親子で防災に取り組もう
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セコムの舟生です。
8月11日早朝、駿河湾を震源とする地震が発生しました。静岡県内では震度6弱を観測したほか、各地で揺れを観測。私も、早朝地震で目が覚めました。こんなとき、子供を持つ親として思うのは、「子供たちやほかの家族は大丈夫だろうか」ということではないでしょうか。いつ起こるかわからない災害だからこそ、日頃から備えを万全にしておきたいものです。
子供が幼稚園生くらいになったら、災害に遭遇したときにどのような行動をとればよいのかを教えておく必要があるでしょう。しかし、「地震が起きたらどうすればよいのか、小さな子供にどのように教えたらよいのかが分からない」「子供に地震の怖さを教えるのって、逆に子供を怖がらせ過ぎてしまうのでは...」など、保護者のほうにもいろいろな不安や心配があるようです。
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そんな小さなお子さんをもつ保護者の方々の声にお応えして、「ハローキティ」の幼児向け安全絵本『おやこで みにつく あんぜんえほん』シリーズの第3巻『キティちゃんの じしんが きたら どうするの?』(定価998円・税込)は防災がテーマになっています。ポプラ社さんより好評発売中です。(C)'76, '09 SANRIO CO., Ltd.APPROVAL No.E-500827-2
『キティちゃんの じしんが きたら どうするの?』では、キティちゃんが登場する可愛いイラストで「地震にあうとどのような危険があるのか」「どのように避難すべきか」など、小さな子供でもわかりやすいように紹介しています。保護者のための解説も掲載されているので、子供に教えたい要点がわかるのも特長です。ぜひ、親子で読んでみてください。
さて、この他にもいつ発生するか予測のつかない震災から子供たちを守るための防災対策をお話します。
■ 日頃の備えが地震の被害を減らす
冒頭で触れた、駿河湾を震源とする地震で最も大きな震度を観測したのは静岡県です。震度6弱という大きな揺れを観測しながら比較的被害が少なかったのは、この地域が地震対策に関する意識が高く、日頃からから備えがなされていたからであるとの報告もあります。このように、地震の被害を最小限に抑えるためには日頃の備えが欠かせません。*落下・転倒物に対して備える
家の中での備えとしては、テレビが落下したりタンスが転倒したりしないように重い家電製品や大きな家具は固定することが大事です。今回の地震でも、静岡県は家具の固定率が全国トップであったことから、死傷者など被害が比較的少なかったという報道がありました。戸棚や食器棚の扉には、震動で開いて中身が飛び出してしまうことがないように飛び出し防止用の器具を取り付けましょう。そのほかにも寝室や子供部屋には背の高い家具は置かない、家具の配置を見直す、建物の耐震化を図るなど備えるべきことはいろいろありますが、一度に行うには費用がかかったり、労力も大きかったりしますので、少しずつできるところから備えを進めていくようにしましょう。*食料・生活物資を貯えておく
災害が発生してすぐに、行政から支援を受けることはほとんど期待できません。これは地震でも他の自然災害でもいえることです。最低でも3日間は支援物資に頼らなくても生活できるように、日頃から食料や生活物資を用意しておく必要があります。以前、セコムIS研究所の三島和子氏から『小さな子供を抱えたご家庭が災害に備えて準備しておくべきこと』について話を聞きましたが、子供用の生活用品や食料は各家庭で準備しておくのが基本です。
震災から日が経つにつれて支援物資や災害ボランティアの方々が被災地に集まって配給や炊き出しなどが行われるようになりますが、子供向けの配給はあまり期待できないのが実情だそうです。
例えば、乳幼児のいるご家庭でしたら、通常の防災用品のほかに、紙おむつ・おしりふき・着替えなどの生活必需品、長期保存が可能なベビーフード・缶詰め・レトルト食品・粉ミルクなどの食料品などを日頃から多めに用意して、日持ちするものは買い置きしておくように心掛けるとよいでしょう。
乳幼児に限らず、子供が食べやすい食料・おやつ・ジュースなどは各家庭で用意しておいたほうが安心です。
■ 地震が発生したら絶対に避難所へ避難しなければいけないわけではない
大きな地震が発生したら避難所に避難すると考えがちですが、必ずしもそうとはいえません。避難所という限られた空間で多くの人が生活をするのですからプライバシーはありませんし、周囲の人に気を使いながら生活をしなければなりません。もちろん子供にもある程度の我慢が要求されます。これは乳幼児や小さな子供、子連れの家族にとって大きなストレスです。また多くの人が狭い場所に集まる避難所生活では、風邪や伝染病の流行も気になります。もしご自宅が倒壊の心配が少ない建物の場合には、揺れが収まった後は外に出るよりも家の中にいた方がかえって安全な場合もあります。生活の基盤を自宅に置く方が避難所で生活するよりも、親も子供も楽に過ごせるケースが少なくないのです。
自宅ならプライバシーが確保できますし、子供が騒いでも周囲の目をそれほど気にせずに生活できるなどメリットがあります。もちろん、自宅周辺が警戒区域(注1)に指定されたり、家屋の倒壊や火災、その危険性があったりする場合には速やかに逃げなければなりません。しかし、倒壊や火災などの心配が少なければ、避難生活の基盤は自宅に置いて配給や炊き出しを受けるために避難所に通うのも方法だと思います。
*注1: 警戒区域...災害現場で身体等に対する危険防止、また消火活動火災調査のため関係者以外の出入りを禁止したり制限したりしている区域のこと。立入制限区域。
■ どこに避難しても一番困るのは「トイレ」
公的な避難所でも、自宅での待機でも、最も困るのはトイレです。避難所のトイレを利用するには大人も子供も行列に並ばなければなりませんし、大勢の人が使うトイレはどうしても不衛生になります。こうした避難場所にあるトイレはお子さんや女性にとって使いにくく、トイレに行く回数を減らしたいがために水分を控えたり、我慢をしたりして体調を崩すケースもあるそうです。防災用の携帯トイレなど多く販売されていますので、防災用具のひとつとして備えておくのも良いと思います。「セコム・スーパーレスキュー」の中にも、既存の便器に袋を取り付けて使用する"汚物処理グッズ"が入っています。
セコム・スーパーレスキューは実際に大震災を経験したセコム社員の声を検証し、「いざというとき本当に役立つか」という視点で重要度・性能・実用性を厳選した防災用品のセットです。まずご家庭にそろえていただきたいものが一通り詰まっています。備えあれば憂いなしですね。これを機会に、みなさんもお子さんとご一緒に防災用品の再点検をしてみてはいかがですか?
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緊急地震速報が出たときの対処方法、災害に備える準備なども、防災について考えるうえで大切です!また、セコムIS研究所の甘利康文氏は、災害発生時の訓練として、親子キャンプを提案していますよ。ぜひ家族で話し合ってみましょう。2009.08.28