万が一のとき異変に早く気付いてもらうことができます。
気持ちのいいあいさつがわが子を守ることにもつながるのです。
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声かけへの対応は、「防犯シミュレーション」での練習がおすすめ。
悪い人からの声かけだけではなく、あいさつをしてくれたご近所の方への返答パターンも交えて、ゲーム感覚で柔軟な対応を身につけていきましょう。2017.04.17