子どもを狙うわいせつ犯罪が多発、対策は?
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セコムの舟生です。
子どもが被害者となる性犯罪があとを絶ちません。
連日のように新聞やニュースで報じられています。
地域の防犯メールでも不審者情報や子どもの被害を頻繁に目にしている方も多いのではないでしょうか。
断じて許されることではありませんが、狙われる危険性は誰にでもあり、不安はつきません。
卑劣なわいせつ犯罪からわが子を守るには、いったいどうしたらいいのでしょうか。
今回は、実際に起きた事件の手口をご紹介しつつ、子どもの性犯罪対策をまとめます。
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▼ 巧みな声かけで子どもをだます手口が頻発
ここ数カ月でニュースになった子どもが被害者となるわいせつ犯罪のうち、声かけがきっかけになった事例を紹介します。
・ 路上で遊んでいた未就学の女児に「おやつをあげる」と声をかけて自宅に連れ込み、下半身に触るなどわいせつな行為をしてケガをさせた50代男を逮捕(東京都 6月)
・ 路上にて、小3女児の前でわざと財布を落とし、追いかけてきた女児に「クレジットカードを盗ったでしょう」「確認する」などと言って自宅に連れ込み、わいせつ行為をしようとした10代男を逮捕(東京都 5月)
警察署などが公表している声かけ事案の情報を見ると「火事だから一緒に逃げよう」「お母さんが入院したから一緒にいこう」「道を教えてほしいから、車に乗って」など、言葉巧みです。
「子どもならだませる」「言うことを聞かせられる」という卑劣な思惑が見て取れます。
大事に至らなかったケースでは、いずれも「防犯ブザーを鳴らした」「走って逃げた」など、子どもが防犯行動を起こしていました。
「知らない人」からの誘いには、絶対についていかないことが鉄則です。
しかし、きっぱり断ったり、防犯ブザーを鳴らしたりするのは、実は大変勇気がいることです。
「もしもいい人だったら申し訳ない」「怖いから断れない」などさまざまな思いから、ちゅうちょしてしまう子も少なくありません。
いざというとき、「危ないかもしれない」と即座に判断して、防犯行動を起こすためには、日頃からの練習が役に立ちます。
いろいろな声かけへの対応を親子でシミュレーションしてみましょう。
お子さんが頭と体を使って防犯行動を覚える「防犯シミュレーション」にトライしてみてください。
▼ 突然襲われるリスクを避けるには
・遊んでいた8歳女児の靴下を脱がせ、足の裏をなめた40代男を逮捕(静岡県 7月)
・公園で遊んでいた小5女児の胸を触るなどした60代男を逮捕(群馬県 6月)
・ 路上で、下校中の小2女児に後ろから近づき、スカートをめくって引っ張って転倒させ、ケガをさせた60代男を逮捕(長崎県 6月)
・帰宅途中の小学生女児の体を触るなどした20代男を逮捕(東京都 6月)
わいせつ目的の路上犯罪では、容疑者が同様の事件で再逮捕されていたり、近隣で類似した事件が以前から起きていたりするケースが目立ちます。
人目につかない場所や時間を狙って繰り返し犯行に及んでいることが多いようです。
犯行がしやすい場所で、子どもを物色している可能性もあります。
こうした犯罪にあわないようにするには、ひとりにならないことが大事。
また、周囲からの死角になる場所を通行したり、遊び場にしたりしないことが重要です。
しかし、防犯意識が十分ではないお子さんは、自分が犯罪にあいやすい状況にあることを気づかず、ひとりになってしまうことがあります。
家のすぐ近所でも、歩きなれた通学路でも、ひと目につきにくい時間帯や場所は存在するものです。怪しい人や車はいないか、いつも周囲に注意を払うように教えておきましょう。
生活圏にある危険な場所を把握するには、「安全マップづくり」にチャレンジするのもおすすめです。
▼ 男の子もわいせつ犯罪の被害者になることがある
・小学生男児に人気のカードゲームの話題で近づき、「カードをあげる」などと自宅に誘い、わいせつ行為をした30代男を逮捕。男児は容疑者と以前から顔見知りで、子どもたちからは「カードおじさん」などと呼ばれていた(埼玉県 6月)
男児に対するわいせつ犯罪は、女児よりは少ないものの、かなりの頻度で発生しています。
「自分が狙われるかもしれない」という意識が低く、保護者も「うちは男の子だから」と無意識に考えてしまう傾向があり、そのことが無防備なすきを招いていると言えるかもしれません。
男児を狙った性犯罪では、ゲームやマンガなどの話題で近づいたり、欲しがっているものを「あげる」と誘ったりするケースが多くなっています。
親切に見えても、簡単に気を許すことは危険だということを、よく教えておきましょう。
保護者の方は、このような犯罪があることをお子さんに教え、「知らない人にはついていかない」「ものをもらわない」など、防犯の基本をしっかりおさらいさせてください。
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不審者から襲われる恐怖は、言葉では言い尽くせないものです。
体だけではなく、お子さんの心に深い傷を残します。
いざというときの対応方法を教えておくことも大事ですが、狙われないように行動することが何よりの防犯対策。
ひとりにならないことを徹底するとともに、周りをよく見て危険な気配を感じたら道を変えるなど、いち早く危険を回避する行動を取ることが重要です。
わいせつ犯罪の恐ろしさと、被害にあわないための対策を親子で話してください。2018.07.19