[クローズアップNEWS]屋外で子どもが狙われている!?卑劣なわいせつ犯罪の実態
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セコムの舟生です。
今回の[クローズアップNEWS]は、小学校低学年のお子さんの被害が多い強制わいせつ犯罪を取り上げます。
公園で遊んでいる子や、帰宅途中の子に声をかけ、言葉巧みにひと気のない場所に連れ込み、卑劣な行為に及ぶ...このような犯罪が全国各地で起きています。
狙われることが多いのは、警戒心が薄く、抵抗する力が弱い、まだ幼い子ども。
低学年や未就学の小さなお子さんに、性犯罪の危険を教えるのは難しいことですが、子どもが被害者となる性犯罪の実態を知り、どのようにすれば防げるかを考えてみましょう。* * * * * * * * *
▼ 男児も被害にあっている!卑劣な性犯罪の実態
「子どもの安全NEWS」で取り上げたとおり、路上や公園など公共の場で多くのわいせつ犯罪が発生しています。・公園にいた小学生女児2人に「友だちになって」と声をかけ、公衆トイレに連れ込んで鍵をかけて閉じ込め、体を触る・写真を撮るなどした疑いで男を逮捕(2014年4月 大阪府)
・共同住宅1階にあるトイレで、手を洗おうとしていた当時6歳の女児を個室に連れ込み監禁。体を触るなど、わいせつ行為に及んだ男を逮捕(2014年4月 福岡県)
・公園で小5女児の体を服の上から触った疑いで、20代男を逮捕。男は「女の子の体を触りたい欲求があり、コントロールできなかった」と供述(2014年3月 東京都)
・駐車場で小2男児にわいせつ行為をした疑い60代男を逮捕。周辺では数年前から6~9歳男児への同様の被害が確認されており関連性を調査中(2014年3月 東京都)
・放課後に校庭で友人と遊んでいた低学年女児にわいせつな行為をしたうえ、スマートフォンで動画撮影した男を逮捕。女児が母親に話して発覚(2014年3月 大分県)
・帰宅途中の小1女児に「悪いことしたでしょ。ちょっとこっちに来て」と声をかけ、マンションの階段でわいせつ行為をした男を逮捕(2014年3月 熊本県)
・小学生女児らに10件以上わいせつ行為を繰り返していた30代の男を逮捕。男は、ひとりでいる女児に「コンビニはどこ?」などと声をかけ、ひと気のない場所に連れ込み、体に触るなどしていた(2014年1月 兵庫県)
・公園で遊んでいた女児を公園内のひと目につかない場所に連れ込み、服を脱がせて抱きつくなどした男を逮捕(2013年12月)
・小2と小5の女児に「道を教えてほしい」と声をかけ、車で連れ回して体に触るなどした20代男を逮捕。男は「泣いたら殺す」と脅していた(2014年11月 広島県)
被害にあっているのは、低学年のお子さんが多く、中には男の子も含まれています。
「まだ小さいから」「男の子だから」という理由では、被害を免れられないのが、現代の性犯罪の実態です。
▼ 犯行はひと気のない場所に移動して行われている
あらためて過去の事件を振り返ると、純粋な子どもが被害にあっている状況に怒りを禁じえません。同様の犯罪からわが子を守るためにも、過去のニュースを参考に犯行の手口を知っておきましょう。犯行にいたるまでに3つのステップがあることがわかります。
<路上や公園で起きる性犯罪の手口>
段階1:子どもの気を引くような声かけをする
「新しいゲームがあるよ」「お菓子をあげる」など子どもがほしいもので誘惑するパターン。「迷子の犬を一緒に探して」「財布を落として困っている」など助けを求めるパターンなど、さまざまな誘い文句があります。警察を装うなど、子どもを萎縮させる悪質な声かけも増えています。段階2:別の場所に移動する
犯行現場に選ばれるのは、公園の物陰や公衆トイレ、あるいは車の中など。また集合住宅や駐車場なども死角が多いうえ、人の目が少なく、かつ出入りしやすいため、「子どもを狙う場所」「犯行にいたる場所」にされています。段階3:脅して逃げにくい状況をつくる
どうしていいかわからない恐怖の中、「声を出したら殺す」「だれかに言ったら殺す」など恐ろしい言葉で脅されれば、大人でも身動きできなくなります。刃物で脅したり、撮影した写真を使って脅したりすることもあり、手口は悪質になっています。
▼ どうすればわが子を卑劣なわいせつ犯罪から守れるのか?
段階3までの状況をつくられてしまえば、小さなお子さんが逃げ出すのは難しいかもしれません。
段階1の時点で危険を回避することが、最大の防御策です。危険に対して敏感になり、状況を判断する能力を育むためには、練習を繰り返すしかありません。「遊んでいるときに、知らない大人から声をかけられたらどうするか」をお子さんとシミュレーションしてみましょう。
さまざまな声かけのパターンで、お子さんの危険回避能力をはかってみてくださいね。
以下に、性犯罪から子どもを守る基本的な防犯対策をまとめます。<外に行くときの約束>
*「知らないひと」には絶対についていかない
*「知っているひと」でも、変だ、怖いと感じたらすぐ逃げる
*お友達といつも一緒に行動する。トイレも一緒に行く
*水着で隠れる場所は、「見せない」「触らせない」<保護者の方へ>
*過度にかわいらしい服装、だらしない服装、露出の多い服装はさせない
*防犯メールや保護者同士の交流で地域の最新情報を把握する
*何でも報告しあえるよう、日ごろから親子のコミュニケーションをしっかりとる段階2では、防犯ブザーなどの防犯グッズが効果を発揮することもあるでしょう。
段階1の時点で危険を回避し、万が一連れて行かれそうになっても防犯ブザーを使ったり、周囲に危険を知らせたりして防ぐように言い聞かせてください。
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保護者の方も「まさかウチの子は...」と心のどこかで思っているかもしれません。しかし、事件の多くは、「まさか」と思われるような日常のシチュエーションで起きています。
子どもを狙う意思がある者から見れば、平和な街の中でも、「死角」はあるものなのです。そのことを心にとどめ、お子さんの安全に目を配りましょう。
2014.05.19