2009年統計データからみる子供の犯罪被害状況と、家庭でできる防犯対策
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セコムの舟生です。
5月初旬の沖縄に始まり、日本列島も梅雨入りのシーズンを迎えています。平年よりも梅雨入りが遅れているところが多いようです。なんでも今年は長梅雨になりそうだと言われていますが、空模様だけはわかりませんね。
梅雨の季節、通い慣れた通学路でも傘をさして歩くと、また違った危険が潜んでいるかもしれません。
雨の日に、お子さんが安全に通学できているか「心配だなぁ」と思ったら、親子で一緒に通学路を歩いてみてください。普段気づかなかった"雨の日のココが危険"がみえてきます。先日、梅雨の季節の防犯・防災についてご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
さて今回は、警察庁がまとめた統計資料をもとに、2009年の犯罪傾向の特徴と、家庭でできる防犯対策についてお話します。
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■ 少年の犯罪被害総数は減少傾向 警察庁の統計資料「少年非行等の概要(平成21年1~12月)」によると、2009年の少年(*1)の被害者総数は27万5,328件で、前年と比べて4.7%減少しています。また、凶悪犯罪の被害件数は1,108件で、こちらも前年比で10.0%減少しました。全体的な傾向としては、なだらかではありますが、減少傾向にあるといえます。 (*1)ここでの「少年」とは、20歳未満の者をいいます。
■ 児童ポルノ事件の被害は増加傾向
このように少年の犯罪被害総数が減少するなか、小学生の犯罪被害について内訳をみると、性犯罪被害が830件(2.6%増)、窃盗犯被害は2万1,781件(1.0%増)と、わずかではありますが前年に比べて増加しています。また児童ポルノ事件の被害児童数(*2)は411人(21.6%増)と大幅な増加となりました。被害児童のうち、未就学児童、小学生の被害は65人で、前年比で66.7%増えています。
(*2)ここでの「児童」とは、18歳未満の者をいいます。こうした状況のなか、去る5/31(月)、ネット上に児童のわいせつ画像などを掲載したとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反などの疑いのある男たちが一斉摘発・逮捕されました。警察庁によると、児童ポルノに絡む一斉摘発は全国初だそうです。
■ まずは家庭での防犯対策をしっかりと!
「統計上で犯罪被害が減少している」と、安心してはいけません。年間に何人もの子供たちが悲しい事件に巻き込まれているという事実に変わりはないのです。子供を持つ親も、社会全体も、防犯に対してもっと関心を持つべきだと私は思います。大切なお子さんを守るためには、まずは家庭での防犯対策をしっかりと行うことが重要です。
「子供の防犯ブログ」でご紹介している、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
● 通学ルートの安全確認
● 防犯シミュレーション
● 防犯グッズを上手に活用する
保護者自身が「防犯」に関心を持ち、積極的に子供に防犯教育をすること。そして、家庭でできる対策はしっかりとしてあげること。子供たちを犯罪被害から守るために、この二つが大切です。最終的には、子供自身が危険を回避する力を養えるように導いてあげてください。
2010.06.10