子どもに防犯と安全の”気付き”を与える取り組み
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セコムの舟生です。
子どもの防犯力と安全意識をはぐくむ「全国地域安全マップコンテスト」。
セコムでは、スクールユニホームの総合メーカーであるオゴー産業株式会社が主催する本コンテストに協賛しています。
今年で12回目を迎え、年々取り組む子どもや学校の輪が広がっています。
先日、受賞作品の審査に参加しました。
子どもたちの自由な発想やアイデアにたくさん出会える選考会の場は、私の毎年の楽しみ。
今年も、子どもの危険回避研究所の横矢真理所長とともに受賞作品を選びました。
安全マップには、お子さんの防犯力を鍛えたり、安全意識を高めたりするヒントが盛り沢山です。
今回は、「第12回 全国地域安全マップコンテスト」に寄せられた多彩な作品をご紹介するとともに、新年度を控えた今、お子さんの安全性を高めるためのポイントを一緒にまとめます。
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▼ 「地域安全マップ」とは?
地域安全マップとは、通学路やよく遊びに行く場所など、子どもの生活圏に潜んでいる危険を可視化した地図です。近年は、防犯教育の一環で制作に取り組む小中学校が増えてきました。
学校周辺や自宅周辺を実際に歩いて自分の目で見て気付いた危険な場所や注意すべきポイントを見つけ出し、地図にイラストや写真、コメントなどを使ってわかりやすくまとめることで、安全や危険に対する意識を身に付けることができます。
危険な場所の見つけ方や、地域安全マップの具体的なつくり方は、こちらが参考になります。
同じ学校に通い、同じ街の地図を描いても、子どもによって着眼点はそれぞれで、個性がよくあらわれるのがおもしろいところです。
▼ 第12回 全国地域安全マップコンテスト 受賞作品に見る安全のポイント
今回のコンテストには、全国からたくさんの作品が集まりました。
毎年必ず応募してくださる常連校が多いのが、このコンテストの特徴のひとつ。
継続的な取り組みが浸透しているのは、やはり子どもの安全や防犯意識にいい影響を与えることを実感しているからでしょう。
満場一致で【総合大賞】に選ばれたのは、「子ども会」で安全マップづくりに取り組んだ2作品。
色彩豊かで視認性もあり、「いい街にしよう!」という思いが伝わってくる、夢のある地域安全マップでした。
同じ場所を低学年と高学年、それぞれの目で見て気付いた点を2枚の地図に書き込んでいます。
つくっただけで終わらず、低学年と高学年の生徒がお互いの安全マップを題材に学びを深めることができ、発展性のある大作で私も感銘を受けました。
自分ひとりでは気付けない視点で街を観察できるところが、グループ制作の素晴らしいところですね。
そして、私が選ぶ【セコム賞】は、「わかりやすさ」「見やすさ」が選考のポイント。
注意点、危険な場所が見やすく、わかりやすく描かれていて、非常にきれいにまとめられていました。
街のなかの危険をよく理解して、自分なりの気付きやそれによって考えたことが整理してあり、とてもよかったです。
地域安全マップには、危険に対するお子さんの理解度や思考の深さがあらわれます。
お子さんがどのような危険を認識しているのか、危険を回避するためにどのように行動しようと考えているのかが見えるはずです。
ぜひ親子で一緒に安全マップをつくってみてください。
ほかの受賞作品からも子どもたちの工夫と努力が感じられました。
危険を色分けすることで注意ポイントを絞った作品や、「ここを改善したらもっと良くなる」といった提言が書き込まれた作品、危険な場所に5・7・5の標語のようなものをそえた作品、道路工事の状況から独自の観点で安全性を表現した作品など、いずれもレベルが高かったです。
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地域安全マップづくりのいいところは、危険に対する"気付き"を得られるところにあります。
歩いたり、遊んだりしているときには、見えていないことも多いもの。
大切なのは、完成した安全マップそのものではありません。
安全マップをつくる過程にこそ大切な体験が詰まっているのです。
安全マップをつくる過程で、さまざまな発見をし、なぜ危険なのか考えることで、子どもたちは自分の身を守るために必要な視点と感覚を身に付けていくことができます。
ご家庭では初めから答えを教えるのではなく、お子さんの発見を待ちましょう。考えさせることが重要です。お子さん自身が考え、気付きを得られるよう、サポートしてあげましょう。<お知らせ>
「第13回 キッズデザイン賞」募集開始!
2019年5月10日(金)まで
「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン」「子どもを産み育てやすいデザイン」を顕彰する「キッズデザイン賞」の募集が今年もスタートしました!
デザインといっても、「意匠」だけではありません。
子どもや子どもの生み育てに配慮したすべての製品、空間、サービス、活動、研究が評価の対象です。「制度」や「取り組み」など広義のデザインのほか、子ども向けのものはもちろん、子ども目線を取り入れて開発されたものであれば、一般・大人向けのものであってもご応募いただけます。
たくさんのご応募をお待ちしています!
第13回キッズデザイン賞の詳細はこちらをご覧ください。2019.03.28